「スマホと日本人」 #01

ビデオリサーチ+電通総研共同リポート「スマホと日本人」(前編)

  • 奥 律哉
    株式会社電通 電通総研 メディアイノベーションラボ統括責任者
  • Miwa
    美和 晃
    株式会社電通 電通総研 メディアイノベーション研究部 部長

“携帯電話を再定義する”を掲げてiPhoneが登場したのは2007年1月。
それから約8年で世の中にはスマートフォン(スマホ)があふれ返るようになった。スマホの登場で私たちの生活は大きく変わったが、具体的に何が変わったのか。ビデオリサーチと電通総研メディアイノベーション研究部による調査で、そのアウトラインが見えてきた。今、スマホと日本人はどう関わっているのか、その一部をリポートする。

事実1

スマホとガラケー、ティーンとF3以外の普及率は100%超

 

〈解説〉男性ビジネスマンはガラケーと2台持ち

2台持ちが最も顕著なのは、35〜69歳の男性。業務連絡はメールに加えて電話で行われることが原因と思われる。またスマホで各種文書を受け取って仕事のやりとりをする際も、従来型の携帯電話(いわゆるガラケー)所有が合理的なためか。これから消費を支える20〜34歳は約90%、ティーンも約70%がスマホを使う。今後も35歳以上の男性が引き続きガラケーを求めるのか、一定の留保は必要だろう。

〈調査チームコメント〉「1億スマホ時代」も間近

2014年4月以降は、スマホとガラケーを合わせた延べ所有率は個人全体で100%を超えています。直近の今年1月データではティーンとF3を除く全年齢層で1人当たり平均1台を超えました(1人で複数台を所有する人がいるため)。全国的にもほぼ同じ状況で、今後はガラケーもスマホタイプのプラットフォームに変わることを踏まえると、スマホの存在を抜きに生活者は語れません。

2010年5月〜13年5月は東京30㌔圏、14年4月〜15年1月は東京50㌔圏についてスマホの所有率を、12〜69歳の男女を対象に調査。

事実2

ティーンとM1は自室、F層はお茶の間で

〈解説〉朝、昼、夕〜夜の三つのピーク

ティーンと20〜34歳男性のM1は、自室にこもってスマホを使う。ティーンはスマホによるコミュニケーションと勉強の境界が曖昧になっているようだ。全体では、平日は朝の通勤時、昼時、夕方〜夜の三つの山があり、午後8〜12時がピークになるのは、全年齢に共通していた。また全年齢層とも、外出先よりも自宅で使っている時間が長かった。

〈調査チームコメント〉外出先よりも自宅での利用が多い

意外と思われるかもしれませんが、スマホの自宅利用時間が長いことが浮き彫りになりました。これは定量調査によって見えた側面で、他デバイスとの絡みなど詳細な調査を行っていく必要があることを示唆しています。20歳以上の女性で自室以外での利用が多いのは、家族との共用スペースで過ごす時間が多いことと関連すると思っています。

東京50キロ圏の男女(12〜69歳)のスマホユーザーを対象に、2014年10〜12月に行った。この他、土日は20〜34歳女性のF1の深夜外出先での利用が多いことなども分かっている。

ACR/exとは
「生活者属性」「商品関与」「メディア接触」の三つの視点に基づき同一調査対象者に向け、人、ブランド、メディアを多角的に捉えるリポート。ビデオリサーチが提供している。調査対象者は全国主要7地区約1万700人の12〜69歳の男女。東京50㌔圏内約4800人は1年間のパネル調査。
 
 

プロフィール

  • 奥 律哉
    株式会社電通 電通総研 メディアイノベーションラボ統括責任者

    1982年電通入社。主に情報通信分野について、ビジネス・オーディエンス・テクノロジー視点から研究開発を行う。著書に『ネオ・デジタルネイティブの誕生~日本独自の進化を遂げるネット世代~』(共著、ダイヤモンド社)、『情報メディア白書2016』(共著、同)などがある。

  • Miwa
    美和 晃
    株式会社電通 電通総研 メディアイノベーション研究部 部長

    入社以来、電通総研にて主に情報通信やデジタル機器・コンテンツ領域の調査研究や官・民のクライアント向け事業ビジョン構築作業とコンサルティングを実施。カメラ、ロボットから電子書籍まで幅広い分野を担当。2012年7月よりメディアイノベーション研究部にて情報メディア全般に関するプロジェクトに従事。2015年11月より現職。

バックナンバー

関連記事

続きを見る
ページ先頭へ