セカイメガネ #18

同じで、同じで、やっぱり違う

  • Chow kok keong pr
    Chow Kok Keong
    チャウ・コック・キョン
    電通ウタマ(マレーシア) クリエーティブ・ディレクター

 

私は北マレーシアの町、イポーで生まれました。12 年間の義務教育を終え、さらに勉学を続けるためにシンガポールへ。ナンヤン芸術アカデミーでグラフィックデザインを3年間専攻し仕事に就き、10 年のキャリアを積みました。クアラルンプールに戻ったのは2002年です。シンガポールで何年も働き暮らした後では、クアラルンプールは私にとってまるで異国でした。
いいこともあります。シンガポールとマレーシアの人々の違いを私はたくさん見つけることができるのです。二つの国は隣り合っていて、歴史的には一つの国だったにもかかわらず、です。

まずは食べ物。中国系マレーシア人、シンガポール人双方にとっておいしいと思う食べ物はかなり共通しています。それなのに人々はその料理の起源についてよく言い争っています。シンガポール人はチキンライスがそもそもシンガポールのものだと言いますし、マレーシア人はエビヌードルは自分の国が発祥の地だと主張します。私は、どっちだっていいんです。素晴らしい料理を味わうだけのことです。

 

次は生活費です。シンガポール人は大概、マレーシアで暮らす方がずっと安く上がると信じています。でも、クアラルンプールでは事情がまったく違います。食べ物、公共交通機関、クルマ、衣服、洗面化粧品。どれもシンガポールより高価に私は感じます。相対的にマレーシア人の収入が少なく、通貨のリンギットがシンガポールドルより弱いことが原因でしょう。

週末の活動を比較してみます。マレーシア人は近郊までドライブを楽しみます。シンガポール人も同じですが、近郊までちょっとドライブすると…あ、もうマレーシアに着いちゃいました!言葉の違いも面白い。シンガポールでは通常、英語を使います。マレーシア人の多くはシンガポール国歌がマレー語であることを知りません。多くのシンガポール人はマレー語を話さず理解もできないのに、国歌はマレー語で歌います。一方、若いマレーシア人は、年配のシンガポール人がマレー語を話せることを知りません。

両国の違いを並べれば長いリストが出来上がります。私はどちらの国も愛していますし、どちらにもたくさんの素晴らしい友人がいます。こんなに面白い違いが山ほどあるにもかかわらず、ほんの50年前まで同じ国だったという事実に私はあらためてびっくりしています。

(イラストレーションも筆者。監修:電通イージス・ネットワーク事業局)

プロフィール

  • Chow kok keong pr
    Chow Kok Keong
    チャウ・コック・キョン
    電通ウタマ(マレーシア) クリエーティブ・ディレクター

    広告業界でシンガポール11年、クアラルンプール9年の経験を持つ。現在、自動車、家電、食品の日系クライアントなどを担当。ワンショー、D&AD、カンヌ、カンチル賞など国内外で90以上の広告賞を受賞。

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