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2015年の正月広告から読み解く!
新聞広告マーケティング

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今年も元旦から3日にかけ、多くの新聞広告の出稿がありました。実は正月広告に限ってみると、新聞広告はここ数年、段数、カラー広告数、広告主数ともに増加傾向にあります。
正月広告は、華やかな中にも企業の新年への決意のようなものが感じられ、新聞らしい広告が紙面を賑わせます。今回のコラムでは、2015年の正月広告の中から注目広告や今年の傾向などをご紹介することで、現在の新聞広告マーケティングの潮流を感じていただけたらと思います。

今年のテーマカラーは「空(そら)系ブルー」!?

毎年、正月広告を見ていると、その年ごとのカラーがあることに気づきます。今年は何といっても、空系ブルー!空が多く映り込むブルー系の広告がとても多かったのです。
東日本大震災から4年がたとうとしています。震災は決して風化させてはならない。でも悲しみに足を止め続けることはできません。「そろそろ上を向き新しい時代に向けて動き始めよう」。仰ぎ見る空のようなブルーの広告からは、そうした企業や人々の意志が伝わってくるようです。
ちなみに昨年のカラーは「黄色・赤」系が多く見受けられました。4月の消費増税前で、売りに直結する広告が多かったためと思われます。
そして2012年震災翌年の正月広告は、その場の空気や息遣いまで伝わってくるような、「透明」感のある広告が多かったことが印象的でした。

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キリンビール 朝日新聞・毎日新聞・読売新聞・産経新聞 1月3日 15段カラー

今年の注目イチオシ広告は、レディー・ガガの自撮り画像広告!

今年の資生堂の正月広告は、ガガのセルフィー(自撮り写真)50種を、全国紙、ブロック紙、県紙の新聞50紙に各1種ずつ採用するというもの。「美の多様性を認め、それぞれの美を応援する」企業姿勢を表現しています。
2015年は、団塊世代(1947年から49年生まれ)がすべて65歳以上になる年でもあります。「あなたはあなたでいて。それが、あなたの美しさだから。」というコピーは、家や時代に縛られない、自分らしい生き方を模索した、団塊世代の生き方をも肯定しているようです。団塊世代は、数だけではないパワーでもって、常に時代をリードしてきました。2015年はそうした世代が、自分らしさのために、社会のために、また動き始める年になるのかもしれません。

 

2015年の文字に込められた新たな時代への期待

今年の正月広告には、クリエーティブ表現の中に2015の文字が入り込む広告がいくつも見られました。2015年がキリの良い数字ということもあるかもしれませんが、「2020年を意識した上での、2015年の提示」という意味もあるのではないでしょうか。
2015年の幕開けは、2020年から始まる新しい日本の未来につながっている、そんなワクワク感がこの数字に込められている気がします。

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集英社 読売新聞 1月1日 15段モノクロ

新聞広告にとってのコンテンツ

新聞広告にとってのコンテンツ活用は、ここ何年かで大きく変化しています。従来は、あくまで主は商品や企業であって、それを分かりやすく説明したり、親しみを持ってもらうために、もしくはプロモーションに活用するため、ブランドイメージに即したキャラクターやコンテンツが選択され、使われてきました。ところが、最近はキャラクターやコンテンツを前面に出した広告が主流になっています。ブランドイメージとコンテンツの直接的な関連は必ずしも強い必要はなく、商品は映画のプレースメントさながらに、コンテンツの文脈に即して控えめに露出されます。そのため、1つのコンテンツを使って様々な商品や企業の広告が数ページに渡って掲載されるマルチ広告の手法も注目されています。
コンテンツはメディアの枠組みに限定されることなく、テレビで紹介されたり、ネットで話題になったりと、自走します。商品や企業がコンテンツに寄り添うことで、確実にリーチを増やすことができるのであれば、今年も新聞のコンテンツ広告は好調が続くのではないでしょうか。

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妖怪ウォッチプロジェクト2014 読売新聞 1月1日 30段カラー

今年、正月出稿が最も伸びたのは「高価格帯の腕時計」

今年の正月広告で、出稿の増加が目立った商品ジャンルに「腕時計」がありました。正月に出稿するのは初めてという新規クライアントも、いくつかありました。実は腕時計は、2014年を通じ継続して増加傾向が見られた新聞広告の好調業種でもあります。2013年から始まった円安、株高の傾向は、資産効果から消費性向を上向かせ、特に高価格帯の商品や海外の高級時計の出稿が増加したのです。
ただ一方で、物価の上昇により、いまひとつ景気の回復を実感できない人も多いのではないでしょうか。このアンバランスな感覚は2015年、どこへ向かうでしょうか。

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セイコーウオッチ 朝日新聞  1月1日 15段カラー

地域に親しまれる、地方紙ならではの広告

地方紙では、地元企業からの出稿やその地域ならではのクリエーティブが多く見られました。地元出身タレントの起用や地域の人々に対する感謝の言葉など、直接話しかけるようなぬくもりのあるコミュニケーションは地方紙ならではと感じます。
一例として、北海道新聞に出稿された六花亭の広告をご紹介します。地元北海道の花をあしらった包装紙を使ったクリエーティブからは、全国で人気のメーカーながら、地元を大切にする姿勢が伝わってきます。

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六花亭製菓 北海道新聞 1月1日 15段カラー

以上、2015年正月広告から注目のものを一部ご紹介いたしました。
新聞局では、新聞広告に対する社員の知見向上を図るべく、この1月から「新聞広告展示」という形で、その時々の話題のテーマや注目広告をピックアップし、マーケティング的な視点から簡単な解説を加えて、活動しております。今年も新聞局一同、広告主や読者の方々に喜んでいただけるような新聞広告をお届けできるよう頑張っていきます!

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    新聞メディアにとって、今は大きな変革の時です。そんな今だからこそ、新聞広告は様々なチャレンジが可能となり、広告クリエーティブの幅もグンと拡がっています。このコラムでは、電通新聞局員が、新聞メディアの「今だからできること。今しかできないこと。」をテーマに連載していきます。みなさんに「今、新聞広告が面白い!」と思って頂けるような、新聞広告の最前線をお届けします!

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