Mi-Life Innovation 2025 #04

テクノロジーの進化で変わる、未来の働き方。

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    井上 忠靖
    株式会社電通 データ・テクノロジー・センター

前回に引き続き、私たちのプロジェクト「Mi-Life Innovation(ミライフ イノベーション)2025」で考える、テクノロジー進化がもたらす私たちの未来の生活や働き方についてご紹介していきます。今回は主に40~50代のミドル世代を想定しながら、ビジネスシーンや働き方に与える影響を描いていきます。

 

パーソナル秘書

2015年以降、スマートウォッチなどと呼ばれる腕時計型のウエアラブル情報端末市場が本格的に立ち上がり、新たな技術トレンドになりそうです。そのウエアラブル情報端末が、クラウドネットワークとの連携やセンサー情報などあらゆる情報を統合できるようになることで、より微に入り細をうがった行動選択支援をしてくれることになるでしょう。

例えば現状でのスケジュール管理は「次の会議は16時から新宿●ビル24階A会議室で」、という具合に事前に入力した日時と場所を知らせるだけにとどまっています。
それが今後は、「あと60秒以内に席を立つと次の会議に間に合います。今日は地下鉄を使うよりもバスを使った方が早いですね」、といった具合に最適なルートを最適なタイミングで知らせてくれるようになるかもしれません。その瞬間の交通情報や公共交通機関の時刻表、その人の歩く速度といったあらゆる情報を統合することができるようになれば、非常に細かいところまで気を配った情報の提供が実現するでしょう。

スケジュール管理だけではなく、顧客管理、家族の予定連携など、その日のToDoリストが自動的に整理され、それに合わせて今行動すべきことを提案し、ベストな行動の選択を支援してくれる、一人一人に優秀な秘書がつくようなことが実現していきます。

 

顔認識メガネ

スマートグラスと呼ばれる、目の前に見える人や物や風景に、ネットワーク経由で得られた情報をAR(拡張現実)で付加する技術も注目を集めています。この技術と顔認識の技術を組み合わせることで、目の前にいる相手のソーシャルメディア上の情報などが瞬時に表示されることも実現できるかもしれません。そうすれば例えば、ビジネスシーンで初対面の人であっても相手の詳しい情報を把握しながら効率的にコミュニケーションを行うことができ、親しくなるまでの時間が短縮され、ビジネス面でも大きな付加価値となることが期待できます。

 

翻訳イヤホン

2020年の東京オリンピックを一つのゴールとして、開発への関心がより高まっているのが多言語自動翻訳の領域です。最近では統計的機械翻訳と呼ばれる、ビッグデータを活用するアプローチにより急速な進歩を遂げつつあります。最近の音声認識技術の精度の高さは、すでに私たちもスマートフォンの機能を通じて実感しているところですね。

一方で、構文構造の異なる言語同士の翻訳や、発音といった面では、まだ翻訳精度が未成熟なところや、ぎこちないところも多く、技術開発の今後の課題となっているようです。

とはいえ、世界中からのお客さまを「おもてなし」するためにもこの領域のさらなる進歩は期待したいところですよね。そうすれば、他言語を習得する時間を減らすことができ、その分相手とのコミュニケーションの充実や、別のことを学ぶ時間にあてることができます。

 

スマート決済

顔認証技術と決済サービスとの組み合わせにより、店舗の入場時に個人を特定し、お出迎えメッセージとともに、来店ポイントを直ちに付与する、というようなことも実現できるようになるでしょう。

買いたいものをカゴに入れて、精算ゲートを通るだけで買い物完了。レジに並ぶ時間や、ポイントカードを財布から出して提示する時間などが短縮されます。

これからますます忙しくなる働く人たちにとって、買い物の支払いなどの時間はできるだけ短縮し、その分商品をじっくり選ぶことに充てたり、あるいは家族と過ごす時間や自分のための時間に使いたいものですね。

 

今回描かれた世界は、かつて映画「攻殻機動隊」「マイノリティ・リポート」などに代表されるSF映画でも描かれてきた未来像です。人々が想像してきた「未来にあったらいいな」が、テクノロジーとアイデアの組み合わせで着実に実現していく、そういう時代を私たちは生きることになるのです。

次回はもう少し上の世代である60~70代シニア世代の生活シーンがどう変化していくのかについてご紹介したいと思います。ご期待ください!

 

プロフィール

  • Inoue profile
    井上 忠靖
    株式会社電通 データ・テクノロジー・センター

    1998年、株式会社電通総研入社。1999年、企業合併に伴い株式会社電通に転籍。2013年6月より現職。
    通信・放送領域中心に、市場分析から事業戦略立案支援のコンサルティングを長年手掛ける。
    電通総研「情報メディア白書」責任編集(2000~2012)。主な受賞歴 JAAA第43回懸賞論文(2014)・銀賞受賞。

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