被災地に届け!

子どもたちの「東北ユースオーケストラ」が演奏会を開催

東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島県出身の小学4年生から大学生までの子どもたちで構成される「東北ユースオーケストラ」が3月26日、新宿区の東京オペラシティコンサートホールで第1回演奏会を開催した。(主催=同実行委員会 協賛=富士ゼロックスアドバンストテクノロジー、三越伊勢丹、森永エンゼル財団 協力=東京フィルハーモニー交響楽団、ヤマハミュージックジャパン 後援=J-WAVE)

*クレジットがない画像の撮影=丸尾隆一氏

同オーケストラは、音楽家の坂本龍一さんによる新たな復興支援プロジェクト。震災直後から被災地で学校の楽器の点検管理や音楽支援活動を行ってきた「子どもの音楽再生基金」の発起人である坂本さんを代表・監督として2014年に社団法人化し、指揮者に柳澤寿男氏を迎え新規のオーケストラとして活動を開始した。プロジェクトでは、音楽活動を通じて被災地の“心の復興”を図り“震災の記憶と教訓”を伝え、世界に通用する音楽家の育成・輩出を目指している。

当日は、活動の趣旨に賛同した女優の吉永小百合さんとジャズピアニストの山下洋輔さんがゲスト出演した。

開演に先立ち坂本さんは「当時、被災地で楽器の姿を見て、自分の身を切られるような感覚だった」と話し、その修復活動が一段落した後に子どもたちによるオーケストラの立ち上げに至ったと説明。「今日のために合宿や練習を重ねてきた」と語った。

最初の曲は、坂本さん作曲の「ラストエンペラー」で、坂本さんもピアノ演奏で参加。103人のオーケストラと協演した。2曲目には坂本さんが手がけた、映画「母と暮せば」の楽曲をバックに吉永さんが登壇。詩人・和合亮一さんの作品や和合さんがプロデュースする「詩の寺子屋」で生まれた福島の小中校生の詩を朗読。観客は被災地に思いをはせた。山下さんは、ジョージ・ガーシュインの「ラプソディ・イン・ブルー」でオーケストラと協演。腕を鍵盤にたたきつけるような独特な演奏で会場を沸かせた。最後はチャイコフスキー作曲「交響曲第5番 ホ短調 作品64」。通称「チャイゴ」といわれる楽団員あこがれの曲で、約50分に及ぶ大作を見事に演奏した子どもたちは、大きな拍手を受けて誇らしげな表情を見せた。

アンコールの「エチュード」では、作曲者の坂本さんと山下さんがキーボードで競演し会場を盛り上げた。指揮者の柳澤さんは「同じ思いを共有でき、完全燃焼した」、吉永さんは「こんなに素晴らしい演奏を、仮設住宅の人たちにも聞かせてあげたい」と声を詰まらせ、山下さんは「このイベントを実現させた坂本さんに敬服する」と話した。

坂本さんは「とても素人の演奏とは思えなかった。子どもにしか出せない音があることを実感した」と結んだ。

公式サイト:http://tohoku-youth-orchestra.org/

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