くまモンほっぺ紛失事件が「世界のベストPRプログラム50選」に選出される

電通九州および電通パブリックリレーションズ(以下電通PR)が取り組んだ熊本県のPRプロジェクトが、世界的なPR業界賞「グローバルSABREアワード」において「世界のベストPRプログラム50選」に選ばれた。

「グローバルSABREアワード」は、PR業界の情報プロバイダーであるホルムズグループが主催する賞で、全世界から集まった5,000件以上のエントリーから優れたプロジェクトを表彰する。SABRE (Superior Achievement in Branding, Reputation and Engagement)とは「ブランディング、レピュテーション、エンゲージメントにおける優れた業績」を意味する。

今回ベスト50選に選ばれたキャンペーンは、熊本県のイメージカラーを赤としてブランディングし、同県の赤い農海産物などをプロモートするために実施した「くまモン ほっぺ紛失事件 キャンペーン」。50選のベストPRプログラムは、異なる50のカテゴリーで最優秀のものが1件ずつ選ばれる仕組みで、熊本県のプロジェクトは「NON-CORPORATE  ECONOMIC DEVELOPMENT(企業以外の組織・団体の経済発展)」の部門で世界のベストPRプロジェクトに選ばれた。

SABREアワードの主催者であるポール・ホルムズ氏は、「くまモン ほっぺ紛失事件 キャンペーン」について、「このようなクリエイティブなビッグアイデアを企業ではなく、地方自治体に対して提案し、実施するための承認を得られたということは素晴らしいことです」とコメントした。

SABRE受賞の挨拶をする、電通PRの井口理氏
10月29日にマイアミで開催されたグローバルSABREアワードの授賞式で、挨拶をする電通PRの井口氏。

「くまモン ほっぺ紛失事件 キャンペーン」は、「世界のベストPRプログラム50選」に選ばれるに先立ち、その前哨戦でもある「2014アジア・パシフィックSABREアワード」において、国別カテゴリーでゴールドSABREアワードを受賞している。また、ライブイベントの優れたキャンペーンを表彰するカテゴリーにおいて、サーティフィケイト・オブ・エクセレンスを授与されている。

今年の「2014アジア・パシフィックSABREアワード」には74のカテゴリーがあり、アジア太平洋地域の国々から1,400件がエントリーされ、アジア太平洋地域のPR会社および企業・団体のPR部門から選ばれた業界リーダーたちによって審査された。

「2014アジア・パシフィックSABREアワード」で受賞したキャンペーンは、その後、南北アメリカ、ヨーロッパ・中近東・アフリカ地域で開催されたSABREアワードで受賞したキャンペーンとあわせて再度評価され、「世界のベストPRプログラム50選」が選ばれた。

今回のキャンペーンの情報流通デザインをプランニングした電通PRのチーフPRプランナー 井口 理氏は「2014アジア・パシフィックSABREアワードでは私も審査員として参加しましたが、アジア太平洋という限定されたエリアとはいえ、グローバル観を備えた非常に優れたキャンペーンが数多くエントリ-されていたと感じました。その中でゴールドSABREをいただきさらに世界のベストPRプロジェクト50選に選ばれたたのは光栄の至りです。特にわれわれのキャンペーンに対しては、大きな目的のためにアイデンティティを大切にするキャラクターの容姿さえも変化させるなど、自治体と一致協力した勇気ある取り組みだといった声もいただきました。クライアントとの信頼関係を起点とした電通九州チームのクリエイティブと、その情報拡散を最大化する我々PRチームが初期段階から融合できたことによる大きな成果と感じています」と話しています。

電通九州のクリエイティブディレクターで、くまモンがほっぺを落とすという奇抜なアイデアを考えた和久田昌裕は「この度は、過分な名誉をいただくことができ、本当に嬉しくまたびっくりもしています。くまモンだけでなく、我が愛する郷土・熊本がもっともっと素敵な所に見られるよう、また多くの人に足を運んでいただけるよう、精進します。あ、ちなみに今年度の新企画も始まりました。また話題になるようチーム一同全力で頑張ります」と述べています。

<受賞したキャンペーンの概要>
「くまモン ほっぺ紛失事件 キャンペーン」
(英語タイトル:Where are my cheeks?! Mouth-watering, cheek-dropping delicious Kumamoto produce)
クライアント:熊本県庁

【プロジェクト担当者】
クリエイティブディレクター:電通九州 和久田 昌裕
アカウントディレクター:電通九州 亀井 純平
チーフPRプランナー:電通PR 井口 理
PRプランナー:電通PR 根本 陽平
デジタルPRプランナー:電通PR新井 健太

【概要】 熊本県は、多くの野菜や果物などを生産する豊かな農業生産地である。特に、トマトやイチゴ、スイカ、牛肉といった、多くの赤い農・畜産物を生産している。また、鯛などの赤い魚も獲れる地域である。熊本県では、自身を「赤い県」としてブランディングしようと試みていたが、熊本県を「赤」と結びつける人は少なく、そのPR成果は限られたものであった。調査をすると熊本県のイメージカラーは、「緑」が一位で、日本有数の農業生産地であることはほとんど知られていなかった。熊本県は、自身のブランドカラーを「赤」にし、赤い農産物、水産物などのプロモーションを行うことを企画。また、メディア等に取り上げられることにより、県民、特に農業従事者の士気やプライドを高めようと試みた。

近年、熊本県のマスコットくまモンは、子どもから大人まで全国で人気を集めている。電通九州とその姉妹エージェンシーである電通PRは、くまモンを起用したアイデアを考案した。「美味しいものを食べるとほっぺが落ちる」という日本特有の表現を使い、“くまモンが熊本県の美味しい赤い食べ物を食べたために、ほっぺを落としてなくしてしまった”というストーリーを作った。東京の銀座、渋谷などで通行人にチラシを配り、一般生活者にほっぺ探しを手伝ってくれるよう訴えた。

TVや新聞などのニュースメディアを巻き込みながら、同時に、ソーシャルメディアやオフィシャルウェブサイトなども活用してキャンペーンを展開。キャンペーン開始後、くまモンのTwitter、Facebookのプロフィール写真は、ほっぺがなくなった顔写真に置き換えられ、ほっぺ探しのプロセスが更新されていくなど、ソーシャルメディアで拡散されやすい絵作りも行われ、生活者の関心を惹きつけた。

このキャンペーンにより、23のテレビ番組、新聞掲載30件、400以上のウェブサイトがこのストーリーを紹介。熊本県が赤い農産物をはじめとした食糧の生産地であるという情報が広く伝わった。キャンペーンの主な活動は2013年の最終四半期に実施されたにもかかわらず、2013年のくまモンブランドの食品の売り上げは10%伸びた。また、「ありがとまと」100箱のプレゼント募集に対し、10,000件以上の応募が殺到。2012年には、熊本県のイメージカラー1位であった「緑」が、2013年には「赤」になった。熊本県の地元紙『熊本日日新聞』は2013年11月9日号で「ほっぺをなくすという奇抜なPR戦略はひとまず成功を収めた格好だ」と報じ、熊本県の人々にもPR活動の認知を高めることとなった。

くまモン ほっぺ紛失事件 キャンペーン動画
http://youtu.be/iY8XtCXZrqI

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