US発★米テレビ アップフロント不振補う「スキッャターマーケット」が伸長

9月からスタートする米テレビ新シーズンに向けてネットワーク各局が番組編成発表とCM枠の先行販売を行う「アップフロント」が、今年はリーマンショックから回復に向かい始めた2010年以降で最も不調だった、とアドエージが報じている。それを補完するのが、アップフロントで売れ残った広告枠を後から分割して売る「スキャッターマーケット」で、各局広告収入の20~25%を占める。スキャッターマーケットの売り上げが伸びていることにより、各局幹部らは、長期的にはCM収入の落ち込みを取り戻せると楽観視している。

企業の広告支出データを専門とするリサーチ会社スタンダード・メディア・インデックスによると、7月のテレビ業界のスキャッターマーケット売上高は、FOXのサッカー女子ワールドカップの好調などで前月比54%の増加を記録した。CBSコーポレーショのレスリー・ムンベスCEOは8月初旬、投資家らに対して、スキャッターマーケットでの成長により、傘下のCBSテレビが第3四半期に急激に業績を伸ばしていると述べた。さらに、CM価格はアップフロント比で2桁台の割合で上回っており、今後もそれが続くと確信していると語った。同コーポレーションのジョー・イアンニエロCOOによれば、スキャッターマーケットで積極的なのは、自動車企業と製薬企業だという。

ウォルト・ディズニーのクリスティーヌ・マッカーシーCFOは8月、傘下のABCのスキャッターマーケット売上高について、CBSよりも控えめに評価しつつ「CM価格はアップフロント時をやや上回っている」とアナリストらに述べた。 NBCの親会社コムキャストは、直近の業績発表でスキャッターマーケットについて言及しなかったが、関係者によれば、グループ各社の中で「サンデーナイト・フットボール」と「ザ・ボイス」が2大けん引力となっているNBCの売り上げが特に目立っているという。

バイヤー側の調査によると、番組別で秋シーズンにスキャッターマーケットでの買い付けが集中しそうなのは、NBCの「ザ・ボイス」、FOXの「Empire 成功の代償」、CBSの「ビッグバン☆セオリー」、ABC木曜夜のラインアップ、NFL(米プロフットボールリーグ)の中継など定番のヒット番組だ。

ただ不振だったアップフロントでの売り上げをスキャッターマーケットが支えるとはいっても、テレビ業界にのしかかるさまざまな外的要因が長期的にどう影響するかは予測できない。例えば、18~24歳を中心とする若年層が非従来型メディアに移行することで、テレビのライブ視聴は減少しており、さらにネットフリックスなどの動画配信サービスが、テレビに追い打ちをかけている。8月にはケーブルテレビの契約解除数も一因となって、メディア株は700億ドル以上市場価値を下げた。

しかし、第2四半期にスキャッターマーケットの売り上げ記録を更新したディスカバリー・コミュニケーションズのデビッド・ザスラフCEOは、「第4四半期の予測は時期尚早だが、市場は確実に上を向いており、視聴率も稼げている。これが持続するとはいえないが、現況は満足できる状態」と述べている。

 

出典 Ad Age
Scatter Matters: Late Money Pouring Into TV

関連記事

続きを見る
ページ先頭へ