前に進め、30オトコ。 #02

時代を熱くするのは30オトコの仕事だ:30オトコ・クラスター(後編)

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    大貫 元彦
    株式会社電通 マーケティングソリューション局 コミュニケーションプランナー/「THINK30」主宰

前回のコラムでは1000人の30オトコ(30歳前後のビジネスマン:今回は28歳~32歳の男性有職者)を、「仕事・プライベート・コミュニケーション」の軸から6つのクラスターに分類し、「バランス重視系アラサー」と「体育会系アラサー」についてご紹介しました。今回は、残りのクラスターから特に「アグレッシブ系」「シュミ中毒系」と「欲しがり系」を中心に、各クラスターの特徴とインサイトについてご紹介します。


 

「アグレッシブ系」(構成比11.8%)

こんな30オトコ、あなたの周りにもいないでしょうか。人脈が広く、自己研鑚意欲が旺盛でビジネス書を読みあさり、休日にはトライアスロンやトレイルランニングのような決してユルくないスポーツに取り組み、その充実っぷりがSNSを経由してバンバン流れてくるような友人・知人の方が…。仕事にはストイックに取り組む一方、遊びや趣味にもガツガツと一生懸命に取り組む。それが「アグレッシブ系アラサー」の特徴です。

いまどきの30オトコは「得をするより損をしない」いわゆる“外さない”ことを重視するあまり、他の世代と比べて消費意欲が旺盛とはいえない傾向があります。しかしアグレッシブ系アラサーは、高くても良いものを選ぶ思考。腕時計やクルマなどの高価格商品、投資などにも興味を持っているタイプです。自分が良いと思ったものは高頻度で周りに発信し、ブログやSNSの投稿も積極的に行うタイプです。

 

シュミ中毒系アラサー(構成比:14.2%)

プライベートの優先度が最も高いクラスターです。人とのコミュニケーションが控えめで、かつ仕事に取り組む姿勢は割と消極的です。プライベートと仕事はハッキリと分けたい気持ちがあり平凡安息な毎日を好むタイプ。そして買い物に関しては価格コンシャスな面がある一方で、自分の趣味へはとことんお金をかけてもよいという思考の持ち主でもあります。故に、将来不安としては金銭面を気にしている様子も…。なりたい将来像は「特定分野の知識が深い」人。共通の趣味を持つ人たちと少数精鋭のコミュニティーの中で活動し、流行や他人の趣味にはあまり興味がなく、情報の発信や共有も控えめです。

※イラストはデジタルガジェット系に詳しそうなテイストで描いていますが、シュミ中毒系アラサーの「趣味」はもちろん、この分野に限った話ではありません。
 

欲しがり系アラサー(構成比:35.4%)

30オトコで一番のボリューム層である「欲しがり系アラサー」。仕事にそこまで高い積極性は無いものの、一定の評価は得たいというちゃっかり思考。SNSでの投稿や情報共有にかなり積極的で、パソコン・携帯問わずSNSの接触時間は全クラスター中で最も長く“つながり”や“他者からの承認”を実感しやすいSNSありきの生活を送っています。また、他クラスターと比べても本音よりも建前を重視し、同性からモテることよりも異性からモテることに重きを置きがちで、見栄を張る傾向があります。仕事の評価、友人・知人からのSNS上での評価、異性からの評価…なにかとインスタントに欲しがる傾向があるのがこのクラスターの特徴でもあります。

 

無気力系アラサー(構成比:4.6%)

仕事、プライベート、人間関係、全てにおいて無気力気味で、人生の充実度が最も低いクラスターです。将来像も不明確で物欲も乏しく、したがって消費意欲もとても低い傾向があります。構成比は4.6%と、30オトコの中で最も少ないボリュームとなっています。

※因子・クラスター分析をすると、分類上どうしてもこのような低反応層が出現します。

THINK30が考える30オトコ・クラスター、前回だけでは紹介しきれなかった4つのクラスターについてご紹介いたしました。
今回紹介したクラスターの中でも特に、「アグレッシブ系アラサー」と「欲しがり系アラサー」の上昇志向の高さや関わっているコミュニティーの多さ、SNSでの情報拡散力には目を見張るものがあります。30オトコとして世代で共有できるストーリーを抱え、共通するベーシックなインサイトがある一方で、同じ30オトコでもさまざまなタイプがおり、各クラスターで意識、価値観、心のスイッチ、生き方、興味関心のある領域、消費行動、メディア接触などは異なります。30歳前後の男性に対して商品やブランドのコミュニケーション戦略を策定する際には、クラスタリングから30オトコとより丁寧に向き合うことで、ひとつの勝ち筋が見えてくることがあるかもしれません。 

30オトコの分類…今回はこんな話でした。でも、リサーチもクラスタリングも決して最終目的ではありません。30オトコを応援するプロジェクトチーム「THINK30」では、これをひとつの起点にして、特に30オトコ周辺をターゲットとするクライアントの課題解決のための戦略立案、クリエーティブ開発、あるいは商品開発などを進めているところです。

ただ懸命に仕事して、成功して失敗してその手応えから次のヒントを見つけて。好きな仲間と遊びに興じて、奥さんや子どもとたわむれている人もいれば、彼女との結婚に迷う人もいる。今日の残業も疲れたなーって、仕事から帰ってきたらスーツも頭も微妙にくさいけれど、そうは言ってもメシはうまい!よっしゃ明日もがんばるか。意識高い系じゃない、そんなごくごく普通の30オトコの人生を、社会との向き合い方を、もうちょっとだけいい感じにできないか。それがテーマだと思っています。どこにでもいる、ごく普通の30オトコが「自分が本当に大事にしていきたいことは何か。取り除きたい違和感は何か。何が自分にとっての幸せか。」そんなことを考えるきっかけをつくれればいいなと思います。

そしてなにより、30オトコが日本の背骨となって未来を切り開いていくために、新しい当たり前を築き上げていくために、さまざまなアプローチで30オトコを応援していきます。

ところで、このコラムを読んでくださったあなたの席の近くには、どんな30オトコがいるでしょうか?

 

<分析概要> 
調査エリア: 関東1都3県(東京/神奈川/千葉/埼玉)・関西2府2県(大阪/兵庫/京都/奈良)・中部3県(愛知/岐阜/三重)
分析対象: 28歳~32歳の男性有職者(1,000ss)
調査期間: 2013年11月28日(木)~12月2日(月)
調査方法: インターネット調査
調査実施機関:マクロミル

プロフィール

  • 141014 pr
    大貫 元彦
    株式会社電通 マーケティングソリューション局 コミュニケーションプランナー/「THINK30」主宰

    2008年電通入社。自動車会社担当営業として、企業ブランド戦略策定やコミュニケーションプランニング業務を担当後、電通総研で、生活者インサイト分析を起点とした事業戦略策定や商品開発コンサルティングを担当。
    2013年からリクルートホールディングスと電通の共同事業である株式会社メディア・シェイカーズに出向。30オトコを応援するプロジェクトチーム「THINK30」を立ち上げ、現職。

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