そのとき、大分は“巨人”の脅威にさらされた。

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    三浦 僚
    電通九州 コミュニケーションプランニング局 プロデューサー
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    島田 忠
    大分県芸術文化スポーツ振興財団 大分県立美術館 企画広報課長

大分市の大分県立美術館で開催された「進撃の巨人展 WALL OITA」(8月1〜30日。主催=「進撃の巨人展」大分実行委員会<大分県立美術館、TOSテレビ大分>)。

巨人をはじめ調査兵団などのキャラクターたちは美術館を飛び出して、まちなかの商店街にも“進撃”した。展覧会を核に地域ブランディングを展開し、街の活性化にも大きな成果を収めたこの企画。
一大ムーブメントとなったその背景、成功要因や手応えなどについて、同美術館の企画広報課長・島田忠氏とプロデュースを担当した電通九州の三浦僚氏に聞いた。

(左から)三浦僚氏、島田忠氏

 

“巨人”という旗の下、

地域、商店街が心を一つに

 

―「進撃の巨人展」開催のきっかけは?

島田:当館は今年4月に開館したのですが、マンガ展の企画は3年ほど前から出ていました。人気マンガ「進撃の巨人」はとても影響力のあるコンテンツで、その作者・諫山創先生は大分県出身。ぜひ、地元で開催したいと考えました。また、TOSテレビ大分の45周年企画の一環として位置付けていただいたことも、実現に向け大きな後押しになりました。

高さ5メートル、迫力たっぷりの実物大の巨人(大分県立美術館)Ⓒ諫山創・講談社/「進撃の巨人展」製作委員会

 

─街の商店街を巻き込んでの一大イベントになりましたね。

三浦:美術館の開館と同時期にJR大分駅に駅ビルが開業し、美術館周辺の商店街と一緒に盛り上げていこうという機運がありました。これまでも小さなアイデアはあったのですが、なかなかまとまらなかった。そこに大きなコンテンツがやって来る。 “巨人”という大きな旗の下に、みんなが心を一つにした。駅から美術館までを“巨人祭り”にしようと。これは画期的なことで、街の活性化に大きく貢献したと思います。

商店街を“飛ぶ”調査兵団

 

島田:正直、進撃の巨人は少し特殊なコンテンツですので、不安もありました。でも、マンガファンだけでなく世代を超えて街中が本当にお祭りモードで。入館者数は予想を大きく上回りました。

 

この実績を財産に、

さらなる地域活性化の企画を

 

─街全体で取り組む中、印象に残ったことはありますか?

島田:商店街にウォールマチナカという自由にメッセージを書けるスペースをつくったんです。そこに九州全域をはじめ、中国、四国、さらに東京、大阪や遠くは青森など各地の方からのメッセージが残されている。地元の人も注目の高さを実感し、企画次第で街が活気づくことを実感したと思います。

ウォールマチナカには壁いっぱいのファンからのメッセージが
進撃の巨人のTシャツを着てお祭りムードを盛り上げる商店街の人々

三浦:案内所では、商店街にちりばめられたフォトスポットを巡る街歩きルートを観光客に紹介し、回遊誘導をうまくやってくれましたね。街の皆さんそれぞれのモチベーションが高まっていました。

─大分の地域ブランディングという観点からはいかがですか?

島田:大分観光というと、別府、由布院といった温泉イメージが一般的。それが「大分の街も面白い」と若い層を中心に感じてもらえたと思います。

また、県ではアートに力を入れていて、大分市内では公園のトイレをケーキに見立てた作品など、トイレを舞台にしたアートフェスティバル「おおいたトイレンナーレ」を展開しています(9月23日まで)。同時期に進撃の巨人展を開催したことで、アート県としても強いインパクトを与えたと思います。

三浦:官民を巻き込んだ今回の成功は、大きな財産になりました。これをチャンスにして、今後もさまざまな企画で地域ブランディングに取り組んでいきます。

島田:開館後の3カ月はいわゆる美術展で、次の企画が“巨人”。振り幅が大きく、美術館への期待感が高まりました。これからも予想を超えた企画で大分を盛り上げていきたいですね。

 

プロフィール

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    三浦 僚
    電通九州 コミュニケーションプランニング局 プロデューサー

    フィールドプロモーション領域を中心に、企業・自治体のさまざまな課題解決に取り組む。
    主な仕事に、九州新幹線「祝!九州」「ドリカム新幹線」、鶴屋百貨店「人とモノのものがたり展」など。

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    島田 忠
    大分県芸術文化スポーツ振興財団 大分県立美術館 企画広報課長

    2014年4月から現職。
    今年4月に開館した大分県立美術館(OPAM)の開館準備業務や広報活動に従事。
    同館コンセプトの「出会いと五感のミュージアム」の実現に向けた美術館事業に取り組んでいる。

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