セカイメガネ #36

魅せてゴールするブラジル

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    田上 浩次郎
    電通ブラジル イノベーション・ディレクター

ブラジル人といえば、 日本人に比べると圧倒的に肌の露出が多いというイメージがないだろうか。実際に、その通りである。

彼らがこよなく愛するビーチ。例えば2月だったら、カーニバルシーズン。こうした場所では老若男女問わず、見てくださいと言わんばかりに、惜しげもなく自慢のボディーを披露する。正直、この環境において、自分のたるんでしまった体型を人さまにお見せすることを躊躇(ちゅうちょ)してしまう。「日本人とブラジル人の遺伝子の違いだな」と自分を慰めようとしたが、彼らの惜しまぬ努力があることに気付いた。

日本人の場合、こうした状況に対して「ダイエットする」というソリューションをまず思いつく。「痩せた理想の姿」を目指して食事を気にしたり、 ついてしまった脂肪をいかに落とすか、つまりマイナス状態をゼロに戻そうと発想する。ブラジル人は、そうではない。「痩せる」ことがゴールではなく、「 魅せる/見せるカラダづくり」がゴールだ。男性も女性も「他人に見てほしい」のだ。だからこそ、妥協しない。

ブラジルは世界第2位のスポーツジム数を誇る。弊社若手社員の多くもランチ休憩中にジムに通い、体を鍛える。週4~5回通う者も多い。男性も女性もストイックである(三日坊主にならない)。休日の公園でのどかに子どもと遊んでいる若い家族の横で、多くの人がランニングをし、公園に設置されたトレーニング器具で筋トレをする。人気女性タレントはインスタグラムのセルフィーでシックスパックに割れた見事な腹筋姿を披露する。 日本のアイドルタレントとはかけ離れたパワーとクビレを見せつける。

一昔前までは、外見を美しく見せるためだけに、人々は体を鍛えていた。それが着実に文化として定着する中で、人々はもっと大きな恩恵を手に入れた。専門医によれば、ブラジルの50代は昔の30代と同様の健康状態にある。経済が大きく低迷する中で、健康・美容カテゴリーは着実に伸びている。

セクシーボディーは、一日にしてならず。その努力が本当に定着すると、文化も経済も人々の暮らしをも前進させていくパワーを持つ。さぁ、リオオリンピックの年。2020年を考える前に、ブラジル人の陽気で魅力あふれるエネルギーを感じに地球の裏側まで足を運びませんか?

(監修:電通 グローバル・ビジネス・センター)

セカイメガネ

 

プロフィール

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    田上 浩次郎
    電通ブラジル イノベーション・ディレクター

    ブランドコンサルタントとしてキャリアをスタート。企業ブランド、新商品・新事業の戦略立案に取り組む。コンテンツ開発による地方活性化プロジェクトを多数成功させた後、グローバル・プロジェクト専任チームに参加。中国、インド、東南アジア、カナダ、アメリカ、イギリス、ブラジル、アルゼンチンにおけるキャンペーンプランニングを担当。2014年FIFAワールドカップブラジル大会における公式アプリ開発が代表作。同年、電通ブラジル赴任。デジタル時代に即した顧客プラットフォーム開発、コンテンツマーケティング、イノベーションプロジェクトをクライアントと共同で多数手掛ける。カンヌライオンズ、FIAP、ACCなど国内外の広告賞を受賞。共訳書に『ケロッグ経営大学院 ブランド実践講座』(2006、ダイヤモンド社)。

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