デジタルときどきグローバル #12

長い長い打ち合わせが大好きな人は読まないでください。

  • Yasuharusasaki2013s
    佐々木 康晴
    株式会社電通 第4CRプランニング局 局長/エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター/デジタル・クリエーティブ・センター長

つい先日、4ヶ月ぶりにニューヨークに行ってきました。当時一緒に働いていたチームと、とあるお仕事で、またコラボレーションができることになったのです。JFK空港に降り立ち、ターミナルビルを出たとたんに、鼻腔をくすぐるファンキースメル。オイルやら食べ物やらなにやらが混じったヘンな(でも懐かしい)この香り。ああ、ニューヨークに戻ってきたんだなあ…と思いました。

今回は、打ち合わせやプレゼンのための渡米です。最近はいろんなデジタルツールのおかげで、お互い遠隔地にいても協調作業はしやすくなってきていますが、コアな部分では膝つき合わせてやらないと、良いものはできません(と思ってる)。しかしこの打ち合わせのやり方も、日本とアメリカではけっこう違うよなあ、と感じています。打ち合わせスタイルは、会社とか業種ごとのカルチャーの差も大きく影響するとは思うので、これがアメリカのザ・打ち合わせだ!とかいうつもりはないのですけれども、いくつか「型」を挙げてみましょうか。

 

この写真は、プレゼン前の、緊張感あるひととき。
クライアントさんは会議室の外で軽食をとりながら待機中です。がんばるぞう。

 


【ソファーあっさり型】
仕事の主な打ち合わせはたいていこのパターンです。アメリカの場合、マネージャー以上は「オフィス」と呼ばれる個室を持っていたりするので、打ち合わせもそこでやることが多くなります。置かれているのはたいてい応接セットなので、かしこまった感じではなく、スタッフがソファでくつろいだ感じになりつつ話します。資料とかを配ることはあまりなく(ちいさいローテーブルとかなので、配りにくいし見にくいし、そもそもその場で資料を読むなら今打ち合わせしなくても良くない?的な雰囲気)、口頭で各自のミッションについての「報告」をして、わいわい「議論」して、ディレクターがその場ですぐ「指示」を出して、解散。簡潔。とにかく短い。10分から30分くらいで終わりです。逆に言えば、口頭でちゃんと報告できるように、伝えるべきポイントを絞り込んでおく「準備」が大事になります。だらだら「説明」をする人はあまりいません。

【テレカンさくさく型】
実際に全員が一カ所に集まって話すだけでなく、数カ所で集まった後にテレカン(電話会議)でつなぐ、という打ち合わせも多いです。メールで事前に資料や内容は展開しておくのが基本。でも「読んでおいて」では伝わらないことが多い、いや、全く伝わらない前提なので、電話で集まって内容を追いかけます。電話なので、あまり長く話し続けるのも疲れるため、ほんとに要点だけで終わります。とっても効率的なやり方です。英語に慣れてないとすっごくツライですけどね…(だから僕は今もとても苦手です)。

【大テーブルもぐもぐ型】
もし、大人数でなにかの発表を伴うような打ち合わせの場合は、いわゆる大きな打ち合わせルームで。でもここも日本と違って、お菓子や食事が用意されてたりすることもあって、ちょっとうれしい。大人数の打ち合わせでも、あまり「資料を人数分配って」みたいなことはなく、プロジェクターで資料を投影したり、ボードに貼りつつ、要点だけを議論します。みんな忙しいですからね。でも、日本に比べると「遅れてきてすいません」的な人や、「あ、電話だごめんなさい」みたいな人、「別件ありましてお先にちょっと失礼します」な人も少ないような。忙しいけど、メリハリをつけて、少ない打ち合わせの場ですべて「決定」する感じがあるからでしょうか。プロジェクターベースで話すことが多いので、パワポ資料も必然的に「文字ぎっしり、矢印チャートたっぷり」とかじゃなくて、ストーリー立てが分かりやすく、1ページあたりの文字も少なめなものになっていきます。

日本で企画系の仕事をする場合、妙にながーい打ち合わせを好む人がいたり(それ系の人たちのミーティングルームをのぞきこむと、全員が腕組みをしてしーんとした状態のまま、なにやらそれぞれが考えてる…そして1時間後にまた見ても、誰も微動だにしておらず…みたいなの、ありますよね? 弊社だけかな…)。はたまた、資料を配ることが打ち合わせだ、みたいな、やたらと分厚い資料で打ち合わせした気持ちを味わう的なものも多くて。そしてそもそも、打ち合わせの回数も多いですよね。

蒸し暑い東京と違ってカラッと涼しくて、空がやたら青くて、そして夕焼けのオレンジが濃いニューヨークで、とても大好きなGround Supportのラテを飲みつつ、どうすれば日米方式のい

いとこ取りでプロダクティブな打ち合わせができるのかなあ、と考えていたのでした。

NY勤務の友人に教えてもらったコーヒー屋さん、Ground Support Cafe。
SOHOにあります。僕のかなりお気に入りのお店です。日本にもできないかなあ…。

 

 

 

 

 

プロフィール

  • Yasuharusasaki2013s
    佐々木 康晴
    株式会社電通 第4CRプランニング局 局長/エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター/デジタル・クリエーティブ・センター長

    1995年入社。コピーライター、インタラクティブ・ディレクターなどを経験した後、2011年からニューヨークに出向。帰任した現在もCDCとDentsu Aegis NetworkのExecutive Creative Directorを兼任し、グローバルとデジタルの間で、日々面白いものをつくろうともがいている。カンヌ金賞やCLIOグランプリ、D&ADなどの広告賞を数々受賞し、審査員経験も多い。2011年クリエイター・オブ・ザ・イヤー・メダリスト。

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