心揺さぶる、感じるパラスポーツ #01

写真で見るパラスポーツの魅力と、
そのチカラ(前編)

  • Takemi profile 400x400
    竹見 脩吾
    フォトグラファー
  • 095     049 404
    谷 昭輝
    株式会社電通 CDC ストラテジックプランナー
  • Itoh ami pr
    伊藤 亜実
    株式会社電通 マーケティングソリューション局 ストラテジックプランナー/ブレークタイムデザイナー

2020年の東京では、オリンピックはもちろん、パラリンピックにも大きな注目が集まることが予想されています。
この連載では、パラスポーツ(障がい者スポーツ)に心揺さぶられた電通メンバーが、フォトグラファー竹見脩吾さんをお迎えし、パラリンピックやパラスポーツの魅力を、臨場感たっぷりの写真を通してご紹介。
近年、日本にでも徐々に関心が高まりつつあるパラスポーツを、もっともっと多くの方に楽しんでいただけるように、そして2020年の東京パラリンピックを応援していただけるように、熱い思いを込めてお伝えしていきます。

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左から、伊藤 亜実氏(電通)、谷 昭輝氏(電通)、竹見 脩吾氏(フォトグラファー)

谷:私は電通でスポーツに関連する仕事を通じて、パラリンピックやパラスポーツに関心を持つようになりました。プロジェクトを通して知り合った、思いを共有できるメンバーと一緒に、その魅力を伝えていきたいと思っています。
初回は、この連載の主役になる竹見さんに色々とお話を伺っていきたいと思います。
竹見さんとは仕事を通してお会いしたのですが、私自身、竹見さんの写真に心を動かされ、強い影響を受けた一人です。
竹見さんは、スポーツフォトグラファーとしてサッカー日本代表をはじめ様々なスポーツ大会を取材する傍ら、ライフワークとしてパラスポーツの写真を撮り続けています。2020年の東京オリンピック・パラリンピック招致委員会でもオフィシャルフォトグラファーも務めていらっしゃいました。あの招致プレゼンで使われた写真は竹見さんの手によるものです。
竹見さん、簡単な自己紹介と、今回の連載にかける思いを教えてもらえますか。

竹見:フォトグラファーの竹見脩吾です。
学生の頃からスポーツ写真を撮り続けていますが、2010年バンクーバーオリンピック・パラリンピックの仕事のときに障がい者スポーツと出合い、そこで魅せられてから、自分のテーマとして追いかけています。
2020年東京オリンピック・パラリンピック開催が決定し、パラリンピックにもスポットライトが当たりかけている今、パラスポーツを知っていただく二度とない絶好の機会だと感じています。この連載では、普段はパラスポーツに触れることのない方々にも情報を届けることができるので、より多くの方々に関心を持っていただくきっかけにしていきたいですね。

谷:情報発信はもちろんですが、見に行きたいと思える前向きな気持ちをつくることが本当に大切ですよね。
次は、電通戦略プランナーの伊藤です。伊藤はダイバーシティに関連する仕事の経験が長いので、少し違った目線で気づきを提供できると思います。

伊藤:私は、電通ダイバーシティラボという社内プロジェクトに関わっています。一人一人がありのままの多様性とか個性で心地よく生きられる世の中になったらよいなという思いで活動しています。
パラスポーツは、これまであまり見たことがなかったのですが、竹見さんの写真を実際に拝見すると、非常に心に響きますし、スポーツのチカラを感じます。
この連載では私は、初心者として、お二人に疑問をぶつけたり、連載を進めるごとに学びを深めながら、皆さんにもお伝えしていく役割を担いたいと思っています。

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ー スポーツフォトを通じて、“スポーツとして面白い”パラリンピックを伝えたい。

伊藤:では谷さん、パラリンピックの魅力を伝えていくに当たって、竹見さんの写真に注目した理由を教えていただけますか。

谷:竹見さんの写真で、トライアスロンの試合を子どもが見ている1枚があります。この写真を初めて見たときに、スポーツの感動の本質を伝えているのではと、とても感銘を受けたんです。
そこに写っている子どもは、驚きと尊敬に満ちた表情をしているんですが、これこそスポーツに心動かされることの原体験だと思いました。

竹見:ありがとうございます。
この写真は横浜で開催されたトライアスロンのパラの部での一コマです。良い表情をして応援している子どもを見つけました。
このぐらいの小さい子どもにとっては、障がい者か健常者かといったことは関係ありません。これは、アスリートに一生懸命声援を送りながら、生でスポーツ観戦をして、一緒になって戦って興奮している姿だと思い、写真におさめました。
日ごろから、写真を撮るときには、そのアスリートが障がい者であるか、健常者であるかなどには関係なく、その躍動感などをビジュアルで伝えることを、何よりも意識しています。

伊藤:アスリート自身ではなく、見ている子どもの表情を切り取る、というのは、スポーツ写真では珍しいのではと、素人ながらに思いました。

竹見:喜怒哀楽がはっきり表れるアスリートの姿にプラスして、臨場感、迫力、人間味といった部分を伝えていきたいですし、スポーツの魅力というのはアスリートからだけでなく、見ている人や、その周囲でサポートしている人など、いろいろな要素からも感じられると思っています。
パラスポーツに限らず、「実際に試合を見てみたい」とか、「自分でやってみたいな」と直感的に思えるスポーツ写真を撮ることにチャレンジし続けたいです。

谷:竹見さんの写真は、義足や車いすにフォーカスするのではなく、それ以外の視点、アスリートとしてのすごさとか、それを見る人の気持ちといったものを想像させてくれる。スポーツは一瞬で固定観念を打ち破る力がある、ということを気づかせてくれます。
パラスポーツの魅力を少しでも分かりやすく伝えていくために、竹見さんの写真はうってつけだと思ったんです。

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ー ロンドンの開会式で見た感動的な光景を、東京でも実現したい。

伊藤:ここからは、お二人がパラスポーツにこれほどまでに魅せられている理由について、探っていきたいと思います。もともとスポーツ好きなお二人ですが、ここまでパラリンピックやパラスポーツをライフワークとして追いかけるには、きっかけとなった感動的な試合や、選手との触れ合いがあったのでは?と思うのですが。

竹見:先ほど申し上げたように、私のパラスポーツとの出合いは、バンクーバーパラリンピックのときでした。仕事で撮影をしていたのですが、ちょうどそのとき、私は自分自身が怪我をしていて、思うように動けない状況でした。そんな中、初めてパラリンピックの試合を見て、「これは一体、何が起こっているんだ?!」と。それまでにも、パラリンピックという言葉だけは聞いたことがありましたが見る機会はなく、衝撃的な出合いになりましたね。

伊藤:なるほど。確かに、パラスポーツは普段見ても、未知の驚きがありますが、自分が近い立場にあるときに見ると、さらに共感とか、すごさの実感が高まりそうですね。

竹見:そうなんです。
また、先日のロンドン大会の開会式では、スタジアムの観客席の姿が非常に感動的でした。パラリンピアン入場の瞬間、スタジアムが揺さぶられるような、その日一番の大きな歓声が上がったんです。観客席は、外国人よりもロンドンの人が多いようでしたが、満席の、スタンディングオベーションの客席から、パラリンピアンに対する尊敬の熱い視線を強く感じました。それに応えるかのような選手たちの笑顔も、自信に満ちあふれていて、車いすの車輪に、堂々とユニオンジャックが光っている。
それは、素晴らしい光景でした。
この光景をぜひ、東京でも見たい。私にとっての理想の姿になりました。

(後編に続く)

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竹見脩吾さんの写真展「para-graphy」が開催されています。興味を持たれた方は、ぜひ会場にお運びください。
●キヤノンギャラリー梅田:2015年2月12日(木)~2月18日(水)
●キヤノンギャラリー仙台:2015年3月5日(木)~3月17日(火)

 

プロフィール

  • Takemi profile 400x400
    竹見 脩吾
    フォトグラファー

    1985年生まれ。東京都出身。
    日本大学芸術学部写真学科卒業。卒業後カナダに渡り、新聞社に入社。
    2010年バンクーバー冬季オリンピック・パラリンピック、2012年ロンドン夏季オリンピック・パラリンピック、2014年ソチ冬季オリンピック・パラリンピックを撮影。東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会オフィシャルフォトグラファー。日本報道写真連盟賞、日本大学総長賞などを受賞。 現在フリーランスとして活動中。

  • 095     049 404
    谷 昭輝
    株式会社電通 CDC ストラテジックプランナー

    大学卒業後、自動車会社に入社、企画業務を担当後、2007年 電通入社。
    様々な業界のブランド戦略開発、企業ブランディング、CI/VI開発などのコンサルティング・プランニングから、キャンペーン戦略の開発まで、幅広い業務を担当。多くのインナーコミュニケーション業務も担当。

  • Itoh ami pr
    伊藤 亜実
    株式会社電通 マーケティングソリューション局 ストラテジックプランナー/ブレークタイムデザイナー

    人の気持ちに寄り添い、思いを引き出し、社会にとって価値あるストーリーを伝えるために日々精進しています。個人的なテーマは、ダンス産業の拡大、モノづくりの復興、デコボコで多様性ある暮らし方・働き方の推進など。

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