ベトナム発★ モーターショー、日系が市場拡大に布石

第9回ベトナム・モーターショーが10月23~27日、ホーチミンで開催された(主催=ベトナム自動車工業会)。
出展メーカーは昨年より2社多い15社。うち8社が日系で、トヨタ系のレクサス、日産系のインフィニティなどの高級ブランドも初出展した。アジアの経済情報を配信するNNAが伝えた。

2012年のベトナム国内の自動車販売台数は約9万3000台。「東南アジアのデトロイト」といわれるタイ(約144万台)の15分の1と小規模な市場だ。
しかしメーカー各社は、ベトナムにも10年以内にモータリゼーションが到来し、市場が大幅に拡大すると予想。モーターショーなどを通じ、ブランド浸透に向けた布石を打つ。
ベトナムでは今年、ハノイなど一部の都市で乗用車の登録料金を引き下げた他、工業化戦略の育成産業の一つとして自動車産業を指定するなど、業界への追い風も吹き始めている。

昨年のモーターショーでは、将来も現地生産を続けるか不明とした日系メーカーもあったが、今回ブースを回るとベトナムに根を下ろして生産・販売を続けるとの声が相次いだ。

市場シェア首位のトヨタ・ベトナムは、ボディー全面ディスプレーやネットワーク接続機能を搭載し「走るスマートフォン」をイメージしたコンセプトカー「Fun-Vii(ファン・ヴィー)」を目玉として出展。既に投入しているセダン「カムリ」やスポーツ多目的車(SUV)「フォーチュナー」、後輪駆動スポーツ車「FT-86」なども出展した。
同社は今年1~9月、前年同期比43%増の2万3324台を売り上げ、メーカーで唯一2万台超えを達成した。
今後の生産体制について同社の丸田善久社長は「トヨタは需要がある場所で生産する方針を掲げている。ベトナムは有望な市場とみている」と話す。さらに、「産業を育てるならメーカーだけでなくサプライヤーに対してもベトナム政府の後押しは必要になる」とも述べ、日系メーカーが一体となって政府に働きかけたいと強調した。(写真は会場であいさつするトヨタ・ベトナムの丸田社長=10月23日、NNA撮影)

ホンダ・ベトナムは今年1~9月、前年同期比3.3倍の2752台を販売。ベトナム自動車工業会の加盟19社で最も伸びている。今回のショーではコンセプトカー「アーバンSUVコンセプト」を目玉に、セダン「アコード」「シビック」「シティ」、SUV「CR-V」を展示した。自動車販売部門の丸野智広ディレクターは「客層が広がっている」と述べ、生産増に向けた準備も進めているという。(写真は左から、ホンダ・ベトナムの五十嵐雅行社長と丸野ディレクター=10月23日、NNA撮影)

現地で組み立て生産するSUV「パジェロスポーツ」などを展示したビナスター(三菱自動車)も、1~9月の販売台数が前年同期比59%増の1505台と好調。小林芳夫社長は、円安による販売価格の下落を受け、小型トラックなどの商用車が売れていると説明した。

日産ベトナムは、ダナンで組立生産する小型セダン「サニー」を含めたモデルを展示。担当者によれば、同社はダナン工場で本年度4000台を生産する予定で、組み立て生産する車両のラインアップを増やすことも検討しているという。

大・中型トラックが主力の日野モータース・ベトナムは、小型トラックの新モデルを並べた。同社は今年1~9月、円安の効果を背景に前年同期比2.3倍の1019台を販売。トラックメーカーでは最も伸びた。望月正朗社長は、競合する韓国のウォン高の影響もあるとみている。

軽トラックでシェア7割のベトナムスズキは今回、小型ハッチバック「スイフト」やSUV「グランドビターラ」など日本からの輸入車を出展。宇藤陽通ゼネラルマネジャーは「ベトナムで乗用車の需要が拡大することは間違いないとみている。スズキには乗用車もあることを認知してもらい、まずは反応を見たい」と狙いを明かした。

ショーにはこの他、GM、BMW、メルセデス・ベンツ、ルノー、アウディ、フォード、ランドローバーなどの正規ディーラーが出展。チュオンハイ自動車(Thaco)など地場メーカーの出展はなかった。

10月31日付ベトナム・ニュースによると、5日間の期間中でメルセデス・ベンツが100台以上の販売契約を取り付けた。アウディは28台、ランドローバーは15台、BMWは12台など計約200台を販売。来場者は計15万3300人で、最終日の27日には約5万人が訪れたという。

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