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中国発★アリババ「独身の日」は壮大なエンターテインメントに グローバル企業の参加に注力

2015/11/23

    中国Eコマース最大手のアリババは、同国で「独身の日」とされる11月11日に恒例の大型セールイベント「双11」(ダブルイレブン)を実施し、24時間で143億ドルの総取引額を達成した。

    7回目となる今年は、中国の経済成長率が過去6年間で最低水準まで落ち込んだ中での開催となった。しかしアドエージによると午前0時の開始から半日で昨年の取引高(93億㌦)を上回り、最終的には前年比6割増を記録した。利用端末別では、携帯端末経由の取引が増加し、取引額全体の約68%を占めた。昨年は約43%だった。

    アリババは、今年の同イベントを「グローバル・ショッピング・フェスティバル」と銘打ち、海外ブランドの拡充に注力。P&Gやユニリーバ、エスティローダー、GAP、ZARAなどが参加した。全体では、約4万店の小売業者から約3万ブランドが販売された。

    売上高ランキングで見ると、首位はスマートフォンメーカーの小米(シャオミ)、2位は通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)、3位は家電量販の蘇寧雲商集団と上位を中国企業が占めた。4位がユニクロでアパレル部門および海外ブランドでトップとなった。他には、デンマークの衣料品ジャック・アンド・ジョーンズが12位、ナイキが16位に入った。

    ただ、参加ブランドは「双11」で大幅な値下げを求められるため、販売量の拡大に対して利益は伸び悩む。独スーパーマーケットのメトロ・キャッシュ・アンド・キャリーは「利益を削っていることは事実だが、顧客への理解を深められるなどのメリットがある」と説明するなど、知名度向上などの利点がるとの意見もある一方で、プロモーションの場としてあまり適切ではないとの見方もある。

    「双11」は2009年、独身の日にちなんでアリババが自分への「ごほうび」を買う日として始めたイベント。今や国を挙げての祭典となり、今年はカウントダウンイベントが実施され、俳優のダニエル・クレイグやケビン・スペーシーらが創業者のジャック・マー氏とステージに立ち、映画「スター・ウォーズ」に登場するストーム・トルーパーが行進するなど、壮大なエンターテインメントとしての側面も加わった。また、中国2位のEコマース企業JD.com(京東)のほか、米ウォルマートが運営する通販サイト「1号店」、アマゾン中国などもセールを展開した。

    「双11」のイベントに登場したストーム・トルーパー(Credit: Alibaba Weibo )
    出典 Ad Age
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