消費FORESIGHT #01

インバウンドによって変わる日本の消費

  • Matsumoto y profile
    松本 泰明
    株式会社電通 電通総研 ヒューマン・スタディーズ・グループ 主任研究員

2015年の訪日外国人観光客数は1973万人と過去最多を更新、より身近な存在になっています。電通総研が昨年末に発表した「話題・注目商品2015」の1位も「爆買い/インバウンド」でした。では、「爆買い/インバウンド」は生活者の意識にどのようなインパクトを与えたのでしょうか。「電通消費マインド調査」はインバウンドについても昨年12月に調査しており、興味深い結果が読み取れます。

爆買いは多くの生活者にとって、まだメディア上の出来事のようで、「“爆買い”の光景を実際に見たことがある」人は全体の26%ほどです。地域別では、関東甲信越地方が27%なのに対し、東北地方が9%、中国・四国地方では5%にとどまっています。爆買いに接する機会の地域差はまだまだ大きいようです。その一方で「外国人観光客によって活性化する地方が出てくる」ことに期待する人は東北地方や中国・四国地方が全国平均よりも高く、地方においてもインバウンドへの期待が高まっています。


Q 今年、あなたが普段の暮らしの中で、
実際に外国人観光客の「爆買い」を目にすることはありましたか

 

では、爆買いの様子を目にして感じたことを見てみましょう。「あらためて、『日本の商品力/モノの良さ』を誇りに感じる」人は、全体平均でも6割と高い結果ですが、上の年代ほど高くなる傾向にあり、50、60代では7割に達します。この世代は爆買いによる日本の復活に期待をしているようです。一方で、20、30代の若年層では「外国人観光客が魅力に感じている『日本の商品/モノ』を知りたい」「自分たち日本人も、買い物を楽しんだり、消費をしたい」といった項目が全体平均よりも高く、自分たち自身の消費にも目を向けている様子がうかがえます。

2015年は45年ぶりに訪日外国人数が日本人出国者数を上回りました。今までは日本人が外国からさまざまなモノやコトを持ち帰り吸収していったのに対し、これからは海外の人を受け入れる中で、いかに日本のモノやコトを世界に広めていくかが問われます。日本と海外の関わり方が大きく変化する時代が始まろうとしています。

 

 

消費マインド調査の詳細はこちらからご覧になれます。dii.dentsu.jp/ 

 

プロフィール

  • Matsumoto y profile
    松本 泰明
    株式会社電通 電通総研 ヒューマン・スタディーズ・グループ 主任研究員

    1999年(株)電通入社。主にマーケティング関連局で、食品・飲料、酒類、家電、保険、金融など様々な業種のクライアントのアカウントプランニング作業に従事。その後、2010年に(株)メディア・シェイカーズのM1・F1総研®の主管研究員として、2~30代の消費者心理について研究。2013年より電通総研にて、消費潮流分析、話題・注目商品などを担当。【専門分野】消費潮流、消費トレンド

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