スポリューション #04

スポーツ×子ども

あの大手企業もついに参入!

スポーツが幼児教育市場を動かす!

  • 渡邉 快平
    株式会社電通 マーケティングソリューション局
スポーツコンテンツをメディア枠と捉えるだけではなく、ソリューションとしても捉えることで、新しいビジネスチャンスを生み出す ことにトライしているソリューションユニット「SPOLUTION(スポリューション)」チーム。そのチームメンバーたちが、それぞれの視点から、これか らのスポーツ関連のビジネスチャンスについて、リレーコラム形式でご紹介します。

皆さんはじめまして。「スポリューション」チームの渡邉快平と申します。

アクセスいただきどうもありがとうございます。

第3回では、【スポーツ×子ども】で生まれつつある新しいビジネスのチャンスについてお話をさせていただければと思います。

お父さんお母さんが子どもに習わせたい習い事の上位は「運動・スポーツ」!

皆さんは、子ども、特に、保育園/幼稚園の子(未就学児)の習い事というと何をイメージされますか?
実際の習い事の人気ランキングを見てみるとこんな感じになっています。

実は、体操や水泳といった運動・スポーツ系の習い事が上位に挙がってくるんですね。

私たちが昨年末に実施した、都内の未就学児を持つ既婚男性/女性を対象のアンケートからも、お父さんお母さんの運動・スポーツ系の習い事に対する興味の高さがうかがえます。

そう、このようなお父さんお母さんのニーズを背景に、近年、運動・スポーツが幼児教育市場の中で盛り上がりを見せています。

実際に今、「教育」の視点でカラダを動かすことや運動・スポーツの価値の見直しが起きていて、新たな市場の芽が出つつあるんです。

なんと“スポーツ幼稚園”も登場!

さまざまなプレーヤーがスポーツを活用した幼児教育サービスを展開

子ども向けスポーツ教育サービスの市場規模は4600億円弱で、不況から脱していないともいわれる今の世の中でも年平均成長率2%と可能性を秘めた市場になっています。

以前使われていた“6ポケット”(=子ども1人に対して、両親・両祖父母の合計6人の財布があること)に代わって、“10ポケット”(6ポケットに両方のおじ・おばを足した財布があること)という言葉が使われ始めたように、少子化の影響や、晩婚率、非婚率の増加を受け、子ども1人当たりにかける教育費はますます増えていて、その使い道も多様化しています。

2013年の税制改正での贈与税の非課税措置で、この教育費は今後ますます増えていくと考えられ、さらなる市場の成長が見込まれます。

この市場の、特に幼児向けの運動・体育指導の領域での動きが近年とても活発になっています。

例えば、なんとスポーツをカリキュラムの中心に置いた“スポーツ幼稚園”が登場していて、そこでは専用のグラウンド、体育館でのスポーツの授業が毎日行われ、スキー、スケート、水泳などさまざまな運動・スポーツに関わる実習や野外活動をそろえています。

スポーツで明確な差別性を打ち出すことで、少子化で園児の獲得競争をしている幼稚園/保育園の中でも多くの子どもたちを集めることに成功しています。

大手のスポーツクラブも自分たちの施設・場を活用して、それぞれが独自に開発した幼児向けの運動・体操プログラムや親子で一緒にできる水泳プログラムを提供し始めており、顧客獲得・維持のための一つの武器としています。

運動・スポーツの家庭教師サービスを提供している会社もあります。

今はまだ小規模なプレーヤーがほとんどですが、ここ10年で10社以上の会社が参入してきています。家庭教師=勉強を教えてもらう、というイメージがありますが、今はもはや運動もマンツーマンで教えてもらう時代なんですね。

また、発達障害のある子どもたちへの教育としても実は運動・スポーツが活用されていて、発達障害児向けのオリジナル運動プログラムを提供している都内の某体操教室は、100名前後のキャンセル待ちのお子さまが出る反響となっています。

あの教育企業大手もついに幼児体育指導市場に参入!

学研の「Little Athlete Club(リトルアスリートクラブ)」は台風の目になるか?!

このようにさまざまなプレーヤーやサービスが登場してきている幼児体育市場ですが、ついに、あの教育事業の大手の学研が動き出しました。

学研が立ち上げた「Little Athlete Club(リトルアスリートクラブ)」 は、“全ての子どもたちが、どんな運動も、どんなスポーツも元気にめいっぱい楽しめるようになる”ことを理念に、学研×子どもの運動能力向上のメカニズムを熟知したプロトレーナーたち×現役の幼児体育指導者たちの3者が共同で開発したオリジナルの運動プログラムを提供しています。

プログラムの開発コンセプトもいわゆるエリート養成プログラムではなく、“運動神経がいい子を育てる”“運動・スポーツを好きになってもらい何でも前向きに頑張ることができる子を育てる”と、お父さんお母さんが思わず振り向いてしまうものになっています。

さらに、実際の子どもたちへの指導も幼児教育の訓練を受けたプロトレーナーが行う、という非常に新しいコンセプトを打ち出しています。

今の市場にこのようなトレーニングで使われる科学的なアプローチを取り入れた運動指導はほとんどなく、「Little Athlete Club」は今後注目される運動・スポーツ系の習い事の一つになるのではないでしょうか。

このように学研が幼児運動教育事業を新たに立ち上げたことは、まさにこの領域におけるビジネスの可能性を示唆していると思います。

この「Little Athlete Club」は、スポリューションチームが事業のアイデア・構想の段階からサポートさせてもらっています。

なぜ子どもにスポーツなのか? スポーツは人の本能や根底にある感情に

ダイレクトにアプローチできる効果的なソリューション?!

なぜ、運動・スポーツがこんなにも幼児教育として活用されるようになったのでしょうか?

もちろん、幼稚園/保育園側のビジネスとしてのニーズと、お父さんお母さん側の子育てとしてのニーズが合致しているから、ということはとても大きな理由だと思います。

ただ押さえておきたい視点は、私たちがスポーツを見て/実際にプレーしてさまざまな刺激を受け、興奮や楽しさなどの感情が喚起されるように、運動・スポーツでカラダを動かすことが、成長のためにたくさんの刺激が必要な子どもたちの本能や感情にダイレクトにアプローチし得るということです。

運動・スポーツによる教育は、言葉や知識をひたすら頭の中に入れ込む/浴びせかける詰め込み型の教育とは正反対で、笑ったり、泣いたり、喜んだり、といった人の本能を刺激したり、人が本来持っている可能性をより引き出す&より広げる体験型の教育だと思います。

だからこそ、スポーツが幼児教育市場で受け入れられ、【スポーツ×子ども】で新しいビジネスのチャンスが生まれているのではないでしょうか。

幼児教育の領域でスポーツが積極的に活用されていることは、人の本能や感情にダイレクトにアプローチできるソリューションとしてのスポーツの可能性を感じさせるものだと思います。

2020年のオリンピック開催地が晴れて東京に決まりました。

今後ますます、この幼児教育の領域でスポーツは盛り上がってくるはずです。

★「スポリューション」チームとは?

スポーツコンテンツを、「メディア物件」として捉えるだけではなく、事業課題や、プロジェクト課題を解決するための「ソリューション」として捉え、企画する電通社内ユニットです。
チー ム内には、スポーツプランニングの実績が豊富な、戦略プランナー、プロモーションプランナー、コピーライター、アートディレクター、テクノロジスト、コンサルタント、プロデューサーなど、多種多様な人材をそろえており、ソリューションディレクター制によって、「表現のアイデア」だけでなく、「解決策のアイデ ア」を、ワンストップでご提供いたします。

プロフィール

  • 渡邉 快平
    株式会社電通 マーケティングソリューション局

    2009年電通入社。統合マーケティング・プランナー/戦略コンサルタント。
    新事業・新サービス開発、事業戦略構築、ブランド戦略開発などの事業課題から、BIプランニング、キャンペーンやスポーツコンテンツのプランニングなどのマーケティング課題まで、ビジネスの様々な階層を超えた課題解決に取り組む。
    早稲田大学野球部出身(主務)。2008年東京六大学野球秋季リーグ戦優勝。

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