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クックーのおいしいお仕事No.9

クリエーターは、なぜおやつにうるさいのか?

2015/12/11

有名シェフの帽子から生まれた不思議な生きもの、クックー。お料理大好き! 食への好奇心が止まらないクックーが、電通で「おいしいお仕事」をしている人たちにインタビュー!

クックーのおいしいお仕事 コニシマリさん

クックー:本日ご紹介するのは、電通第5クリエーティブプランニング局(以下5CRP局)でクリエーティブディレクターをしておられるコニシマリさんです。

コニシ:こんにちは。電通5CRP局、おやつ向上委員長のコニシです。

クックー:おやつこうじょうイインチョウ? 電通にはそんな委員会があるんですか?

コニシ:うふふ(笑)。自主活動ではじめた委員会です。電通のCRP局にはね、3時になると、フロアにおやつが置かれる習慣があるの。ふだんはスナック菓子が中心なんだけれど、月に一度、テーマを決めて豪華なおやつを楽しむ日をつくったんです。名付けて、おやつ祭り。これがおやつ向上委員会の活動です。

クックー:えー!  仕事中におやつを食べられるんだ! いいですね〜!

コニシ:私たちの仕事は、毎日新しいアイデアを出し続けること。でもアイデアって、デスクでパソコンに向かい続けていても出てこないでしょう。

考える合間に同僚と会話したり、甘い物をつまんだりする。そうやって頭を切り替えることで、企画のヒントをつかめることもあるんですよね。だからおやつの時間にも時々リッチな変化を加えることで、仕事にいい影響が生まれるんじゃないかと思ってね。

クックー:おやつがアイデアのヒントになるなんて!  そんな職場なら、ボクも働けそうです!  今までどんなおやつ祭りがあったんですか?

コニシ:メロンパン祭りに、バナナ祭りに、大福祭りなど。何十種というおやつをテーマにしてきました。毎回、自分が一番おいしいと思う商品を買ってきて、分けっこして食べるの。定番品から流行品まで自分たちの舌で実食調査して、ベストオブおやつをディスカッションします。それは真剣におやつと向き合っていますよ。これが歴代のおやつ祭り告知ポスター。

おやつポスター1
おやつポスター5
おやつポスター9
おやつポスター13
おやつポスター2
おやつポスター6
おやつポスター10
おやつポスター14
おやつポスター3
おやつポスター7
おやつポスター11
おやつポスター15
おやつポスター4
おやつポスター8
おやつポスター12
おやつポスター12
ポスター:沼澤祐治(5CRP局)



クックー:わー!! すごい数のポスター。ぜんぶ数字の3になってる!

コニシ:おやつの時間は3時ですから。アートディレクターが撮影&デザインしてくれています。若手のコピーライターたちは、おやつにまつわるエッセーを書いて、おやつ祭りの案内メールとして局員に送ります。彼らには、日頃関わりのない局員の人に、コピーの力をアピールするチャンスでもあるのよ。

クックー:おやつを通して、CRP局に、いろんなつながりが生まれているんだ!おやつって、おいしいものを食べるだけの時間かと思っていたけれど、人と人がつながる場にもなるんだなぁ。コニシさんは、どうしてこんな取り組みをはじめたのですか?

コニシ:入社当時から、食品メーカーさんのレシピ提案広告を担当していたのがきっかけです。食にまつわるプロの方々と、レシピを考え、広告を作りあげていくのですが、メニュー一品を決めるにも、すごい数のディスカッションを重ねるの。

おいしいものを介したディスカッションって、会話がはずむし、人と人とのつながりを、深く広くしてくれるんですよね。そういう場が、職場にもあれば、新しい仕事や能力の開発にもつながると思って。

クックー:そんなきっかけがあったんだぁ。

クックーとコニシさん

コニシ:あとね、私、祖父が板前さんをやっていたんです。学生時代は祖父が作ってくれたお弁当をもって学校に通っていました。そのせいか、おいしい物には目がなくて。

クックー:おじいさまがお弁当を?! プロの板前さんの料理を毎日食べていたなんて、うらやましい! そういえばコニシさんご自身も、お弁当の腕が超一流とお聞きしたことがあります。なんでも本に掲載されたとか!

コニシ:プロの方にはとてもかないませんが、本に掲載していただいたお弁当は、私の専門をいかして、お弁当をアートディレクションしたものなんです。

クックー:お弁当をアートディレクション??

コニシ:見て楽しいお弁当と言えば分かりやすいかな。お弁当をキャンバスにして、風景を再現したり、自然の美を表現したり。食べておいしいのはもちろん、開いたときに驚きのあるお弁当を考えるという企画に参加して作りました。

ブルゴーニュの風景
ブルゴーニュの風景
きもの
きもの
おべんとうの本表紙
『見せたくなるお弁当100』(遠山正道+おいしい教室委員会/文藝春秋)にも掲載されています
プロバンスの風景
プロバンスの風景
帯
おべんとうの本
“空と草と土”のお弁当

クックー:まるで絵画を見ているようです…。ふだんからこんなお弁当を食べているのですか?

コニシ:いえいえ。普段は“おにぎらず”などのお弁当を娘にもたせていますよ(笑)。ただね、義務として作り続けているとお弁当づくりってつらくなるものです。母親として、クリエーターとして、お弁当づくりをもっと楽しみたい。そう思ったのがきっかけです。

仕事も家庭も忙しいからこそ、そのなかに楽しみを作り出したい。そういう意味では、食はいちばん身近なストレス解消であり、アイデアの源なんですよね。

クックー:コニシさんにとって、食は食べる以上のおいしさに出合える場なんですね。

コニシ:そうですね。クックーにも会えたしね!

【クックーMEMO】おやつをみんなで食べる。コミュニケーションの原点は、子どものころに学べるものかも。