企業の未来のためにできること #03

イノベーション・アイデアの創出のために

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    朝岡 崇史
    株式会社電通デジタル エグゼクティブ・コンサルティング・ディレクター

STEP1 企業価値を高めるために、ご一緒にわくわくしましょう

第3回 イノベーション・アイデアの創出のために

 

電通流のアイデア発想プロセスそのものをご提供する「パワーセッション」

 

事業経営とマーケティングを“一気通貫”で再構築するには、イノベーション・アイデアの創出が欠かせません。そこで生かされるのが、電通のDNAとも言うべき右脳発想です。

独創的で突破力のあるアイデアは、一握りの天才しか思いつかないもの。そんなふうに捉える方が多いかもしれませんが、すぐれたアイデアは誰からでも生まれます。大切なのは発想の「コツ」と「プロセス」です。

広告を制作するとき、電通のクリエーターは企業の未来、事業の未来、そして人々の未来まで考え、さまざまな視点でアイデアを構築していきます。その過程自体は職人による属人的な技術にとどまり、可視化されないものですが、クリエーティブの現場で培った発想プロセスを「見える化」することで、ビジネスのイノベーションにつながるアイデアを生み出すことができます。

コンサルティング室の小西圭介君が著書で述べているのですが、以前のブランディング手法は、製品にイメージ上の付加価値をつけ、顧客をひきつけるという“形容詞のブランディング”でした。これからは、顧客コミュニティ(人)を中核に、共有された目的実現に向けて共に価値を生み出していく“動詞のブランディング”が欠かせません。顧客が共感できるような価値を提示し、体験され、満足情報がソーシャルメディアを通じて拡散していくことで、ブランド価値が高まっていきます。

顧客のコミュニティが大きくなればなるほど、わくわくさせるためには、左脳でロジカルに組み立てられた仮説と、右脳型の発想の相互作用が必要になります。そこで注目していただきたいのが、電通式の「ぐるぐる思考」です。これは「感じる→散らかす→発見→磨く」という4つのプロセスを、専門のファシリテーターのリードの下に右脳と左脳でぐるぐるさせ、グループワークでアイデアを練り上げる手法です。この手法をコンサルティングに応用することで、さまざまな課題解決の道筋が見えてきます。

4つのプロセスで、もっとも難しいのは「散らかす」です。「感じる」ことはできても、「散らかす」のは難しい。「散らかす」ことができれば、「発見」「磨く」と比較的スムーズに流れていきます。

たとえば、「ある企業の5年後のブランド・ビジョンを描く」というミッションがあったとします。左脳思考でロジカルに考えるだけでは、なかなか先に進めませんが、4つのプロセスを用意することで突破口が見えてきます。問題は、そのときの「散らかす」をどうするかですが、例えばまったく畑違いの人をグループのメンバーに加え、化学反応をおこさせる手法が有効になるケースがあります。

ゲーム会社のクリエーター、高原野菜の栽培農家、宇宙開発の技術者など、ユニークな属性を持つ人がメンバーに入って議論に加わると、従来のビジネスの延長線上にはないものの見方、考え方が加わり、論の衝突が活発になります。こうした場を設けることが、「散らかす」につながっていくわけです。

 

多様性を生かして尖度のあるアイデアを生み出す

 

電通には、世界最大級の独立先端研究機関「SRIインターナショナル」の方法論を加え、進化させた独自のメソッド「パワーセッション」があります(STEP3で詳しく解説します)。これは「マネジメント」「チーム」「プロセス」という3つのステップで構成される、イノベーション・アイデアを導くための手法です。前述した畑違いの人を起爆剤とする化学反応は「チーム」に含まれる取り組みです。日本の企業は、あるプロジェクトを遂行しようとするとき、同質で濃いチームをつくりがちですが、それではなかなか「散らかす」のが難しくなります。あえて異能な人間を集めるところに、大きな意味があります。

「パワーセッション」を行うときは、クライアント企業のなかで組織横断のタスクフォースチームを編成していただき、いろんな部署からメンバーを人選するのがポイントです。経営企画の人、宣伝の人、営業の人、経理の人……。事前に経営トップの思いを聞き、ユーザーの声をヒアリングし、自社ブランドについての幅広い情報をインプットし、全員が同じ基盤の上にのってもらう。そこから「ぐるぐる」を繰り返し、イノベーション・アイデアを導いていくのです。

アイデアの源泉は誰にでもあります。それを掘り当てられる環境をつくれるかどうかが問題なのですが、ほとんどの場合は埋もれたままで、実にもったいないと思います。電通流のメソッドを使えば、鉱脈を掘り当てる確率を高められます。また、この手法は、ブランディングだけでなく、新製品の開発、新しい営業手法の提案など、ビジネスのさまざまな課題解決に有効です。

プロフィール

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    朝岡 崇史
    株式会社電通デジタル エグゼクティブ・コンサルティング・ディレクター

    エクスペリエンス・デザインを専門とするコンサルタント。
    大学生時代は東大野球部で選手・主務として活躍。
    1985年、電通入社。クライアント企業の経営層と向き合い、電通らしい右脳型のアイデアを武器に事業やブランドのコンサルティングを提供するソリューション型サービスを実践。ブランドコンサルティングを行うコンサルティング室長を経て現職。日本マーケティング協会(JMA)のマーケティング・マスターコース・マイスター(2011年~)。
    著書に「拝啓 総理大臣殿 これが日本を元気にする処方箋です」(東洋経済新報社 共著 2008年)「エクスペリエンス・ドリブン・マーケティング」(ファーストプレス 2014年)、「IoT時代のエクスペリエンス・デザイン」(ファーストプレス 2016年)がある。

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