アクティブラーニング こんなのどうだろう #05

フランスの学校では、
16/20が100点!?

  • 20160526 103
    Nadya Kirillova
    キリーロバ・ナージャ
    株式会社電通 ビジネス・クリエーション・センター 電通総研 Bチームクリエーティブ

電通総研に立ち上がった「アクティブラーニング こんなのどうだろう研究所」。アクティブラーニングについてさまざまな角度から提案を行っていきます。このコラムでは、ラーニングのアクティブ化に活用できそうなメソッド、考え方、人物などを紹介していきます。

学校のテスト。100点とると、とてもうれしいですよね。それは、万国共通の気持ち。日本の子どもは「100点」をとって喜ぶように、ロシアの子どもは、「5」をとって喜び、 アメリカの子どもは「A」をとって喜ぶ。

数字だったり文字だったりするが、全てに共通することは最高得点であること。

でも、同じ「最高得点」でも「最高得点」をたくさん与える主義と、なるべく与えない主義というのが国によってあるようだ。フランスの学校に転校して、そう感じた。いくらとても良くできたテストでも、16/20以上はなかなかとれない。特に正解がない問題が多く出題されるフランス語などの授業になればなるほど、この傾向は見られた。

ある日、先生に聞いてみた。すると、「満点はパーフェクトを意味するけど、パーフェクトとはよっぽどのことがない限り起きない状態だ。そう簡単に毎日や週一で出合えるものではない。人生で何度しか起きないようなことだ」と。

なるほど。確かに、わたしの回答はいい回答だったかもしれないが、パーフェクトかと言われたら、涙が出るほどの感動はない。私は、納得した。でも、そこから先生が感動するほどの回答とは何か、いつか出してみたいと思うようになった。

そういう意味で、フランスでは子どもも大人と同じように接せられる傾向にある。理由を説明して、人生はそう簡単に素晴らしいことは起きないし、努力が必要だと教えてくれる。でも逆に8割できていれば素晴らしいとも教えてくれる。

その逆を感じたのは、アメリカだった。とにかく褒められる。半分くらいしか分からなくても、いいところを見つけては先生が褒めてくる。「よく頑張ったね!」とかわいいシールがノートに貼られる。そして、全部できるまで、つまりそれが満点なのだが、何度でも取り組むことができる。「わたしでも満点がとれる!」というのが自信につながり、子どもは頑張るようになるという仕組みだ。でも、「それくらいでいいんだあ」と思う子どもも出てくる。そのために、アドバンスドクラスや飛び級が存在するのかもしれない。

「褒める」方式の逆をとっているのは、ロシア。いい点をとるのも重要だが、それよりみんな悪い点をとるのを恐れている。5段階しかない評価システムで、「1」は基本つくことがない。つまり、「2」が最低得点。アメリカでいうところの「F」だ。カタチが、白鳥に似ていることから、「また白鳥があなたのところへ泳いできたの!?」と母親に怒られることがしばしば。さらに、2ばかりをとる人を示す言葉もあり、これだけは呼ばれたくないから「2だけはとりたくないなあ」と思うようになり、最低限は勉強するようになるというわけだ。

採点システム。ただの数字や文字に見えるかもしれない。でも、 褒めて育てるのか、厳しさをもって育てるのか。「満点」という概念を設けるのか設けないのか。実は、これは全て学びへの姿勢に影響を与えている。採点システムを柔軟に変えていくことで、どんどん子どもたちのやる気を引き出していけるかもしれない。

世界のテストのいい点 フランスでは16/20

プロフィール

  • 20160526 103
    Nadya Kirillova
    キリーロバ・ナージャ
    株式会社電通 ビジネス・クリエーション・センター 電通総研 Bチームクリエーティブ

    ソ連(当時)、レニングラード生まれ。6カ国で育つ。電通入社後は、様々な領域に取り組むクリエーティブとして活動し、国内外のプロジェクトを幅広く担当。Cannes Lions Titanium Grand Prix、D&AD Black Pencil、文化庁メディア芸術祭大賞など多数受賞。

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