金融ビジネスにイノベーションを! #03

金融イノベーションを動かすのはベンチャー企業だ!

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    飯田 哲夫
    株式会社電通国際情報サービス(ISID)
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    立花 千香
    株式会社電通国際情報サービス(ISID)

ISIDは、イノベーションを生み出す“場所づくり”にも取り組んでいます。ベンチャー企業と金融機関が出会い、ここから新しいビジネスが生まれることも。いったいどんなところなのか、同社金融ソリューション事業部の飯田哲夫さん、立花千香さんにお聞きしました。

金融業界の一大イベント「金融イノベーションビジネスカンファレンス」って?

――ISIDが企画運営を行っているイベント「金融イノベーションビジネスカンファレンス」(FIBC)について教えてください。

飯田:FIBCは、金融イノベーションに特化した日本で唯一のイベントです。2012年に第1回が開催され、今年で3回目を迎えました。先進的な取り組みを行う企業のデモンストレーション、有識者によるキーノートスピーチの、主に二つのプログラムで構成され、毎年“金融イノベーションのいま”を発信しています。詳細については、企画運営を担当する立花から説明しますね。

立花:飯田のもとで金融ソリューション事業部のプロモーションを担当している、立花と申します。私は、FIBCに立ち上げから関わってきました。FIBCというイベントをやろうと思い立ったのは、金融にイノベーションが必要とされているように、私たちの活動そのものにもイノベーションが必要だと感じたから。外部で起きているムーブメントを上手く取り入れてISIDに新たな風を巻き起こし、同時に金融業界全体の活性化にもつなげたいと考えました。

メインのプログラムは、金融ベンチャーを中心とした先進金融サービスによる7分間のデモンストレーション。新しいサービスをただ単に説明するのではなく、実際に提供できるような状態にしてもらい、利用シーンを想定できるよう使用しながら発表していただいています。1回目は8社、2回目と3回目は12社の企業にご登壇いただき、その後、来場者の投票によって優秀なサービスを選出・表彰しました。

飯田FIBCの特徴はなんといっても、金融ベンチャー、ベンチャーキャピタル、金融機関の関係者が一堂に会するところにあると思います。これまでは、ベンチャー企業と金融機関が顔を合わせてイノベーションについて話し合う機会など、ほとんどありませんでした。ところがこういう場ができたことで、企業の垣根を越えたFace to Faceのコミュニケーションが生まれるようになった。ここでの出会いをきっかけに業務の提携が生まれたり、新しいビジネスが動き出したりしていると聞いています。

ベンチャー企業の“思い”が、サービスの質を上げる

――これまでに登壇された企業さんの中で、特に印象に残っているところはありますか?

飯田すべて印象に残っているんですが…。あえていうなら、1回目と2回目に登壇されたZaimさんでしょうか。個人で開発した家計簿ソフトを無料で公開し、その後、ユーザーの声を徹底的に聞いて改修を繰り返していきました。数々の要望をどんどん機能へと反映させて、ユーザーに支持される素晴らしいサービスに磨き上げた。そのパワーや傾聴の姿勢には、感服せざるを得ませんでしたね。

立花:当初は企業に勤めながら土日に開発を進めていたそうなのですが、その使いやすさが話題になり爆発的に会員数が増えて、Zaimという会社組織に変更したそう。現在も社長さんとして、サービスを進化させながら提供されているんですよ。

飯田Zaimさんが成功したのは、お金もうけのためではなく、「使いやすいサービス」「あったらいいなと思うソフト」を作りたいと考えて開発に着手したこと。その姿勢を貫き、とことんまでユーザー目線にこだわり続けたからこそ、ここまで支持されるサービスに成長したのだと思います。作り手の“思い”が金融サービスの質を上げ、やがてイノベーションにつながっていく。まさにその好例だと思いましたね。

立花:また、今年1位を取ったマネーフォワードさんは、複数の金融機関における入出金データを自動で取得・仕訳し、会計情報を一元管理するウェブサービスを発表しました。2位のロイヤルゲートさんは、さまざまな電子マネーやカードをマルチ決済できる端末を発表。ベンチャーならではの発想で、次々と新しいサービスが生み出されています。

ベンチャーのサービスを金融機関が買い取る、エコシステムの必要性

――FIBCから生まれたサービスが、今後どのように成長していくといいなと考えていらっしゃいますか?

飯田FIBCから生まれたサービスだけに限ったことではありませんが、ベンチャー発のサービスがある程度うまくいって確立してきたら、ぜひ金融機関や大手IT企業と提携するようなケースが増えたらいいなと思っています。

第1回のインタビューでも申し上げた通り、金融機関は、社会的責任が強く問われる難しい立場にいます。新しい発想やチャレンジが生まれにくく、独創的なサービスにも取り組みにくい。そこにベンチャーが入って、イノベーションをアウトソースすればいいんじゃないかと。ベンチャーのサービスならば消費者もある程度寛容に、リスクを受け入れて使ってくれると思うんです。それが支持されて成功したら、金融機関や大手IT企業が提携や買収を行い、メジャーなサービスとして取り込むようなことがあってもいい。信頼度も上がり、ユーザーもより安心して利用できるようになって、イノベーションが定着していくと思うんですよね。

こうしたサイクルが出来上がれば、サービスを成功させるビジョンが見えて、イノベーションに挑戦するベンチャーも増えてくるのではないかと思います。アメリカのようなエコシステムが1日も早く日本で確立することを、願ってやみません。

プロフィール

  • Isid iida pr
    飯田 哲夫
    株式会社電通国際情報サービス(ISID)

    金融ソリューション事業部、金融事業戦略部長。1992年、株式会社電通国際情報サービス(ISID)入社。欧州現地法人への赴任、Manchester Business Schoolへの留学を挟みつつも一貫して金融機関向けのITソリューションの開発、企画業務を担当している。趣味は絵を描くこと。アクリルを中心とした創作を得意とし、個展を開くほどの腕前。書籍の装丁画も手掛けている。

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    立花 千香
    株式会社電通国際情報サービス(ISID)

    金融ソリューション事業部、金融事業戦略部、ビジネスイノベーショングループ、プロモーション担当。2007年入社。開発部門にて金融機関向け融資システムの開発、保守運用を担当。2011年より同事業部のマーケティング責任者としてイベントの企画・運営や社内外への情報配信など、プロモーションを統括。2012年には、日本初の金融イノベーションに特化したカンファレンスFIBCを実現し、現在も企画・運営を行う。

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