電通、世界主要都市のデジタルサイネージに
リアルタイムでコンテンツを配信するサービスを開始
2016/01/06
電通は1月6日、9つのグローバルネットワーク・ブランドの1つでOOH(屋外・交通広告)領域を専門とするPosterscope(ポスタースコープ)と連携し、Posterscopeが展開しているEMEA(ヨーロッパ・中東・アフリカ)、Americas(米州)、APAC(アジア太平洋)それぞれの主要都市(ロンドン、ニューヨーク、シンガポール、シドニーなど)のデジタルサイネージにコンテンツをリアルタイム配信するサービスを2016年1月12日より開始すると発表した。このサービスは、Posterscopeと提携している英国Liveposter(ライブポスター社)が保有する配信ツール「Liveposter」※を使用することで実現した。
「Liveposter」は、そのネットワーク下にある世界中のサイネージに対してリアルタイムにコンテンツ配信ができるだけでなく、第三者データとの連動や数万通り以上のクリエーティブを同時に生成する強力なCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)を持ち合わせている。これまで世界の主要都市にある1000画面以上のデジタルサイネージをネットワーク化していたが、このたび新たに日本がこのネットワークに加わることになった。
「Liveposter」を使用することで、世界の国際空港や主要駅のコンコース・ホームにある等身大のサイネージや、高速道路沿い・複合商業施設に設置されている大型サイネージなどに容易にコンテンツを配信・掲出することができる。また、CMS機能によって、これまで多大な時間と労力がかかっていた異なる媒体への出稿に必要なリサイズと複数のクリエーティブ表現を、コストと手間をかけずに行うことができる。
こうした特徴を持つ「Liveposter」の活用方法としては、例えば、次のようなものが考えられる。
・新作映画の紹介を自由自在なクリエーティブで表現。天気・上映時間・位置情報・SNS投稿などのデータを上映作品の俳優やキャラクターと組み合わせることで、街角のサイネージが作品の世界観を効果的に伝え、映画館に足を運びたい気持ちにさせる。
・チケット販売情報のリアルタイム表示。自社サイトと連動させることで、コンサート・演劇などのスケジュールと空き状況を自動的に表示。開演ぎりぎりまで会場近くで販促活動を行うことができる。
・「Liveposter」とFacebookアプリの連動。アプリの中で写真を投稿すると、世界中の人々の投稿写真がリアルタイムでサイネージに表示される。自分の写真がサイネージに映るかも、というわくわく感を参加者に与えることができる。
今後同社グループは、この「Liveposter」を国内外の顧客企業や団体に提供していくとともに、今目の前にいる生活者に話しかけることができる「デジタルOOH(DOOH)」の実現に取り組んでいく。
なお、本サービスの開始に当たり、同社は日本からの発信では初めてとなるリアルタイム配信を英国ロンドン向けに行った。新年のメッセージを流したこの配信実験では、10色の背景色、10通りの浮世絵、30人の人物写真、100色の電通ブランドロゴと4通りの天候データを組み合わせ、コンテンツが合計120万通りのパターンで表示されるようにした。
<配信実験の詳細>
・コンテンツ:新年メッセージ広告
・日時:2016年1月4日(月) ※英国時間
・配信先:英国 ロンドン市
・内容:下記データにより、最大で120万通りのコンテンツを自動的に生成して配信
①天気:晴れ・くもり・雨・雪の4通り
②背景色:10色(人材の多様性を表す100色名刺の色から10色を選択)
③背景画像:10通りの浮世絵
④人物写真:30人
⑤電通ブランドロゴ:名刺の色を背景にしたブランドロゴ
条件①は現地の気象データと自動的に連動。条件②~⑤はランダムな組み合わせ。
■配信実験で自動生成された新年メッセージ広告のデザイン例
■1月4日にロンドンのサイネージに実際に掲出された広告の様子
※英国Liveposter(ライブポスター社)が行った過去最大の「デジタルOOH(DOOH)」キャンペーンでは、世界主要都市の1,000面以上のデジタルサイネージに同時配信を行った。同社は今後も世界中にネットワークを広げていく計画。
電通ニュースリリースhttp://www.dentsu.co.jp/news/release/2016/0106-008614.html