ジブンと社会をつなぐ教室 #06

「森さん、伝えるって何ですか??」

論理で行き詰まったら、直感に開き直る選択も必要(前編)

  • Mori 20141126 pr
    森 健志郎
    株式会社スクー 代表取締役社長
  • Yasumochi pr
    保持 壮太郎
    株式会社電通 CDC コピーライター
  • 大来 優
    株式会社電通 CDC アートディレクター

「ジブンと社会をつなぐ教室」を書籍化した「なぜ君たちは就活になるとみんな同じようなことばかりしゃべりだすのか。」の特別対談の一部を紹介。今回は、オンラインの学習サービスを提供しているスクーの森健志郎さんをゲストに迎え「伝える」をテーマに話します。就職活動をした学生時代、リクルートメディアコミュニケーションズへ入った社会人時代に、森さんもコミュニケーションには苦労したと話します。

灰皿を投げられる、から始まった新人時代

自分のコミュニケーションが伝わるゾーンをあぶり出す

保持:森さんは現在、起業家として活躍なさっていますが、新卒の時は普通に就職活動されたと伺いました。

森:2009年に近畿大の経営学部を卒業しまして、リクルートメディアコミュニケーションズに入社しました。最初、半年間は千葉で法人の不動産の営業。SUUMOの広告を地場の不動産に営業するっていう仕事をしていたんですよ。最初に入ったお客さんのところで灰皿投げられて、名刺破られるっていう(笑)。

保持:それはまた壮絶な(笑)。

森:リクルート大嫌いでパソコンも使えないようなおじいちゃんたちに、人柄だけで「リクルート嫌いだけど、おまえは好きだからやってやる」みたいな営業を半年間やって、そのあと本社に戻って、住宅広告の制作をやっていました。

保持:ご自身の就職活動をふり返った時に、「伝える」という意味で苦労した記憶はありますか。

 

森:そうですね。最初苦労したのは、思っている以上に大人としゃべり慣れていなかったこと。同世代だと、こういうこと刺さるんだな、ってなんとなく分かるんですけど、40代とか、50代とか、ポジションも世代も違って育ってきた人に同じことを言っても刺さらないんですね。それをどう変えていくかっていうところが結局分からず、リクルートへの就職ではインターンシップで若い人事の方が目を付けてくれて決まったというのもあって、割とギャップっていうのは解決せずに過ごしちゃったかなって思います。

保持:そんな森さんが新卒入社後は飛び込み営業で灰皿投げられていた(笑)、伝える相手としては一番難しい相手と対峙していたわけですけど、その時代にはどんな工夫をしていたんですか。

森:1年目くらいのときにも「伝える」ってことを解決できなかったんですね。なので、やり方を変える方向ではなくて、どういう人だったら伝わっているのかというところをマトリックスで分析していました。

保持:自分は変えられないと。

森:そのときは変えるまで至らなかったので、自分のコミュニケーションが伝わるゾーンをあぶり出して、そこだけのリストをつくって営業するみたいな。

大来:それはすごい。

森:初めて書いた4象限なんですけど、人生で(笑)。男性、女性、情緒的、論理的っていうマトリックスを書いてプロットして、情緒的な女性社長だったらすごい伝わってるぞとか(笑)。

時には直観に対して開きなおることも重要

保持:その後、24歳にして起業なさったと伺いました。事業アイデアを思いついた翌日にはもう辞表を書いていたそうですね。いろいろ考え込んだりはしなかったんですか。

森:多分、小さい頃からそういう子どもだったと思うんですけど、何かを決めるときは、直感的に決めるか、論理的に決めるかの二択しかないわけですよ。でも学生とか20代そこそこって、少なくとも僕の場合で言うと、論理的に決めきれるほど人として成熟してなかったですね。だから直感的に「ここ面白そうだな」って飛び込んだ方が幸せになれそうだと思ったっていうことです。就活で悩んでいる子に今でも会ったりするんですけど、みんな論理的に決めなきゃ後悔するんじゃないかと思って、必死にできないフレームワークをなぞってる。

保持:受け売りの論理的思考がたくさん入ってきますからね、大学生の頃って。

森:いきなりそこで自己分析とか、フレームワークを教えられるじゃないですか。就職活動のコミュニケーションのときも、志望動機のところでマーケットの競合会社はこうですが、御社はこうで、みたいな論理をフレームワーク立てて説明しようとすると、それが苦手な子とか、初めて就職活動のときにそれをやりだした子は絶対うまく説明できない。仕事で論理的な説明に慣れている相手に刺さるはずはないですよね。論理的に語れることとか、整理することに対する努力とか、逃げちゃいけないと思うんですけど、時には直感で開き直ることも伝える上では重要なのかな。

※対談後編は1/30(金)に更新予定です。

こちらアドタイでも読めます!

書籍はこちらから。
宣伝会議オンライン 
http://www.sendenkaigi.com/books/new/3393

プロフィール

  • Mori 20141126 pr
    森 健志郎
    株式会社スクー 代表取締役社長

    1986年生まれ。2009年大学卒業後、リクルートで広告営業、リクルートメディアコミュニケーションズで広告制作のディレクターを務める。2011年10月にスクーを設立、代表取締役社長に就任。「世の中から卒業をなくす」をミッションに、“仕事に活きる”コミュニケーション型動画学習プラットフォーム「schoo(スクー)WEB-campus」を手がける。

  • Yasumochi pr
    保持 壮太郎
    株式会社電通 CDC コピーライター

    東京大学工学部卒業後、2004年に電通入社。人事局配属を経てクリエーティブ局へ。
    主な仕事にHondaインターナビ「Sound of Honda / Ayrton Senna 1989」「RoadMovies」、映画「テルマエ・ロマエⅠ/Ⅱ」、Gungho「パズドラ×嵐」、三陽商会「100年コート」など。
    Cannes Lions グランプリ、D&AD Black Pencil、Adfest グランプリ、ACC賞 グランプリ、TCC賞、文化庁メディア芸術祭 大賞、日本パッケージデザイン大賞 金賞、ほか受賞多数。
    Advertising Age誌のAWARDS REPORT 2014においてコピーライター部門世界2位。

  • 大来 優
    株式会社電通 CDC アートディレクター

    2008年東京芸術大学卒業、同年電通入社。第2、5クリエーティブ局を経て、2014年現在CDC局。カンヌチタニウムグランプリその他、D&ADブラック・イエローペンシルその他、、メディア芸術祭大賞、アドフェスト、クリオ、スパイクス、NYADC、 ONE SHOW、ACC、グッドデザイン賞、様々な国内外の広告賞を多数受賞。特技は水泳、趣味はスノードーム集めとけん玉。好きな漫画は名探偵コナン。

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