総集編「カンヌ!カンヌ!カンヌ!」⑦ カンヌ新機軸「ライオンズヘルス」

今年から新設された医療・ヘルスケア分野の広告祭「ライオンズヘルス」(LH)が6月13~14日、カンヌライオンズ(CL)に先駆けて開催された。

  テリー・サベージ会長
 
テリー・サベージ会長

ヘルスケア広告には、各国政府の規制に基づくマーケティング活動や表現の制約という他の分野にはないハードルがある。新設の目的について、LHを運営する「カンヌライオンズ」のテリー・サベージ会長は電通報の取材に対し「規制が大変厳しくクリエーティビティーを発揮しにくい分野であっても、優れた作品をつくることができることに気付き、知ってほしいとの思いで開設した。クリエーティビティーとROI(投資収益率)との関係を示す研究は数多くあり、これがヘルス分野でも達成できれば、人々の人生をより豊かにすることにつながる」と答えた。LHはCLと同様、主にセミナーとアワードで構成され、50を超える国と地域から800人以上が参加した。

 

MOTHER BOOK

アワードは医療用医薬品を対象とする「ファーマ」と、一般医薬品および健康関連商品、啓発活動などを対象とする「ヘルス&ウェルネス」の2部門に、49カ国・地域から1423点の応募を集めた。ヘルス&ウェルネス部門を制した葵鐘会・ベルネット「MOTHER BOOK」が、唯一の初代グランプリに輝き、同作品はゴールドも同時受賞した。ファーマ部門のグランプリは該当なしだった。

 
サーチ&サーチ・ウェルネスCCOのキャシー・デラニー氏  
キャシー・デラニー氏
 

同部門審査員長を務めた、サーチ&サーチ・ウェルネスCCOのキャシー・デラニー氏は第1回目の審査に当たり、「最高の審査基準でヘルスケア業界の革新性の高さを示そうと思った。革新的で人生を変えるようなインパクトがあり、健康志向の高い消費者とつながることができる、ヒューマンインサイトにたけた作品を選ぼうということで、審査員全員が合意した」と述べた。具体的な基準は「デジタルを使った革新的な魅力」「消費者インサイトの戦略的活用」「透明性と信頼性」「ソーシャルメディアの活用」「目的意識の持ち方、消費者に対する義務の遂行性」の五つだったという。同氏はMOTHER BOOKについて「この業界は通常、一般大衆の役に立つ、世界を変えるようなアイデアを生むことに焦点を置くが、一番効果的な広告というのは、初めに一人の人間に照準を合わせ、一個人との絆を結ぶことを出発点に大きな変化を促すことが多い。MOTHER BOOKはそれを見事にやってのけた」と授賞理由を説明した。

 
  手掛けた電通中部支社のアートディレクター土橋通仁氏
 
アートディレクター土橋通仁氏

手掛けた電通中部支社のアートディレクター土橋通仁氏は「道のりは決して平坦なものではありませんでした。実現できたのは、葵鐘会さんをはじめとする制作チームの全員の“思い”。そのチームの思いを高く評価していただけたことがうれしいです」と、喜びを語った。

 

バッティングセンター  

また、電通関西支社が制作したゴールド受賞作品、ムラタ漢方・梅花五福丸のテレビCM「バッティングセンター」についてデラニー氏は「『どんなに長生きしようと、いつまでも若々しくありたい』というインサイトをユーモラスに表現した。大胆で新鮮。全審査員の心をつかんだ」と評した。

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