スポリューション #10

スポリューション×グローバル

あんな国の

こんなローカルメジャースポーツ

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    秋山 隆宏
    株式会社電通 コミュニケーション・デザイン・センター
スポーツコンテンツをメディア枠と捉えるだけではなく、ソリューションとしても捉えることで、新しいビジネスチャンスを生み出すことにトライしているソリューションユニット「SPOLUTION(スポリューション)」チーム。そのチームメンバーたちが、それぞれの視点から、これからのスポーツ関連のビジネスチャンスについて、リレーコラム形式でご紹介します。
スポリューション

こんにちは。「スポリューション」チームの秋山と申します。
今回お届けするのは、数分間で行って見た気になれる世界一周ローカルメジャースポーツ視察の旅。世界のいろんな国の人気スポーツとそれにまつわるソリューション事例をお届けしようと思います。

■空中の格闘技 タイ「セパタクロー」

旅のはじまりはタイから。タイといえばムエタイが有名ですが、同じく「セパタクロー」も人気なのはご存じですか?英語ではキック・バレーボールと称されるこのスポーツ、タイではお隣マレーシアとともに国技とされています。
2年に1回行われるクラブチームの大会があるのですが、このメーンスポンサーになっているのがEGAT(タイ発電公社)です。
その背景には、タイ国内の子どもへのスポーツ啓発を通じたセパタクロー競争力の向上や、タイ選手の国際的活躍の支援、そしてセパタクロー自体の国際化といった、タイ政府の狙いがあるようです。国を挙げての期待がこのスポーツに込められています。まさに国技ならではの取り組みですね。

 
セパタクローで遊ぶタイの子ども
 
 
セパタクローで遊ぶタイの田舎の子どもたち
Photo by Peter Charlesworth / Getty Images
 
 

■トルコのオイルレスリング「ヤールギュレシ」

さて次はアジア大陸を横切ってトルコへ!
相撲は日本の国技ですが、ここトルコでも国技の相撲があります。「ヤールギュレシ」といいまして、いわゆるオイルレスリングです。
毎年初夏にエディルネという街で全国大会が催されます。その模様はテレビで全国中継されるようですが、中でも恒例の名シーンとなっているのが、選手たちが全身いっぱいにオリーブオイルを浴びるシーン。近年はこれがパフォーマンスとしてエスカレートし、大会時のオイル消費量が3日間で2000リットルを超えるほど急増しているとか。
トルコ産のオリーブオイルは価格も安く良質だそうで、トルコの製油メーカーはここぞとばかりにこの大会にオイルを提供し、絶好の社名アピールチャンスとしています。口にするものだけに、写真を見た“後味”は微妙ですね。

 
オイルまみれで戦う男たち
 
 
オイルまみれの中で戦う屈強な男たち
Photo by Izzet Keribar / Getty Images
 

■陸上王国ケニアのメカニズム

ここからは地中海と紅海を渡りアフリカ大陸に入りまして、ケニアです。
日本でも、ケニア選手といえばマラソンを思い浮かべる方が多いでしょう。実際、ケニアでは陸上の競技人口が非常に多く、陸上の専門学校まであるもよう。
その理由は、走ることを得意とする彼らの生活習慣にもありますが、何よりも世界を狙うハングリー精神にあるといわれています。
世界のスポーツメーカー各社が、将来有望なケニアの若い選手を発掘しスポンサードしようと狙いを定めてきています。選手側はこれに応えればスポンサー料を元手に海外遠征できる、スポンサー側も選手の結果に応じて彼らを起用した広告宣伝ができる。スポーツビジネスとして既に等価的関係性が成り立っているといえます。
さらにケニアは国語であるスワヒリ語のほかに、英語が公用語であり、選手たちがインタビュー時にそのまま英語で自己表現できるという点も見逃せません。国際的なスポーツ舞台でのコミュニケーション能力までも見越した緻密なPR作戦が今日も繰り広げられています。

 
ケニアのスポーツキャンプ
 
 
ケニアにあるスポーツキャンプの日常
Photo by Michael Steele / Getty Images
 

■コロンビアの準国技「インラインスケート」

最後は大西洋を横断し南米はコロンビアに参りましょう。
サッカーの強豪国で知られるこの国では、意外なスポーツがメジャーだったりします。それはインラインスケート。トラック競技のスプリントはもちろん遠距離走やフィギュア、ホッケーまで幅広く楽しまれています。
そんな国民的スポーツだからこそ、コロンビア代表団へのスポンサーには、パスタやお米のような主食系食料メーカーが躍り出てくるようです。
ちょっと前になりますが、あるパスタメーカーは子どもの胃袋をつかむ目的で、スター選手をヒーローアニメ化したオリジナルコンテンツをわざわざ制作したこともあり、この国でも独自のスポリューションが花開いています。

 
コロンビア女子代表
 
 
コロンビア女子代表は美人が多いと評判だそうです
Photo by Aldo Castillo/STR / Getty Images
 
 

今日のツアーはこのへんで終わりです。いかがでしたか?
世界にはいろいろなローカルメジャースポーツが存在します。その一つ一つがとっても奥深く、単に観戦する以上に面白い背景が隠れていたりします。

今日ご紹介した事例の数々は、私の海外出張での見聞や現地の人々とのコミュニケーションで仕入れた情報にすぎません。日本人が知らないスポーツはまだまだたくさんあります。しかし世界は急激に狭くなってきています。近い将来、もしかしたらヤールギュレシの日本大会でコロンビア人力士に注目が集まる日や、ケニアのセパタクロー代表が日本代表と決勝戦で相まみえる瞬間がやって来るかもしれません。

ではまた次の国で、また別のスポーツの可能性を探ってまいります!

★「スポリューション」チームとは?

スポーツコンテンツを、「メディア物件」として捉えるだけではなく、事業課題や、プロジェクト課題を解決するための「ソリューション」として捉え、企画する電通社内ユニットです。
チーム内には、スポーツプランニングの実績が豊富な、戦略プランナー、プロモーションプランナー、コピーライター、アートディレクター、テクノロジスト、コンサルタント、プロデューサーなど、多種多様な人材をそろえており、ソリューションディレクター制によって、「表現のアイデア」だけでなく、「解決策のアイデア」を、ワンストップでご提供いたします。

プロフィール

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    秋山 隆宏
    株式会社電通 コミュニケーション・デザイン・センター

    2000年電通入社。以来、プロモーション・イベント・PRをベースに、クライアントのキャンペーン企画実施やメディア・コンテンツのソリューション施策開発に従事。
    近年最も力を注いでいる業務は、日本企業の海外進出支援における新領域ビジネス創造。
    日本生まれの製品やサービスを、徹底したローカライズ・コミュニケーションを経て定着・普及させるプログラムを複数進行中。

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