『エクスペリエンス・ドリブン・マーケティング』著者が語る #01

顧客のブランド体験にフォーカスした新戦略
『エクスペリエンス・ドリブン・マーケティング―ブランド体験価値からサービスデザインへ』~朝岡崇史

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    朝岡 崇史
    株式会社電通デジタル エグゼクティブ・コンサルティング・ディレクター
「エクスペリエンス・ドリブン・マーケティング」  

「エクスペリエンス・ドリブン・マーケティング」とは「顧客のブランド体験にフォーカスしたマーケティング戦略」である。ソーシャルメディア時代になって始まった企業と顧客の「共創」を起点にして、ユーザー・エクスペリエンスやサービスデザインまでを包括する。戦略開発の基幹ツールであるカスタマー・ジャーニーの考え方もエクスペリエンス・ドリブン・マーケティングに含まれる。顧客のブランド体験価値がブランド価値の中核になることを前提にして、企業がどういうふうに発想し、アクションを起こせば、自社のマーケティング・プロセスを改善でき、結果として争優位な事業モデルを確立できるか、という課題意識がこの新しい概念の背景にある。

エクスペリエンス・ドリブン・マーケティングの世界では、企業は「モノやサービスを単体で顧客に売る」のではなく、「カスタマー・ジャーニーという形で、トータルのブランド体験を顧客に提供する」ことが求められる。またエクスペリエンス・ドリブン・マーケティングにビッグデータを戦略的に組み込むことで「できる限り品質の良いプロダクトやサービス」がブランドの差別化要素として顧客に支持された時代から、「その時々のニーズにマッチしたプロダクトやサービス」が高く評価される時代へと確実にマーケティングの重心が移っていく。さらに企業がソーシャルの課題をマーケティング・チャンスとしてポジティブに捉え、顧客に提供するカスタマー・ジャーニーのテーマに取り込んでブランドの差別化に磨きをかけることによって、CSV(Creating Shared Value)を最上位概念として企業のマーケティング活動全体を見直す、といったムーブメントも起きるだろう。

「変化のためのゲーム」はすでにグローバル規模で始まっているのである。

プロフィール

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    朝岡 崇史
    株式会社電通デジタル エグゼクティブ・コンサルティング・ディレクター

    エクスペリエンス・デザインを専門とするコンサルタント。
    大学生時代は東大野球部で選手・主務として活躍。
    1985年、電通入社。クライアント企業の経営層と向き合い、電通らしい右脳型のアイデアを武器に事業やブランドのコンサルティングを提供するソリューション型サービスを実践。ブランドコンサルティングを行うコンサルティング室長を経て現職。日本マーケティング協会(JMA)のマーケティング・マスターコース・マイスター(2011年~)。
    著書に「拝啓 総理大臣殿 これが日本を元気にする処方箋です」(東洋経済新報社 共著 2008年)「エクスペリエンス・ドリブン・マーケティング」(ファーストプレス 2014年)、「IoT時代のエクスペリエンス・デザイン」(ファーストプレス 2016年)がある。

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