コンテンツマーケティングの現場から #13

あなたの仕事とコンテンツマーケティング

「コンテンツマーケティング」といったときに最近は、ウェブマガジンのようなものをイメージされるケースが増えてきました。確かに、定期的に記事をアップしているサイトを見ると、「あ、コンテンツマーケティングやっている」と思うこともあります。

でも、コンテンツマーケティングの本当のところは、「コンテンツによって顧客や潜在顧客にビジネスにつながるような行動を起こしてもらうこと」。コンテンツはウェブ記事に限りませんし、自分たちの言いたいことをウェブにアップし続けているだけでは、なかなか「マーケティング」にはなりません。また「ビジネスにつながる行動」は実際にあるのか、も考えなければなりませんし、それは必ずしも見積もりページや商品購入ページへのコンバージョンとは限りません(もちろんそれが最も分かりやすいのですが)。ウェブマガジンは基本形の一つではありますが、その背後には様々なコンテンツがあったり、コンテンツがウェブの外にきちんと流通していたり、その結果として各所で生活者とのつながりが生まれたり。そのような広がりがあって初めてマーケティング活動へのつながりをつくることができます。

コンテンツマーケティングは、具体的なメディアも限定されていないし、具体的なコンテンツパターンも見えないし、そもそもどういうときにどこからどんなアクションで取りかかればいいのか分かりにくいところがあります。それでは、コンテンツマーケティングはどんなときに取りかかるとよいのでしょう? いくつか例をあげてみました。

①マスメディアだけではなく、デジタルでのコミュニケーションも考えていきたいと思っている

コミュニケーションの主戦場をデジタルにした途端、毎日生活者とつながるAlways Onの状態に突入します。ここでは発信が滞るとすぐ人が離れていってしまいますし、自分の話ばかりしたり、ぶしつけに商品の売り込みなどをしたらあっという間に孤立してしまいます。どうやって生活者にアプローチするか。やっぱりコンテンツが大事。そしてコンテンツをずっと回し続けるためのPDCAプランが大事。生活者の声をとりいれる? 勇気を出して生活者からのコメントに応える? そんな瞬間。まさに、コンテンツマーケティングの始まりです。

②ブランドや企業のニュースを、オウンドメディアで発信していこうとしている

ブランドや企業に眠っている様々な情報。まずはそれを掘り起こすところから始まることが多いケースです。その情報が生活者にとって有益であることが大前提です。コンテンツの量が多く更新頻度が高ければ、そしてちゃんとコンテンツ更新の告知がなされていればアクセスも順調に増えていきますが、更新が停滞するとアクセスも下降に向かいます。恒常的に一定のアクセスをかせぎ続けるためにはどうしたらいいのだろう。そう考え始めたとき。あるいはアクセスが停滞しないよう初めからきちんと設計しなければと考えたとき。それこそがまさに、コンテンツマーケティングへの入り口です。

③会員を増やしたい。会員を楽しませたい

会員制サイトをうまく運営していきたい。会員を増やしたり、既存の会員を楽しませ活性化させたい。そういうときに重要なのは、ポイントやプレゼントだけでなく「コンテンツ」です。多様な会員の中で誰を楽しませたいか、誰にもっと参加してほしいか。と考え始めるとき。気づかぬうちにコンテンツマーケティングが始まっています。

このほか、潜在顧客を探しに行く、顧客のデータを貯めたい、CRMをちゃんとやっていこう、など、一見コンテンツとは関係ないとみえるマーケティング課題においても、最後に生活者との接点をつくり、生活者を動かすのはやっぱりコンテンツ、つまり「相手にとって有益で説得力のある情報」です。

さて、いま皆さまの目の前で動いている仕事はいかがでしょうか。

プロフィール

  • Gunji akiko pr
    郡司 晶子
    株式会社電通デジタル 執行役員

    1992年電通入社。クリエーティブ局で、広告・キャンペーンの企画作業に従事した後、コンテンツマーケティングの領域に携わる。現在は、日用品・ファッション・自動車・レジャー・住宅などの業種で、ブランドエンゲージメント、CRM・ロイヤルティ向上の支援、コンテンツを起点とした顧客獲得支援などを目的に、コンテンツ戦略・企画・制作・運用のディレクションを行っている。
    2014年「コンテンツマーケティング27の極意」(翔泳社)、「エピック・コンテンツマーケティング」(日本経済新聞出版社)の2冊を共訳。講演歴は、2013年、2014年のWOMマーケティングサミット、Outbrainパブリッシャーズセミナー、Web&モバイルマーケティングExpo2014秋、2015 ad tech TOKYO internasionalなど。

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