消費FORESIGHT 生活者意識で読み解く今日と明日 #01

消費増税“折り返し地点”の生活者意識

  • Matsumoto y profile
    松本 泰明
    株式会社電通 電通総研 ヒューマン・スタディーズ・グループ 主任研究員

2014年4月に5%から8%に上がった消費税は、17年4月には10%に再増税します。さしずめ、今は「増税後」から「増税前」への折り返し地点といえそうです。増税から約1年半の間に生活者の消費意識はどのように変化したのでしょうか。

消費増税による消費意識の冷え込みがはっきりとし始めたのは、14年の夏ごろです。4~6月のGDPの不調や円安に伴う商品の値上げなどが、消費意識にも影響しました。「電通 消費マインド調査」(14年9月調査)での「増税前の水準に消費を戻すのはいつか」という質問を見ると、「増税直後から変化はない」と答える人が3割強なのに対し、「増税前の水準に戻ることはない」と答えている人は4割に達しています。

この基調が回復し始めたのは今年の春ごろからです。バブル以来の株価やベースアップ、ボーナスの好調などのニュースは生活者意識も明るくしました。今年9月に行われた同調査のスコアを見ると増税前の水準に「戻らないと思う」と答える人は、3割強まで下がっています。

では、これからどうなるかを少し考えてみましょう。8%増税前の消費動向を鑑みると、家電などの耐久財は来年の12月ごろ、食品や日用品などは再来年3月の最後2週間くらいがピークとなりそうです。とはいえ、生活者もすでに一度、増税を経験していますので、前回のような、やみくもなまとめ買いは少なそうです。

その一方で、生活者の心理的な圧迫感は「5%から8%」に上がるときよりも「8%から10%」の方が大きいという調査結果もあります。生活者は消費税が「2%分増えた」ではなく「1割になった」と考えるようです。増税後の消費の落ち込みが前回以上に厳しくなるならば、10%時代に向けたさらなる対策が必要になります。価格競争に陥らないような、付加価値のある商品を開発・育成する時間は、今ならまだあります。すでに今は「増税前」です。10%時代に向けては早過ぎることはないのです。


消費マインド調査の詳細はこちらからご覧になれます。dii.dentsu.jp/

プロフィール

  • Matsumoto y profile
    松本 泰明
    株式会社電通 電通総研 ヒューマン・スタディーズ・グループ 主任研究員

    1999年(株)電通入社。主にマーケティング関連局で、食品・飲料、酒類、家電、保険、金融など様々な業種のクライアントのアカウントプランニング作業に従事。その後、2010年に(株)メディア・シェイカーズのM1・F1総研®の主管研究員として、2~30代の消費者心理について研究。2013年より電通総研にて、消費潮流分析、話題・注目商品などを担当。【専門分野】消費潮流、消費トレンド

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