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複雑な統計をシンプルに読み解こう!「日本の広告費」編

2016/02/23

続けざまに設定される打ち合せ、山のように積み重なる未読メール、とどまることを知らないプレゼン準備の中で、いくつもの、移りゆくSNSフィードを眺めていた…。今回は、そんな時間も忘れるほど忙しい読者のために、ビジネスでは必須ともいえる統計の読解をスピーディーに行うためのスキルをご紹介します。

電通総研メディアイノベーション研究部の北原利行さんが、2月23日に発表された「日本の広告費」を実例に解説をしてくれました。

複雑な数字はシンプルにすべし!

――「統計をスピーディーに読み解くスキル」とのことですが、一番大事なポイントは何でしょうか?

それは、“シンプル”に読み解くことです。

――はは、答えもシンプルですね(笑)。

 

む、そうですかね…?

 

 

例えば大きい数字、つまりラージなフィギュアや、多くのマトリクスが出てくるサーベイの場合、すみずみまで読み込むにはある程度コミットというか、テイクタイムしないといけませんし、イシューや求められるアウトプットによっては、実際そこまでディテールをキャッチアップしなくていいケースもありますよね。その時のニーズに合わせて、メークセンスできる最低限のユニットにインタープリトできるリテラシーを持つことが大切です。

――メ、メークセンスなユニットでリテラシーですね…、なるほど…。ちなみに、もう少しシンプルにいうとそれはどういったことでしょう?

…ふう、そうですね。では「日本の広告費」を見てみましょう。
2015年の媒体別の構成は、以下のようになっています。
 

媒体別構成比


 これ、本来分かりやすいはずの円グラフではありますが、かなり多くの指標が入っていてパッと見ても理解しにくいですよね?

――はい、確かに。いろんな項目があってパッと理解するのは私には難しいです…。

 

 

うん、そうでしょう。

こういうときは、記憶するときに全体をシンプルにして読み解けばスピーディーです。たぶんイメージできないと思いますし、ちょっと書いてあげますね。シンプル化…シンプリフィケーションって、慣れていないと難しいですから。

 

 

※北原さんがちゃんと解説している「日本の広告費」はこちら

――え…っと…。これは、逆にざっくりすぎな…。ていうか円グラフなんですかねこれ…。

 

え、分かりやすいでしょう…?

 

 

――あ…はい!すごくシンプルです!シ、シンプルって、こういうことですよね!

 

 

うん、そうでしょう。

大事な数字はビジュアルのインパクトで覚えるべし!

――他にもポイントはありますか?

ええ、次に大事なのはビジュアルインパクトを利用することです。インパクトがあれば、記憶がディープになりますから、何度も統計を見返す必要がなくなります。

――あ…ディープなインパクトということですか…。具体的にはどういうことですか?

2015年のインターネット広告費と1997年からの推移を、以下のようにまとめています。

毎年合計額が上がっていくことは想像に難くないとして、大事なのは最新の数字です。2015年は一体いくらだったのか、これだとなかなか分かりにくいです。

――そうですね。

そこで、2015年だけを取り出します。媒体費が9194億円で、制作費が2400億円。これをざっくりとした比にすると、5:1になりますね。

――計算速いですね。

 

 

うん、そうでしょう。

じゃあこれを、いよいよインパクトのあるビジュアルにしていきます。まず、媒体費と制作費の比はこうですね。絵にするとすごく分かりやすい。

 

 

※北原さんがちゃんと解説している「日本の広告費」はこちら

 

――な…なるほど…。

そして、媒体費9194億円と制作費2400億円を足すと1兆1594億円。およそで1兆1600億円です。どうです、計算速いでしょう?

――はは、このくらいの足し算なら私もできますよ(笑)。

 

え、そうですかね…?

 

 

まあいいですとりあえずテーマにリターンすると、このレイショーのイメージをアジャイルなフィーリングかつダイナミックにパフォームさせて、あなたのような方でもトータルのエクスペンディチャーがどのくらいか、イージーでそしてアサップにインプットできるようにしますからね。はい、いきますよ。

 

 

こうして…

 

 

 

こうで…

 

 

※北原さんがちゃんと解説している「日本の広告費」はこちら

こう、ね。

「スッ…スッ…ドーン!で1兆1600億円」。分かりやすいでしょう。

――ん、あれ…本当だ…。「スッ…スッ…ドーン!で1兆1600億円」ってなんか妙に頭に残りますね。横の図をただ立てただけなのに…。いやいや、でもこれはそもそも手書きじゃないですよね?フォトショか何かですよね?

いや、フリーハンドでドローするのが目的じゃなくて、あくまで数字を in your headで graphicallyに retainして、then you can make it easier to recall and utilize. それが目的ですから。

――最後のほうはもはや英語そのものでしたね…。

 

 

 

うん、そうでしょう。

 

――今日はどうもありがとうございました!逆の意味で記憶に残るというか…あ、いや、普通にすごく分かりやすかったです!

 

 

うん、そうでしょう……。


北原さんがカタカナ語を使わず、ちゃんと解説している「日本の広告費」はこちら