タイ発★訪日ガイドブックがベストセラー、個人旅行者に人気

日本への観光旅行がブームのタイ。パッケージツアーではなく、自由な個人旅行を楽しむ人が増えており、きめ細かな旅行情報を紹介するガイドブックの出版が活発化している。ソーシャルネットワーク上のやりとりでは得られない確実な情報が得られるという高い実用性から、数万部を売り上げるベストセラーも出てきた。アジアの経済情報を配信するNNAが伝えた。

バンコクの大型書店の旅行書コーナーには、日本のガイドブックが他国版を圧倒するスペースで陳列されている。書店スタッフによると、人気タイトルなら月100冊が継続的に売れており、日本の旅行書については前年に比べ6割ほど出版点数が増えている。旅行書の体裁やコンテンツが多彩になっている上、新しい出版社が設立されたり、これまで旅行書を出していなかった出版社が参入したりといった動きも目立つ。

東京とその周辺を紹介する「Yipun, Thiao Mai Ngor Guide, Pai Mai Ngor Tour」(ガイドにおもねらない旅、ツアー会社にこびない旅行)は販売部数が現時点で2万4000部に達し、まだ売り上げを伸ばし続けているベストセラーだ。同書による訪日観光への貢献を認められ、2014年には日本政府観光局(JNTO)から「ユニーク・ガイドブック賞」を贈られている。

同書の著者で元システムエンジニアのポンサコン・パトゥムウォン氏は、04年に出版したガイドブックの第1弾が新しいスタイルの旅行書として20~30代の若者から注目され始め、相次いで続編を出版。現在は脱サラし、フリーランスで活躍している。

女性の目線で見た日本を前面に押し出し、旅にオリジナリティーを求める読者からの人気を獲得しているのは、小型のポケットブック「TOKYO GUGGIG Guide」(東京クック・きらきらガイド)シリーズだ。08年初版の第1弾からこれまでに4版を重ね、約1万部を販売した。

著者のパニダー・イアムシリンパクン氏が、個人的に訪れた日本で気に入ったレストランやカフェ、博物館などをピックアップし、エッセーを交えた旅行書としてまとめた。女友達同士が旅の思い出をおしゃべりするような気軽な語り口が、好評を得ている。中国の出版社とも翻訳出版の契約を交わしており、中国と台湾でも出版される予定。パニダー氏は「次は家族向けの日本の観光ガイドブックも作ってみたい」と続編執筆にも意欲を見せている。

ガイドブック市場の好況に、ウェブ運営者も関心を寄せる。「紙媒体である旅行書もいずれは出版したい」と語るのは、日本関連の情報を網羅する人気ウェブサイト「マルムラ・ドットコム」(marumura.com)の運営者であるタナトン・ンガームモンコンウォン氏だ。

同サイトは、充実したコンテンツと折からの訪日観光ブームが追い風となり、閲覧数が月40万を超える人気サイトに成長。これまでに蓄積したウェブ上の情報やノウハウを基に、相互のコミュニティーサイトの開設や、情報を深く掘り下げたガイドブックの出版にも取り組みたいという。

JNTOによると、タイからの訪日客数は11年の約14万人から14年は66万人に増加。今年は100万人も達成可能との声が上がっている。「タイは個人旅行者が多く、口コミなどを通じて自分たちで行き先をアレンジする」(JNTO担当者)傾向が強いという。「自分だけの日本体験」を求める旅行者の層が厚みを増す中、こうした「かゆいところに手が届く」こだわりのある旅行書の出版ブームがこの先も続きそうだ。

日本のガイドブックがずらりと並ぶ大型書店の旅行書コーナー(NNA撮影)

 

 

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