世界の宝 富士山を教材に
「富士の国づくりキッズ・スタディ・プログラム研修会2014」開催
2014/08/25
8月20日、東京・墨田区のすみだリバーサイドホールで「富士の国づくりキッズ・スタディ・プログラム研修会2014」が開催され、静岡県、山梨県、東京・墨田区、渋谷区の小学校教諭、約100人が参加した。主催は“富士の国”づくり推進会議(静岡県・山梨県)と富士山世界遺産国民会議、後援は静岡県、山梨県、墨田区、渋谷区の各教育委員会。昨年6月にユネスコ世界文化遺産に登録された富士山は「日本の宝」から「世界の宝」になり、子どもたちの学習テーマとしても注目されている。
2011年から、100年後も美しい富士山を大切にするための企画「富士山キッズ・スタディ・プログラム」がスタートし、教材を制作・配布した。今回は同プログラムの名称を「富士の国づくりキッズ・スタディ・プログラム」と改めた。江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎の浮世絵「冨嶽三十六景」を教材として用い、描かれた人々の様子を丁寧に読み取ることで、江戸の町人文化を学び、富士山に代表される日本の伝統や文化が、自分たちの生活や思いと密接につながっていることに気付き、子どもたちの「日本を大切にする」気持ちを育むことを目指す。
杉山理事の主催者あいさつ |
第1部の梅澤教諭による講演 |
研修会では初めに、主催者を代表して静岡県文化・観光部の杉山泰裕理事があいさつに立ち、同プログラムの意義を解説。今後の普及を静岡・山梨の両県と富士山世界遺産国民会議が一体になって推進していくことを宣言した。
第1部では、同国民会議が制作した教材「冨嶽三十六景で学ぶ 江戸に栄えた町人文化」の編さんで中心的役割を担った筑波大学附属小学校の梅澤真一教諭が講演。「子どもたちの好奇心を引き出す」ことをテーマに、同教材を用いた授業のヒントが語られた。
教材「冨嶽三十六景で学ぶ江戸に栄えた町人文化」 |
第2部パネルディスカッションの様子 |
第2部のパネルディスカッションでは、梅澤教諭をコーディネーターに中央区・渋谷区の小学校教諭、墨田区の学芸員を交え、「教材『冨嶽三十六景で学ぶ 江戸に栄えた町人文化』の活用法を探る」と題して、社会科授業での生かし方、学習目標や指導法のアイデアについて活発に討議。参加者らに提案をした。
最後の質疑応答では、参加した教員からさまざまな意見やアドバイスが出され、同プログラムへの高い興味・関心がうかがえた。