自由帳 vol.1

母親16年目、結婚18年目、一番長いのは電通23年目。どれもひたすら続けてきただけだが、それなりに味わいが出てきた。年はすっかり中高年だが、気持ちは年々若返っている。不気味なほどに。
今、元気なおばさんでいられるのは、電通1年目で出会った恩師のおかげだ。当時、お酢の需要拡大策についてアイデアを持ち寄ることになった。お酢を使ったレシピを必死で考えていった私に対して、恩師は言い放った。「牛に飲ませたらどうかな?」。えっ?牛?たじろぐ私に、彼は続けた。「お風呂に入れたらどうなる?dosage、つまり1回分の使用量を増やすんだ」。ウシ、フロ、ドゥスィッジ。想定外の言葉たちがグルグル回って、後のことは覚えていない。なんて自由な人なんだ。頭の中に境界線のない人の、底知れぬ力を感じた。

境界線をつくると、そこから外には出られなくなる。それ以降、社歴、部署、会社の違いで境界線をつくらず、デジタルとノンデジタル、データとアイデアの壁もとっぱらって23年がたつ。その間、一番うれしかったことは、通い詰めたクライアントから、プロジェクトの最終日に「毎週楽しませていただきました」と言われたこと。しかめっ面の相手が笑ったら、それだけで大満足の私にとっては最高の賛辞だった。本当に人を楽しませることができるのは、全てを楽しむことのできる人だと思っている。そんな人になりたくて、目の前の相手を笑わせたり、面白がって世の中を見たり、泣きたいときに笑ってみたりしてきた。ああ大変。だけど、面白くてやめられない。このまま進んでいくので、新入社員の皆さん、ちゃんとついてきてね。(祐)


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#002 2014年05月更新

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