近頃のワカモンは。 #02

ワカモンと友達関係〜友情メンテナンスの時代〜

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    西井 美保子
    株式会社電通 ビジネス・クリエーション・センター チーフプランナー

空気を読む。2007年ユーキャンの新語・流行語大賞に「KY(空気読めない奴)」がエントリーされて以来、空気という見えない雰囲気を読み取る力は、誰もが気にするマナーのような存在になっていきました。「空気を読むこと」自体が大人の社会でうまくやっていく為の処世術だった以前に比べ、いまや老若男女問わず一般教養化しているということをワカモンの活動の中で、たくさんの学生に会う中でひしひしと感じます。

実際に現代のワカモンでは強い傾向で、2012年9月に実施した調査では、ほぼ100%に近い高校生が「空気を読んで行動している」と答えています。

Q.空気を読んで、場の雰囲気にあわせる?

そんな空気を読み合うワカモンたちの友達との関係を見てみると、所属グループは平均6グループ。
ある女子大学生に聞いてみたところ、現在の所属グループの内訳は「中学校のクラ友(クラスの友達)」「部活の友人」「高校の仲良しメンバー」「高校のクラ友」「大学のサークル」「アルバイトの友人」「趣味の仲間」など、総勢10グループ以上。

以前だとあった“中学は中学、高校は高校で、同窓会で何10年ぶりに再会!”なんていうことは珍しい状況になってきていて、芋づる式に昔からの友人関係を継続した状態で、成長とともにコミュニティの数が増えていくというのが一般的になりつつあるのかもしれません。

ただ、【友達】という意識は明らかに変質してきています。首都圏の大学生で見ると、携帯アドレス登録が平均142.7人、友達だと思う人数は平均42.4人。携帯アドレスの3分の2はライトな知り合い程度、と思っているというから驚き。

さらに、親友だと思っている人の数は平均4.9人で、素が見せられるような存在はごく限られた相手だけなのです。ある男子高校生曰く、“イツメン”と言われる“いつも一緒のメンバー”たちと、学校や放課後に一緒に過ごしているだけではなく、LINE等のグループチャットでスタンプを含めて毎日100通以上のやり取りをしたり、SNS上でもいいねやコメントをし合うほどだそう。メールや電話のように対一人よりも、SNSやLINE等のグループ機能が対複数人へのコミュニケーションを円滑にしたことで、最近ではより友情メンテナンスがしやすくなってきています。

Q.自分の素を見せられる相手はごく限られる

※ 2012年9月 関東一都六県 高校生・大学生を対象に実施した電通ワカモンオリジナル調査


SNSでのコミュニケーションが増え、リアルの友人との関係性をも可視化された中、コミュニティの数と質も問われる時代に突入しています。友人の数はもちろん、友人がどんなところに住んでいて、どんな趣味を持っている人かどうか、なんていう詳細な関係性すらも高校生のころから既に見える化しています。メールやSNSでのコメントのやり取り、お茶などの集まりを企画したり女子会をしたり等、所属するコミュニティへの定期的なメンテナンスに時間を使っているようです。

お小遣いの使いみちとしても、上位に挙がってくるのはファミレスやファストフード等の外食で【友人との交遊消費】です。一見「昔と変わらないじゃん」と思われる方も多いと思います。

しかし、実際に普段何しているかを聞くと、ある女子高校生は、「(同じ日に別のグループでの集まりがある為)はしごしないといけないから一回あたり安く済ませたいから、そういう時は100円の飲みものだけで済ませることもある」前回のコラムにもあったように所属するコミュニティの数が増えたことにより、行っている場所や使っている額は同じでも「友情メンテナンス」をする“回数”が増えているのです。

ワカモンたちが行動するスイッチになっているのは、「何」をするかよりも、「誰」とするかに変化してきているのかもしれません。

最近、自分の友達関係はどう変わりましたか?
周りのワカモンたちとの関係はどう変わりましたか?

ワカモンを見れば、新しい明日や新しい変化の兆しが見えてくるかもしれません。

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