デジタルときどきグローバル #15

サラリーマンはMITの夢を見るか?
(MIRAIハッカソン・前編)

  • Yasuharusasaki2013s
    佐々木 康晴
    株式会社電通 第4CRプランニング局 局長/エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター/デジタル・クリエーティブ・センター長

みなさんこんにちは。ちょっと前の9月のお話ですが、マサチューセッツ工科大学(MIT)のMedia Labに行ってきました。ここで、「MIRAIハッカソン」というイベントに参加するためです。MIT Media Labのメンバー(スポンサー)になっている企業の人たちと、MITの学生、研究生、先生たちが交流しながら、3日間でなにか作ってしまおう、という、いかにも楽しそうなお話。MITの研究者や学生たちの主導で実現したすてきな企画です。実は弊社もMIT Media Labのメンバーになっているので、このようなチャンスが巡ってきたというわけです。

MIT Media Labのなかには、何やら楽しげなデバイスだらけ。
あれもこれも投げ出して、もいちどちゃんと勉強したい。

 

しかーし! そのイベントに「面白そうなので、ぜひ行きたいっす!」なんて無邪気に手をあげたのはいいのですが、いざ、決まってからプログラムを見ると、佐々木の仕事が2つ割り振られていて…。「教授・研究生・学生に対する講演」と「ハッカソンのグループリーダー」…。ちょ、ちょっと。他に講演やリーダーを務めるのが、明和電機の土佐信道社長、東大の暦本純一教授、そしてライゾマティクスの真鍋大度さんに石橋素さん。そこに佐々木ですわ。あのーすいません、ひとりだけ一般市民サラリーマンが混じってますよ…。

思い起こせば学生時代、情報科学を学んでいた僕にとって、MITはあこがれの場所でした。夜中の研究室にて論文を読みあさり、大学生協で買った頭脳パンをかじりながら、今何をどうすればこういう海外の最先端の研究所に行けるんだろうと焦燥感だけを募らせて、いつかMITで学びたいと夢を見ていました。しかし何のアクションもできずに、結局サラリーマンになった。そんな僕にとって、このイベントは逃れられない過去の自分との邂逅ともいえるでしょう。いや、すいません、そんな大げさなことじゃないでしょう。しかし今の自分がMITの皆さんに講演できることなんてあるんだろうか。広告という俗世間にまみれた表現の話が、アカデミズムとしての価値や真理を持ちうるのだろうか。ちょっと悩みました。

でも、プレゼンのスライドを作りながら確信したのは、表現としてはおバカな企画ばかりですけど、今僕らがやっているこの仕事は、間違いなくコミュニケーションの未来を創造しているんだ、ということ。納期やら雑務に追われて、やっていることを体系化しきれていないところがあるのは、もと理系としては歯がゆい限りだけど、どこかにある理想のコミュニケーション世界に向かって、毎回必ず新しい試みをして、ものすごく多くの人に表現を見てもらって、そしてそこに発見があるのが、この仕事。ですよね?みなさん。

実際のMITでのプレゼンは、やっぱり変な汗出まくりで、うまくいったかどうかはわかりませんが、若い研究者や学生のみなさんに、少しでも僕らの仕事の面白さが伝わっていたらいいな。そして他のすごいメンバーの講演も聞いて、先生方や研究者のみなさんのお話を聞いて、僕は改めて、今やっているこの自分の仕事をちゃんとアカデミックに捉え直してみようと思ったのであります。20年前に見た夢のつづきを見よう。

とまあ、なんやかんや言いましたけど、今回、僕がMITを目指したのは、そんな自分との邂逅もさることながら、MITのあるボストンに存在するといわれる、おいしいラーメン屋と、おいしいロブスターを食べるためであるということは、上司には内緒です。そして、おっさんサラリーマンの夢の話ばかりで、とても楽しかったハッカソンのことが1文字も書けなかったので、そこはまるっと次回に続きます!

ロブスターの参考画像です。実際に食べたやつじゃないですってば。
イメージですってば。

プロフィール

  • Yasuharusasaki2013s
    佐々木 康晴
    株式会社電通 第4CRプランニング局 局長/エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター/デジタル・クリエーティブ・センター長

    1995年入社。コピーライター、インタラクティブ・ディレクターなどを経験した後、2011年からニューヨークに出向。帰任した現在もCDCとDentsu Aegis NetworkのExecutive Creative Directorを兼任し、グローバルとデジタルの間で、日々面白いものをつくろうともがいている。カンヌ金賞やCLIOグランプリ、D&ADなどの広告賞を数々受賞し、審査員経験も多い。2011年クリエイター・オブ・ザ・イヤー・メダリスト。

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