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米コンテンツマーケティング最新事情

BtoB企業の9割が活用

2014/11/14

    コンテンツマーケティング研究の先駆的存在として知られる米コンテント・マーケティング・インスティチュート(CMI)はこのほど、BtoBおよびBtoC企業の活用実態調査を発表した。

    ■ BtoB企業の9割が活用

    BtoBについては北米のBtoB企業約1800 社に実施。9割近くがコンテンツマーケティングを活用するなど、企業の間に広く浸透している実態が浮かび上がった。調査の中から特徴的な八つのポイントを紹介する。

    1)86%がコンテンツマーケティングを活用し、38%が「効果がある」と評価。

    「同マーケティングを活用している」と回答した企業は86%に上った。そのうち、「非常に効果がある」は8%、「効果がある」は30%だった。

    2)47%が社内にコンテンツマーケティング専門のチームを設置。

    「部署をまたがる連携組織としてある」が35%で、チームの形態として最多。

    3)70%が昨年に比べて、コンテンツ制作量を増やしたと回答。

    27%が、昨年に比べて、コンテンツの量を「相当増やしている」とし、43%が「増やしている」と回答した。

    4)手法としてはソーシャルメディアでのコンテンツ掲出が92%と、最多。

    ソーシャルメディア(ブログ以外)でのコンテンツに続いて、eニュースレター、自社ウェブサイトの記事、ブログ、イベントなどと続いた。昨年と比べて特に増えたのは「インフォグラフィックス」(51%→62%)。

    5)「最も効果があった」のは、リアルイベント。

    さまざまな手法の中で、「最も効果があった」と評価されたのは、ターゲットを対象としたイベント(69%)。続いて、ウェブセミナー、動画、ブログ、ケーススタディ、白書(調査)など。

    6)コンテンツプラットフォームとしてもっとも多用されたのはリンクトイン。

    コンテンツ流通のプラットフォームとして、最も人気があったのはリンクトイン(94%)。続いてツイッター(88%)、フェイスブック(84%)、ユーチューブ(72%)、グーグルプラス(64%)、SlideShare (41%)。

    7)55%が、今後一年で、コンテンツマーケティング予算を増額。

    9%が「相当額増やす」、46%が「増額する」、「同額」は32%、「減らす」はわずか2%。

    8)コンテンツマーケティング戦略が明文化されているのはわずか35%。

    「戦略を明文化している」と答えたのは35%で、48%は「戦略はあるが、明文化はしていない」と回答した。戦略が明文化された企業ほど、その効果が高いことも調査から明らかになった。

     

    ■ BtoCではモバイルに力点

    同インスティチュートが同時期に実施した北米のBtoC企業307社を対象にした調査でも、77%がコンテンツマーケティングを採用し、59%が今後、予算を増額すると回答するなど、アメリカ企業の高い関心がうかがえた。調査結果はBtoB、BtoCでほぼ同様の傾向を示したが、具体的な手法やプラットフォームに違いも見られた。特徴的な傾向は以下の3つ。

    1)「最も効果があった」手法は電子版ニュースレター。

    66%が「電子版ニュースレター」が効果的だったと回答。「リアルイベント」「イラスト・写真」「ブログ以外のソーシャルメディア」「ブログ」と続いた。

    2)コンテンツプラットフォームとしてはフェイスブックが94%と最も人気。

    フェイスブックに続いては、ツイッター、ユーチューブ、リンクトイン、グーグルプラス、ピタレスト、インスタグラムだった。

    3)今後はモバイル関連のコンテンツマーケティングに力点。

    モバイル分野を強化したいと答えたBtoB関係者は58%だったのに対し、BtoCでは74%と、高い数字を示した。

    ジョー・ビュリッジ氏
    ジョー・ビュリッジ氏

    同インスティチュートの創設者ジョー・ピュリッチ氏は、「多くのマーケティング関係者にとっては、コンテンツマーケティングは最も優先度が高く、もはやデファクトのスタンダード。効果を確かなものにするには、柱となる戦略を明文化し、その戦略に沿って一貫性ある展開をすることが重要」と解説している。また、同マーケティングを展開するにあたっては、「すべてのオーディエンスを対象にしようとするのではなく、ターゲットを絞り込んで、それに即したコンテンツを提供していくことが大切」とアドバイスをしている。


    インフォグラフィックス
    文字の代わりに表やグラフ、イラストなどで情報を視覚的に見せていくもの。米国のコミュニケーション業界のトレンドとして注目されており、メディアの記事や広告、ソーシャルメディアなどで多用されるようになっている。
     
    リンクトイン
    世界最大級のビジネスユース特化型のSNS。利用者が自分の職務経験などのプロフィールなどを公開したり、企業が採用のツールとして利用したりする。
     
    Slide Share
    パワーポイントやPDF、キーノートといったプレゼンテーション資料の共有サービスで、企業や個人が自らの資料をアップロードし、シェアする仕組み。