総集編「カンヌ!カンヌ!カンヌ!」⑥

電通グループセミナー

電通イージス社員特別リポート 学びのカンヌ、イベント多彩に200超

 

会期中、2000人以上収容する大ホールなどで約70件のセミナーが開催された。ツイッター、ユーチューブ、ニューヨーク・タイムズなど、ストーリーテリングをテーマにしたセミナーが目立った。有望な若手を紹介する サーチ&サーチの名物セミナー「ニュー・ディレクターズ・ショーケース」や、ファッション誌コスモポリタンに招かれた女優サラ・ジェシカ・パーカーさんら セレブリティーの登場も目を引いた。他に、フォーラムと呼ばれる小規模セッションが約100件、クリエーティブスキルを実践的に身に付けるワークショッ プ、最先端のテクノロジーについて学ぶテックトークなど、会場全体が学びの場となった。ヤング向けにはクリエーターや営業・マーケティング人材を育成する ためのプログラム「マスタークラス」が設けられ、業界の“ビッグネーム”と直接ディスカッションする機会も与えられた。

 
 
ビジウムUS
コミュニケーションプランナー
ヒュー・キャッシュモア氏
 

電通イージス・ネットワークでは 「Roving Reporter」(現場を回る移動リポーター)という社内制度を展開している。公募で1人が選出され、カンヌを取材するというもの。今年はビジウムUSのコミュニケーションプランナー、ヒュー・キャッシュモア氏が選ばれ、電通グループのセミナー3件をリポートした。

 

 

「オーグメンテッド・ヒューマン — スポーツにおけるクリエーティブとテクノロジーイノベーションの融合」

電 通

 

「今日は広告の話はしない。」―。冒頭、電通CDCのエグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター佐々木康晴氏が切り出した。テーマはオーグメンテッド・ ヒューマン。能力が拡張された人間のこと。テクノロジーが人の機能をオーグメント(拡張)するわけだが、この時大切なのは、心を動かすクリエーティビ ティーを伴うことだという。人の感情に焦点を当て、テクノロジーとクリエーティビティーの融合に取り組んできた同社の関わった事例として、スマホをかざす とデザインが飛び出す「あそべるTシャツ」、持ち主の経済状況に連動して動く「考えるサイフ」、宇宙用ロボット「KIROBO」などが紹介され、聴衆を引 き込んだ。

続いて、人間拡張研究の第一人者、東京大大学院教授でソニーコンピュータサイエンス研究所副所長の暦本純一氏が登壇。360度の視野 を 持つヘッドギアや、ドローンを内蔵し物理法則に従わず自律的に動く「ホバーボール」を実演しながら、人間と機械、人間と人間とが没入的に融合する「ジャッ ク・イン」という概念を説明した。これをスポーツに応用することで人間の能力が拡張され、多くの人がより簡単に、よりエモーショナルにスポーツを楽しめる ようになると述べた。

そして3人目に、フェンシング日本代表の太田雄貴選手が登場。同選手は剣を手にし、すさまじいスピードと運動神経で会場を 沸 かせた。その動きはモーショントラッキングなどの技術でただちに可視化され、空を切る剣の軌跡までも正確に捉えるテクノロジーは、見る者を圧倒した。同選 手は「テクノロジーには、真に人を感動させる力がある」と語り、佐々木氏は「人間の可能性を拡張することにより、世界が抱える課題解決につなげていきた い」と、締めくくった。

 

「将来のプロトタイプを作る
 ― マーケティングにもイノベーションを」

電通イージス・ネットワーク

 

電通イージス・ネットワーク米州・EMEAのCEOナイジェル・モリス、MITメディアラボの創設者で副所長のアンドリュー・リップマン、デジタルエージェンシー・アイソバーのグローバルCEOジーン・リンの3氏によるセミナー。

モリス氏は初めに「イノベーションこそが成功の中核だ」と明言。「私たちは、あらゆるものが相互につながった世界にいる。接点は全て、測定可能なデータとなる。ここに大きなチャンスがある」と強調した。

リップマン氏は「社会の変化のスピードは、その時代を代表するテクノロジーに子どもが初めて触れる年齢に合致する」との持論を展開した。「携帯電話やタブレットなどのコミュニケーションツールに、子どもが初めて接する年齢は4歳」だとし、コンピューティングとコミュニケーション技術が支配的な今日の社会は「4年サイクルで回っている」と語り、それを踏まえた企業活動の必要性を示した。

リン氏は、世の中を変えた同社のキャンペーン事例を紹介。「イノベーションは厳密なプロセスから生まれる。スケールよりも個別適応することが重要だ。私たちは、ブランドのスペースデザイナーとしての役割を担っていく」と総括した。

 

「ボウエン会長、ロブ・ロウと語る」

電通マクギャリー・ボウエン

 

電通マクギャリー・ボウエン会長ゴードン・ボウエン氏が、ハリウッド俳優ロブ・ロウ氏と対談。キャリアや人生哲学などについてトークを繰り広げた。

俳 優としてのブランドの保ち方について質問されたロウ氏は「困難でも驚きのある“オフ・ブランド”な選択をすることが不可欠」と回答。キャリア構築においては「ワーク・ライフ・バランスが重要。両者は好循環を生む」と話した。日々を意欲的に送るためには、「みんな誰かの声に従うもの。毎日必ず良いニュースがある」「本物にたどり着くには、人が真実だということを書き留めておこう」などのアドバイスを残した。

 

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