地域の未来めぐり「みちのく復興事業シンポ」開催

みちのく復興事業パートナーズとNPO法人ETIC.(エティック)は3月8日、「東北から地域の未来を描く~これからの企業の役割を考える~」をテーマに、第4回「みちのく復興事業シンポジウム」を東京・汐留の電通ホールで開いた。同パートナーズは、企業が連携して被災地の自立的な復興を支援するプラットフォームで、いすゞ自動車、花王、JCB、損害保険ジャパン日本興亜、東芝、ベネッセホールディングス、電通の7社が参画している。

基調講演「東北から生まれる地域の未来とは?」では2氏が登壇した。日本総合研究所の藻谷浩介主席研究員は、東京を含め日本各地で進む少子高齢化の状況に絡め、被災地での若い世代の取り組みに期待感を表明。「新しいビジネスをつくり、地域をつくる若い人が多くなってきた。彼らは80、90歳になっても生きていけるコミュニティーづくりにチャレンジしている。高齢化が進むと日本は滅びると思ってしまう人もいるが、確実に新しい動きは出てきている。地域の現場で苦闘している若い人は、端に逃げているのではなく、中心へと世の中の本筋を走っている」と語った。

岡山県西粟倉村で移住・起業支援事業を展開している森の学校ホールディングスの牧大介代表は、地域で起業する「ローカルベンチャー」育成の取り組みを紹介した。2008年以降本格的に移住者を受け入れた結果、十数社の企業や雇用が生まれた経緯などを説明し、「小さな取り組みを重ねれば田舎でもまだまだやれる。地域にはいろいろなビジネスの可能性がある。地域おこし、復興といっても結局は一人一人の自分おこしの積み重ね。そのための舞台を誰がどうつくっていくかが重要だ」と述べ、ハブ・インフラとしての役割を担う今後の取り組みに意欲を示した。

次の復興リーダーによるプレゼンテーション「東北から生まれている新たな可能性とは?」では、一般社団法人りぷらすの橋本大吾氏、一般社団法人フィッシャーマン・ジャパンの長谷川琢也氏、NPO法人アスヘノキボウの小松洋介氏が登壇し、福祉、漁業、まちづくりに関わる取り組みを説明。行政、企業、NPOの枠を超えて活躍するハブ的存在の重要性を示した。

続いて、ETIC.の宮城治男代表理事をモデレーターに、入川スタイル&ホールディングスの入川秀人代表、東芝の山下剛志CSR経営推進室社会貢献担当部長、牧氏、小松氏が「これからの企業の役割を考える」について議論を交わした。山下氏は「東北復興なくして日本の未来はない。東北は課題先進地域。その認識を前提としたい」と述べ、企業の役割を、事業とCSRの2側面から説明。「事業側面では新規事業の実験場、課題解決に向けたニーズを発掘する場としての価値がある。CSR側面では『人づくり』に焦点を当てたい」と展望した。他にも、支援ではなく共に企画をする「協働」、ナレッジや人材面での協力の重要性などが語り合われ、最後に宮城氏が「現場では未来形のさまざまな取り組みが行われている。このシナリオを実現させるためには、足りないものがたくさんある。そこに企業がぜひ何らかの形で参画してほしい」と締めくくった。

 

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