全日本シーエム放送連盟(ACC)は10月31日、第53回「ACC CMフェスティバル」の贈賞式を東京・千代田区の有楽町朝日ホールで開いた。

冒頭、あいさつに立った高田坦史理事長は「アベノミクスにより広告市場に回復の兆しが見られ、東京オリンピックの開催も決まった。見通しは明るくなっているが、CMを取り巻く状況は大きく変化している。CMに求められるものも変化する中、今年の受賞作品は時代を超えるCMの力を見せてくれた。クーベルタン男爵の言葉にもあるように、大事なことは勝つことではなく悔いなく戦うこと。今年の参加者は皆、CM界のオリンピックともいうべきACC CMフェスティバルで、十分に競い合い悔いなく戦ってくれた」と述べた。

続いて、CM界に顕著な貢献をした個人を顕彰する鈴木CM賞が永田圭司氏(前ACC理事長/元キヤノンマーケティングジャパン常務コミュニケーション担当)に贈られた後、クリエイターズ殿堂入りした故内田建太郎、大林宣彦、小林亜星、故高杉治朗の4氏が紹介された。代表してあいさつした大林氏は「CMはジャーナリズムだ。テレビの中核を成す大きな力を持っている。その意識を持って、モノ、カネ、利便性による豊かさではなく、心の豊かな日本文化を育てていくというアーティスティックなジャーナリズムを追求してほしい」と語った。

 

 

 

 

CM作品の表彰ではテレビ、ラジオ、マーケティング・エフェクティブネス(ME)部門の全応募2097点の中から選ばれた各賞が紹介された。入賞作品はACCのホームページで閲覧できる。
http://www.acc-cm.or.jp/festival/13fes_result/index.html

ME部門はダイハツ工業「ムーヴ『その進化は事件だ。』~新型ムーヴ導入キャンペーン」(博報堂)がグランプリ。審査委員長の作詞家・秋元康氏は「グランプリ作品はドラマ仕立ての法廷劇。よくある手法だが、視聴者も含めて立場によって言いたいことが異なるという広告の特性を、法廷という設定で巧みに表現したクオリティーの高さが光った。広告は、これまでになかった新しいアプローチを模索する時代から、新しい手法でなくてもそれ以上の価値を見せてくれる高いクオリティーで人の心を捉えるようになってきたと思う」と話した。

ラジオ部門のグランプリは、ワコールの企業広告「まったく同じナレーション」(電通)。審査委員長を務めた電通の澤本嘉光エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクターは「ラジオは想像力で絵を描くもの。平たく言えば、音から妄想するということ。グランプリ作品を聞くと、いかに自分が人間として恥ずかしいかが明確になるだろう」と会場の笑いを誘う前置きで、作品を紹介した。
そのグランプリ作品がこちら↓

NA①: ワコールから、すべての女性の皆様に。ブラジャーのお知らせです。
NA②: (~♪)

右にズレたり、左にハミ出たり、していませんか?
守ってあげたい、2つのデリケートなふくらみ。
大きいか小さいかなんて、関係ない。
あなたの大切な場所を、
手でやさしく包み込むように、ホールドします。

NA①: 続いて、すべての男性の皆様に。
まったく同じナレーションで、メンズパンツのお知らせです。
NA②: (~♪)

右にズレたり、左にハミ出たり、していませんか?
守ってあげたい、2つのデリケートなふくらみ。
大きいか小さいかなんて、関係ない。
あなたの大切な場所を、
手でやさしく包み込むように、ホールドします。

NA①: すべての製品に、同じだけの思いやりを。ワコールです。
 

テレビ部門はナイキジャパンのナイキベースボール「宣誓」編(Wieden+Kennedy Tokyo)がグランプリを受賞。審査委員長のTUGBOAT・岡康道クリエイティブディレクターは「審査基準は明確にCMのメッセージ、その力。去年の22人から10人に審査員の数を減らし、議論を尽くした」と語った。

グランプリ作品には、新藤義孝総務相から総務大臣賞が贈賞され、ダイハツ工業の三井正則社長、ワコールの安原弘展社長、ナイキジャパンのカール・グリバートGM/プレジデントが受賞の喜びを語った。(写真は左から、ダイハツ工業の三井社長、新藤総務大臣、ワコールの安原社長、ナイキジャパンのグリバートGM/プレジデント)

また、「CMにおける優秀な演技」に対して贈られる演技賞を受賞した俳優の松田龍平さん(エイベックス・エンタテインメントのdビデオ「BAR」編他に出演)と大内田悠平さん(ナイキジャパンのナイキベースボール「宣誓」編に出演)も登場し、会場を盛り上げた。

 

関連記事

続きを見る
ページ先頭へ