『SHARED VISION』のおまけ #06

ソーシャルメディアとどう向き合えばいいんだっけ?

  • Take 02 6559 hirota
    廣田 周作
    株式会社電通 ビジネス・クリエーション・センター
  • 6
    八木 彩
    株式会社電通 第1CRプランニング局
  • 7
    藤本 宗将
    株式会社電通 CDC

藤本:僕はソーシャルメディアのなかではツイッターが好きでよく見ているのですが、一般の方のツイートがすごくおもしろかったりしますよね。僕はコピーライターだから、いちおう「言葉のプロ」と言えなくもないわけですけど、自分なんかより面白いことを書いてはるかにリツイートされたりしてる人がいる。それを見て凹んだりすることもあります(笑)。コピーとツイートは目的も性質も違うし、比べるには相当無理があるけれど、どちらも「話題になって広まる」ことをめざしたりしますよね。そうなるとこういう場で、プロとアマチュアの差ってどこにあるのだろうと考えちゃったりして。

廣田:いろんなものを同列に、ある意味では過剰にフラットにするからこそ、ソーシャルメディアは素晴らしいし、同時に厳しいものだと思っています。言い換えれば、ソーシャルメディアには、プロとアマチュアの境界線がないというか、「全員アマチュア」なんです。「上手いこと言う人」はただの「上手いこと言う人」なのであって、お金の話とはいったん切り離して考えないといけない。プロ=そこでお金を儲ける人には、原理上なり得ないと思っています。お金はURLで違うページに飛ばした先で稼いでください、ということですね。

藤本:なるほど。「全員アマチュア」って分かりやすいですね!そう考えると納得も行くし、少しホッとします(笑)。たしかに商売っ気を感じるとあまりシェアとかリツイートしたくないですね。

廣田:「俺はプロだから、俺のツイートには価値があるでしょ? フォローするにはお金払ってよ」みたいな態度を取ってしまうと、またたく間に人は去ってしまいます。評判を獲得することと、お金を稼ぐことって、似ているんですけど、ちょっと違う。それがソーシャルに閉じた場所でプロが成り立たない理由だと思います。ペイドメディアとアーンドメディアの違いというと大げさですが。

八木:映像もデザインも簡単に作れてしまう時代なので、プロが何時間もかけて作った映像と素人の投稿が同列に比較されてしまうのがおもしろいなと個人的には感じています。いろんな人がコンテンツを作って共有できる時代になったことは、いいことだなぁと。ただ、プロだからこそ、クオリティを維持するために専門的なことはちゃんと勉強して、明確な差を出せないと価値がないと思います。自分への戒めも含めて…、むむむ。

藤本:デザインと違って言葉なんて誰でも使えるものだから、さらに厳しいですね。話題になって広まるだけだとアマチュアの仕事と大差なくて、広まった上で心に何が残るかまできちんとコントロールするのがプロの仕事、というふうに自分では考えています。

八木:廣田さんと話していて前に話題になった内容ですが、必ずしもシェアされるコンテンツがよいものだというわけでもなくて、すごくきれいなものとか、いいものは意外とシェアされなかったりする、という話がありました。だから安直に「いいね!」の数に惑わされず、今まで同様、もしくは今まで以上に、プロは純粋にいいコンテンツづくりを目指す、ということが大事かなと思っています。

廣田:今ちょっとクチコミ偏重だと感じます。クチコミってあくまで手段であり、目的ではないですよね。だから、全てが全てクチコミされれば良いというわけでもないと僕は思っています。その人の心の中にだけ、そっと届けばよいものっていっぱいありますし、そういうものの価値がなくなったわけではないんですよ。

「SHARED VISIONのおまけ」は今回で終了です。ご愛読ありがとうございました。またお会いする日まで。

プロフィール

  • Take 02 6559 hirota
    廣田 周作
    株式会社電通 ビジネス・クリエーション・センター

    2009年に電通入社。企業のソーシャルメディアの戦略的活用コンサルティングから、デジタル領域における戦略策定、キャンペーン実施、デジタルプロモーション企画、効果検証を担当。社内横断組織「電通ソーシャルメディアラボ」「電通モダン・コミュニケーション・ラボ」などに所属。著書に『SHARED VISION』(宣伝会議)。

  • 6
    八木 彩
    株式会社電通 第1CRプランニング局

    1985年、兵庫県生まれ。2009年武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業、同年電通入社。アートディレクター、グラフィックデザイナーとして広告やCI、パッケージデザインなど紙媒体を中心に幅広くデザインを手がける。朝日広告賞、ADC年鑑、TDC年鑑、JAGDA年鑑入選など。

  • 7
    藤本 宗将
    株式会社電通 CDC

    1972年生まれ。1997年電通入社。コピーライターとして広告のメッセージ開発を手がける。主な受賞に、TCC最高新人賞・TCC賞・ADCグランプリ・ACCグランプリなど。論文に『拡散するクリエイティブの条件』(JAAA入選)。

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