地域活性化へローカル放送局が挑戦(4)
くまもと県民テレビ「農力プロジェクト」

地域活性化へローカル局が挑戦(4)

地方創生 が叫ばれる中、地元媒体社が地域密着の強みを発揮し、多彩な施策でエリアの活性化に貢献している。この連載では、ローカル放送局の取り組み に フォーカス。地元企業と連携し住民一人一人に寄り添った取り組みや、系列局を超えた新機軸の企画、地元の人々と共に県産品の魅力を再発見する試みなど、ア プローチはさまざまだ。ローカル局保有の映像をウェブで配信したり、海外局へコンテンツを供給するなど、地域の魅力を発信する動きも加速している。6回に わたり、その一端をリポートする。

農業体験でふるさとの元気を再発見

くまもと県民テレビ(KKT)が展開しているのが「くまもと農力プロジェクト」だ。肥沃(ひよく)な平地と豊富な水源に恵まれた熊本は、日本有数の農業県。すいか、トマト、畳表となるイグサなどの生産量は日本一を誇る(2013年)。しかし、そんな熊本でも農業を取り巻く環境は厳しさを増している。そこで、この熊本県の持つ農業の力=農力(のうりょく)を向上させ、農業の元気を熊本の元気につなげたいと、13年同プロジェクトを立ち上げた。一般公募の参加者に野菜の種まきや田植え、収穫をしてもらう農業体験を、一部耕作放棄地を活用し県内数カ所で実施している。収穫時期にはじゃがいもやトマト、とうもろこしなどの野菜を使ったクッキングスクールなどイベントも開催。これまでに家族連れなど約800人が参加した(2015年11月末現在)。事業局事業部の入嶋照紀氏は「子どものころ、農家は豊かでうらやましかったが、近年は生計が立ちゆかなくなった農家や畜産家もたくさんある。地元のテレビ局として、何とかふるさとが元気になるお手伝いを継続していきたい」と思いは熱い。

阿蘇市乙姫地区では、今年新たな試みが実施された。昨年12月11日、同プロジェクトで生産したもち米で作ったお餅を、クリスマスプレゼントとして同地区の一人暮らしやグループホームの高齢者に届けるというもの。サンタクロースに扮(ふん)するのは吉本興業所属のもっこすファイヤーの2人。サンタの訪問を受けた高齢者は「お正月に食べるのが楽しみ」と満面の笑みで思いがけないプレゼントを手にした。
kkt-noryokuproject.com/

阿蘇市乙姫地区での“阿蘇高菜”収穫風景(2015年3月)
 
高齢者にクリスマスプレゼントの餅を手渡すもっこすファイヤー

 

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