スポリューション #11

スポリューション×動画配信

ネット上でのスポーツ観戦が熱すぎる!

  • Morita pr01
    森田 鉄兵
    リムレット株式会社 マネージャー
スポーツコンテンツをメディア枠と捉えるだけではなく、ソリューションとしても捉えることで、新しいビジネスチャンスを生み出すことにトライしているソリューションユニット「SPOLUTION(スポリューション)」チーム。そのチームメンバーたちが、それぞれの視点から、これからのスポーツ関連のビジネスチャンスについて、リレーコラム形式でご紹介します。
スポリューション

皆さんはじめまして。「スポリューション」チームの森田鉄兵と申します。

今回は、若い世代を中心にその利用者が急速に拡大している、データを活用したネット上でのスポーツコンテンツの動画配信についてお話ししようと思います。

かつて、日本のスポーツは、巨人戦に代表されるようにテレビ地上波での観戦によって、多くのファンを獲得してきました。しかし、インターネット、携帯電話、SNSが進化・普及し、さまざまなコンテンツをテレビだけでなく、いつでもどこでも見られるようになった今、時代に合わせたコンテンツ提供の仕方があるのではないでしょうか。

私自身、身をもって感じた瞬間がありました。それは、昨年11月のサッカー日本代表のベルギーとの国際親善試合でした。ベルギー時間の午後9時(日本時間は朝の4時)キックオフで、試合自体は、柿谷選手、本田選手、岡崎選手のゴールもあって、3対2で日本が勝ちました。この試合の中継を見逃した私は、朝の通勤電車でこのニュースを知り、試合のハイライトを見たいと思い、あれこれ検索しましたが、なかなか見つかりません。移動時間や昼休みにも探ったのですが、なかなか出てこず。結局、YouTubeにアップされている違法動画しかなかったようです。見たくても見られない人をそのまま放っておくと、その人はファンではなくなってしまう可能性があります。一方、アメリカの4大スポーツ、ヨーロッパのサッカーなどは、いつでもどこでもスポーツが見られるようなオムニチャネル化を図っています。

私が愛用しているのは、こちら「NFL GAME PASS」。お気に入りのチームであるグリーンベイ・パッカーズが行う年間16試合をいつでもどこでもどんなデバイス(スマホ/タブレット/パソコン)でも見ることが可能です(アーカイブされた過去4年間の試合も視聴可能)。年間で約1万7000円ほどかかるのですが、1試合当たり1000円ちょっとで好きなチームの試合がオンタイムで見られる、というのは僕にとってはそれほど高くは感じません。また、NFLは自分たちのサイトで、試合のハイライトやスーパープレー特集などのコンテンツを格納し、ファンを楽しませてくれています(こちらは全て無料)。

日本のスポーツコンテンツにおいても、こうした取り組みが広がってきていますので、いくつか紹介したいと思います。

■バーチャル高校野球 BASEBALL-COCKPIT

まずは、今まさにタイムリーなコンテンツ、「全国高校野球選手権大会」での取り組みです。朝日放送が提供する「バーチャル高校野球BASEBALL-COCKPIT」では、ライブ中継やマルチアングル映像、ハイライト動画の配信などに加え、自分だけのお気に入りのシーンを切り出してSNSでシェアすることができる「ハイライトジェネレーター」の機能が埋め込まれています。奇跡の大逆転シーンを切り取るもよし、自分の母校の活躍を切り取るもよし、多くの感動が詰まっている夏の甲子園大会を皆さんそれぞれの視点で楽しんでみてください。

セパタクローで遊ぶタイの子ども

■パ・リーグTV

日本スポーツ界の先頭を切って、早くからネット上での中継配信に取り組んできたのが、プロ野球パ・リーグです。セ・リーグに比べ、長年ファンの獲得に苦労してきたパ・リーグは、何とか多くの人に見てもらおうと、6球団が協力し合ってパシフィックリーグマーケティング(PLM)を設立、PLM管轄でネット中継サービス「パ・リーグTV」を展開しています。また、パ・リーグTVでは今年から新たにパソコン向けに試合の模様とさまざまなデータを同時に表示する機能を追加。「今投げている投手の成績は?」「このバッターはどの方向に打つのが得意?」といった試合中にふと浮かんだ疑問が、提供される15種類のデータによってその場で解決できます。「なかなか手の届きにくい若年層のファンを獲得するために、データの力を駆使してスポーツの新たな楽しみ方を提供していきたい」とPLMのマーケティング室長・根岸友喜さんは語ってくださいました。

■LEGENDS STADIUM 2014―FIFAワールドカップ 公式動画

最後に、以前、吉澤さんの記事スポリューション×テクノロジー 今日から始める『拡張観戦』!でも触れられましたが、先日のワールドカップでも同じくネット上で動画を提供するサービス「LEGENDS STADIUM 2014」が実施されました。このサービスでもハイライト動画配信に加え、やはりデータ活用が行われています。「アスリートインデックス」では、1試合当たりの走行距離やトップスピードなど、ゴール数以外のさまざまな項目で選手がランキングされています。ちなみに、1試合当たりのスプリント数(ダッシュを繰り返した本数が多い選手のランキング)の1位は、フランスのリュカ・ディーニュ選手(66本)でした。われらが日本代表のトップは、、、長友選手(49本)でした。

2020年の東京オリンピックに向けて、日本のスポーツ産業は大きなチャンスを迎えます。しかし、それぞれのスポーツがしっかりしたファンの基盤を持っていなければ、2020年以降、日本のスポーツは衰退してしまうでしょう。テレビからスポーツコンテンツが減っていく中で、多くの若者にスポーツに興味を持ってもらうきっかけをつくる、という意味でも、「データを活用したネット上でのスポーツ観戦体験」は非常に重要になってくると思われます。

★「スポリューション」チームとは?
スポーツコンテンツを、「メディア物件」として捉えるだけではなく、事業課題や、プロジェクト課題を解決するための「ソリューション」として捉え、企画する電通社内ユニットです。
チーム内には、スポーツプランニングの実績が豊富な戦略プランナー、プロモーションプランナー、コピーライター、アートディレクター、テクノロジスト、コンサルタント、プロデューサーなど多種多様な人材をそろえており、ソリューションディレクター制によって、「表現のアイデア」だけでなく、「解決策のアイデア」をワンストップでご提供いたします。

プロフィール

  • Morita pr01
    森田 鉄兵
    リムレット株式会社 マネージャー

    2006年電通入社。入社直後はテレビ局配属となり、タイム・スポットの両方を経験。その後、テレビ局からストラテジックプランニング局(現マーケティング・ソリューション局)に異動。「スポリューション」チームのメンバーとして、企業のスポーツスポンサーシップ戦略・企画を立案すると同時に、コンテンツホルダーの成長戦略・企画の立案にも従事し、日本のスポーツ産業全体のグロースに真剣に取り組む。
    2014年電通を退社し、リムレットに入社。「SPOZIUM(スポジウム)」編集長を務める。
    京都大アメリカンフットボール部出身。同志社大大学院総合政策科学研究科スポーツマネジメントスクール修了。

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