US発★NYタイムズがVRアプリ 「グーグル・カードボード」と協働

米ニューヨーク・タイムズ(NYT)は11月上旬、仮想現実(VR)に対応した動画配信アプリ「NYT VR」をリリースした。

アドエージによると、NYT印刷版を購読する100万以上の世帯に、グーグルの段ボール製VRゴーグル端末「グーグル・カードボード」を配達し、別途電子メールでVRコンテンツを視聴できるコードを送信。リリース後4日間で同紙のアプリとして最多のダウンロード数を達成した。ユーザーは、動画視聴時間としては異例の平均15分を費やしているという。

「NYT VR」のオリジナル動画第1弾は、戦火と難民危機に生きる子どもたち3人を描いた11分間のビデオ「The Displaced」(追放された者)。映像監督のクリス・ミルク氏率いるVRコンテンツ制作会社「Vrse」が制作した。NYT編集主幹のディーン・バケット氏は「最先端のVRコンテンツで、本紙ならではのシリアスで、パワフルなストーリーを届けることができた」と語った。NYT雑誌版編集長のジェイク・シルバーステイン氏も「VR技術の力によって、読者の共感をいっそう呼び起こせる」と評価している。

「NYT VR」のスポンサーとなったのは、独BMW傘下のミニと、ゼネラル・エレクトリック(GE)の2社で、両社とも「NYT VR」向けの動画を提供。

ミニはドラマ仕立ての6分間動画2本を提供。1本目は、ミニで逃走する宝石窃盗犯を描いた作品「バックウォーター」。小型ボートから埠頭を見上げるシーンや、乱闘でダイヤモンドがぶちまけられるシーンなど、360度パノラマのVR映像を駆使。もう1本の動画「レアルメモリーズ」は、記憶喪失になった男が廃墟となった高級マンションの1室で記憶を取り戻そうとするストーリー。どちらの動画も、ストリーミング配信サービス「スポティファイ」や、ミニの車載システム「MINIコネクテッド」に対応している。これらの動画は「NYT VR」の他、ミニのウェブサイトや動画投稿サイトのユーチューブでも公開された。

GEは、NYTの科学欄に掲載された記事を基に、自然と産業発展の関係についての約2分半のVR動画「ネイチャー・オブ・インダストリー」を提供した。NYTの社内コンテンツマーケティング部門「Tブランド・スタジオ」が、ハリウッドのVRプロダクション「フレームストア」の協力を得て制作した。

これらのコンテンツが視聴できる端末「グーグル・カードボード」がNYTの読者に届いた週末、写真共有サイトのインスタグラムには「#NYTVR」のハッシュタグによる投稿があふれた。NYTの最高収入責任者であるメレディス・コピット・レビアン氏は、「最新技術を駆使したVR視聴端末(グーグル・カードボード)を100万人の読者に配達するのに、164年の歴史を持つ紙媒体の販売網が有効だというのは大きな皮肉だ」とユーモアを交えて「NYT VR」第1弾の成功を喜んだ。

Ad Age
NYTのVRアプリ (courtesy of the New York Times)
出典 Ad Age
The New York Times Introduces Virtual Reality Project With Google Cardboard

 

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