地域活性化へローカル放送局が挑戦(2)
長野放送 「けんこう未来食堂」
2016/01/27
テレビ局が地元結集のハブになる!地域活性化へローカル放送局が挑戦(2)
地方創生が叫ばれる中、地元媒体社が地域密着の強みを発揮し、多彩な施策でエリアの活性化に貢献している。この連載では、ローカル放送局の取り組みに フォーカス。地元企業と連携し住民一人一人に寄り添った取り組みや、系列局を超えた新機軸の企画、地元の人々と共に県産品の魅力を再発見する試みなど、ア プローチはさまざま。ローカル局保有の映像をウェブで配信したり、海外局へコンテンツを供給するなど、地域の魅力を発信する動きも加速しています。6回に わたり、その一端をご紹介します。
健康寿命の延伸に向けて高校生が地元の食材でレシピ開発
“長寿県”といわれる長野県。長野放送(NBS)は、健康寿命のさらなる啓発強化を目的とした「けんこう未来」キャンペーンの一環として、2013年から「けんこう未来食堂」プロジェクトを実施している。長野が誇る魅力“食財”(食材・自然)を、地元高校生によるレシピ開発を通して発信するもので、その素晴らしさを再認識し、健康知識をさらに深めてもらうことを目指している。挑戦するのは、上田千曲高校食物栄養科の生徒たち。学校の先生や料理研究家、地元のNPOなどの協力や支援を得て、収穫体験や食材知識の学習から実際のレシピ開発まで行い、完成品を食堂やイベントで一般の人に提供する。その奮闘ぶりは、番組「ほほ笑みチャンネル」や特番で紹介され、視聴者から温かな応援の声が届いている。
昨年は「和食の日」(11月24日)をテーマに、スーパーの店頭で販売する惣菜(そうざい)のレシピ開発にチャレンジ。長野エリア一帯で店舗を展開する食品スーパー「TSURUYA(ツルヤ)」と集団給食などを手掛ける「デリクックちくま」の全面的な協力で行われた。レシピが完成するまで約2カ月。「似たような料理法が多い」「冷めたときの味を考えて」など試食した惣菜作りのプロからのアドバイスに、高校生たちは真剣に悩み、試作を繰り返してようやく完成。この模様は11月21日に1時間の特番として放送され、惣菜は11月23〜29日、ツルヤ全32店舗で販売された。「おいしくて健康に良さそう」と評判も上々だ。
長野放送販促事業局販促事業部の中山陽平氏は「高校生たちは授業や部活など忙しい中、一生懸命取り組んでくれた。高校生の真摯(しんし)な姿にファンも多い」と話す。「これからは県外にも“出店”して、長野県の健康食材の魅力をアピールしていきたい」。高校生たちのアイデアとパワーに期待したい。
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