インドネシア発★中間層の新車購入「計画ある」が9割

インドネシアで新興中間層による自動車の購入意欲が高まっている。メーカー各社は、エコカー政策の対象で税制優遇の恩恵を受けられる小型・割安なニューモデルを相次いで投入している。

アジアの経済ニュースを配信するNNAが行った調査によると、「初めての乗用車を1 年以内に購入する」と答えた主要都市の消費者の比率は7割超に上った。新たな市場の創出に対する期待が高まりそうだ。

NNAは今年8月下旬~9月上旬、ジャカルタ、東ジャワ州スラバヤ、北スマトラ州メダン、南スラウェシ州マカッサル、東カリマンタン州バリクパパンの5都市に居住する自動車の非所有者を対象に、自動車購入に関する意識調査を実施。各市100人、計500人の回答を得た。回答者の属性は男女ほぼ半々、年齢は20代後半~30代前半が約8割を占めた。

 

■ハッチバックが人気

調査では、新車の購入計画の有無について「ある」とする回答が91%(5都市平均)に上った。都市別では、ジャカルタとマカッサルを除く3都市が9割を超え、比較的強い意欲が見られる。計画がないとした回答者も、理由では「金銭的な余裕がないため」が4割を超えており、潜在的な購買層はさらに多いと考えられる。

現在の通勤手段は多い順に、「二輪車」(42%)、「社用車」(29%)、「バス、電車、タクシーなど公共交通機関」(27%)。車を所有しない世帯の多くが、バイクからの乗り換えを検討している様子だ。

購入予定時期は「6~12カ月以内」が42%と最多。次に「6カ月以内」が32%で、計74%が1年以内の取得を目指している。ジャカルタに限れば、前年の同様の調査(会社員が対象)では「1年以内」は27%だったが、今回は57%へと倍増した。

希望するモデルは手頃なハッチバックが62%と最も人気を集め、現在は最も売れている7人乗りの多目的車(MPV)の20%を大きく引き離す。ジャカルタを除く他の4都市ではハッチバックを選択する消費者が7割以上と圧倒的だが、大都市のジャカルタではハッチバックは16%にとどまり、MPVが43%と最多だった。

1台目の購入予算で最も多かったのは「1億~1億2000万ルピア未満」(約90万~108万円)で約3割。「1億ルピア未満」と合わせると54%が、1億2000万ルピア未満の低価格モデルを希望していることが分かった。

 

■LCGCは地方で有望

所得上昇に伴い、インドネシアでは新たに中間層の仲間入りをする消費者が増えている。スラバヤ在住のアルフィンさん(28歳、男性)は、妻、3歳と1歳の子どもと4人暮らし。自動車を所有しておらず、バイクが家族の足だ。世帯収入は月700万ルピア(約6万3000円)。「頭金さえ払えば毎月200万ルピア以下のローンで購入できる自動車もある」といい、近く購入する予定だ。

エコカー政策の対象である燃費効率の良い小型車「ローコスト・アンド・グリーンカー」(LCGC)は、1億2000万ルピア以下の低価格帯に設定されている。日系5社は、このボリュームゾーンを狙って1年前から適合車を相次ぎ投入してきたが、「今のところ配偶者用などを中心とした2台目需要が中心になっている」(業界関係者)のが現状だ。

日系自動車販売店の担当者は「ジャカルタは所得水準が高いため、1台目から1億4000万ルピア以上のMPVなどの購入が多い」と指摘。地方では、それ以下の価格が狙い目になるとの見方を示した。

手頃な価格の自動車を保有したいという消費者は地方を中心に確実に増えており、LCGCの需要も地方で特に有望と考えられる。LCGC市場でメーカーが本来狙っていた「1台目市場」の本格的な幕開けも近そうだ。

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