電通が「日本版IR(統合型リゾート)」めぐりフォーラム

電通は9月11日、「JIRフォーラム第3回」を東京・汐留の電通で開いた。テーマは「IR(統合型リゾート)導入による観光と地域政策についての考察」。自治体、関連企業の担当者ら約170人が聴講した。インバウンド(来日)ツーリズムの強化や経済の活性化に向けカジノを含むIR導入への関心が高まる中、米国とスイスの事例を交え「日本版IR」による地域振興を探った。

最初に米国カジノ・クリエイションズ社のヴィック・トーサー社長が「インディアンカジノの地域における貢献とその経済波及効果」について講演。インディアンの各部族が所有・運営するカジノは全米に500以上存在し、ラスベガスなど大規模カジノとは異なり、観光客ではなく地域住民をターゲットにしていると説明。地域経済へのメリットとして、税収面での寄与に加え、ホテルやレストランなど周辺分野を含む内部雇用、建設業、金融業、不動産業、行政関連など地域内での波及効果の意義を語り、都市再開発にも貢献している現状を紹介した。

続いてスイスのグランカジノ・ルツェルングループのヴォルフガング・ブリームCEOが「スイスの観光戦略とカジノ合法化について」と題し講演。1993年の国民投票で導入を決定したカジノは、規模の大きなIR型のA型と小規模な地域型のB型が共存し、現在スイスの観光事業の一翼を担い外貨獲得に貢献、高い税率からの収益は年金基金などの原資とし、国民全体が恩恵を得ていると述べた。また法整備と政府、司法省、連邦ゲーミング委員会による厳格な監督体制にも言及。セキュリティー確保、来場者に対する監督機能、マネーロンダリングなど犯罪の防止、財務の健全化義務など、厳しい責務を課せられている面を強調した。

次に両講演者に日本大経済学部専任講師の佐々木一彰氏がモデレーターに加わり、「日本における地方型IRの展開について」をテーマにトークセッションを行った。佐々木氏は日本ではカジノの運営主体は入札方式で選定されると見通しを語り、運営に際し重要となる、財務、顧客、内部業務プロセス、学習・成長の四つの視点について説明した。両講演者からは「IR導入の際は、IRで何を達成したいのかを日本国民がよく考え、独自の解決を目指すべきだ」とのアドバイスがあった。

最後に、電通ソーシャル・ソリューション局カジノ・観光プロジェクト部の岡部智部長がまとめとして「日本版IRについて」と題し講演。日本におけるインバウンドツーリズムの在り方として自治体の連携による広域観光圏を提案し、日本版IRで地域が元気になり、それが日本全体の活力の鍵になると締めくくった。

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