電通スマプラ #02

スマートフォンゲームに「ポチッ」とお金を使うキモチって?(前編)

  • 岩井 雄大
    株式会社電通 マーケティングソリューション局 ストラテジックプランナー

電通スマプラの岩井です。これから2回にわたって、盛り上がりを見せるスマートフォンのさまざまなサービスの中で、特に成長が著しい「スマートフォンゲーム」を取り上げたいと思います。

電通スマプラでは先日、スマートフォンゲームに関する生活者インサイトを探る調査(注)をしました。そこで見えてきたのは「人はなぜスマートフォンゲームで『ポチッ』とお金を使うのか」。そのキモチを探ってみます。

1.「スマートフォンゲーム=年代を問わないエンタメコンテンツ」へ

「スマートフォンでゲームをプレーしたことがある」と回答した人は、71.5%。「現在もプレーしている」人は44.3%。つまり、スマホを保有している多くの人にとって、ゲームをするのは当たり前であり、スマートフォンの使い方の一つとして定着しています。電車の中を見渡しても、ビジネスパーソンから、制服を着た学生、ギャル、主婦までスマートフォンでゲームに熱中している人の姿がよく見られるようになりました。

【Q.スマートフォンゲームのプレー経験】
図1

 驚きなのが、若年層だけではなく50代の人も、30%以上が、現在スマートフォンゲームをプレーしていることです。確かに、私の両親もそれぞれハマっているスマートフォンゲームがあります。

もちろん、ゲーム自体のクオリティが高まっている事も重要なポイントです。タッチ操作を生かしたもの、通信機能を生かしたもの、短時間プレーに特化したものなど、かつて家庭用ゲーム機が性能と共に進化したのと同様に、スマートフォンゲームも、生活者の嗜好に応えるように、コンテンツとして進化を遂げています。
性別・年代問わず普及したスマートフォンは、誰もがゲームを楽しめる環境を提供してくれているのです。

2.スマートフォンゲームの課金って、実はポジティブなもの

その一方で、スマートフォンゲームのイメージとして付きまとうのは、「課金」。スマートフォンゲームで課金と聞くと、ネガティブなイメージを持つ人も多いかもしれません。けれども今回の調査を見てみると、面白い結果が出ました。

【Q.スマートフォンゲーム課金経験(スマートフォンゲームユーザー)】

スマートフォンゲームのプレー経験者のうち、25.5%は課金経験があると答えています。4人に1人。結構高い割合ですね。つまり、スマートフォン保有者のうち4人に1人は、何かのキッカケで、「ポチッ」と課金に応じたことがあるのです。

商品やサービスは世の中にたくさんあふれていますが、無料でも使えるのに、ここまで高い確率で「お金を使われたことがある」サービスって、そう多くはないと思います。けれど、スマートフォンゲームへの課金に抵抗があるのは事実で、

【Q.課金前の抵抗感 現在課金ユーザー】

 

まさか「自分がスマートフォンゲームで課金に応じる」なんて思っていないし、「課金は嫌だなぁ」と大半の人は感じていたわけです。
ところが、一度課金という体験をすると、「課金は楽しいこと」に変化します。

【Q.現在の課金に対する抵抗感 現在課金ユーザー】

 

なんと、課金への抵抗はほぼ半減。一度「課金」という経験をすると、抵抗感はスッとなくなります。「スマートフォンゲームでお金を使うなんて…」と思っていた多くの人が、ポチッとしてしまう、いや、したくなるキモチが、そこには見えます。

多くの人は、スマートフォンゲームは、「暇つぶしができればよい」くらいの気持ちでプレーし始めます。事前の期待値があまり高くないので、課金行為への抵抗も大きいのです。けれど、プレーをしているうちに、ハマってしまう。自分の想像よりクオリティーが高いゲームだからこそ、気付いたらハマってしまい、より自分なりに楽しみたいから課金、というサイクルができ上がっています。

つまり、スマートフォンゲームにお金をかけること自体は「悪いこと」でもなんでもなく、自分の楽しみを追求するための「購買行動」なのです。電通スマプラの活動で、スマートフォンゲームの課金体験者にグループインタビューをしましたが、共通点は全員が「自分なりのゲームハマりポイント」を語り、「応じた理由」を楽しげに話したことでした。

前からチェックしていたバッグをついに手に入れた時、購入した理由やバッグの魅力を語るように、スマートフォンゲームも同じく、「ポジティブにお金を使う」行為であるといえます。もちろん「抵抗がある」と回答している人も見られますが、ゲームの性能が高まり、新しい遊び方が提案されるにつれて、抵抗感はどんどん無くなっていくのではないでしょうか。

3.プチ欲求を受け止める、スマートフォンゲーム

電通スマプラでは、スマートフォンを「キモチ・デバイス」と名付けています。スマートフォンは生活者の「心理変容」を、それに直結した「指の動き」を通じダイレクトに受けるデバイスだと考えているからです。

スマートフォンゲームは、ちょっとした「心理変容」を受け止める最適なコンテンツだといえます。「ちょっと遊びたい」キモチをかなえる、「何も考えたくない」キモチをかなえる、「誰にも負けたくない!」キモチをかなえるといった、毎日のちょっとした刺激を、自分に一番近いところで受け止めてくれるコンテンツです。

たとえば、遊園地に行きたい!という「欲求」が生まれても、一緒に行く人とスケジュールが合わない、行きたい遊園地が合わない、(私のように)そもそも一緒に行く人がいないなど、かなえるまでにさまざまな制約に縛られて実現しない欲求は、常日頃から存在しています。

そんな制約だらけの毎日の中で、スマートフォンゲームは、自分のちょっとした欲望(=プチ欲求)をかなえてくれます。「プチ欲求」を満たすために多くの人がプレーし、更にはお金を使って楽しんでくれるコンテンツに成長したのではないでしょうか。たくさんのポジティブなキモチを生み出すスマートフォンゲームは、今後も質・量ともに成長していくことでしょう。

そんなキモチ・デバイス上で課金に応じる瞬間を分析してみると、スマートフォンにおける「8タイプの購買行動パターン」が見えてきました。次回は、スマートフォン上でお金を使う動機や理由についてご説明します。

(注)<実施調査について>
「電通スマプラ スマートフォンゲーム課金に関する自主調査」
調査方法:PCインターネット調査
実施時期:2014年5月12日(月)~5月16日(金)
対象:全国15~59歳男女
スクリーニング調査:18,000サンプル
本調査:3,000サンプル
※以下の3層を、スクリーニング調査よりそれぞれ1,000サンプル抽出して回答を得た
1)スマートフォンゲーム現利用者(課金利用あり)
2)スマートフォンゲーム現利用者(課金利用なし)
3)スマートフォンゲーム現非利用者(休止者を含む)

 

 
 

「電通スマプラ」とは?

スマートフォンを中心としたスマートデバイス(パソコン、タブレットなど)上のビジネスの立ち上げ、成長・拡大に貢献するプランニング・ユニットです。
チーム内には、スマートフォンのゲームやアプリなどのマーケティング・コミュニケーションの実績が豊富な戦略プランナー、コミュニケーションプランナー、コンサルタント、コピーライター、プロデューサーなど、多種多様な人材をそろえています。また、一人一人が何かしらのオタクであるため、課題への深堀りはもちろん持ち前の個性と人間力でクライアントに向き合うことをモットーに、マーケティング活動を支援していきます。

 

プロフィール

  • 岩井 雄大
    株式会社電通 マーケティングソリューション局 ストラテジックプランナー

    2009年電通入社。入社以来ストラテジックプランナーとして、飲料、教育、エネルギー、ウェブサービス、ゲーム、不動産など、さまざまなクライアントのマーケティング・コミュニケーション戦略立案、商品開発、コンサルティングなどを担当。

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