全国のアベックの行動を男ふたりで調べてみた

  • Profile
    森下 治秀
    株式会社電通 関西支社 マーケティング・クリエーティブセンター コミュニケーション・コンサルティング室 戦略コンサルティング部
  • 笠原 滋人
    株式会社電通
  • 髙田 真理
    株式会社電通 関西支社 マーケティング・クリエーティブセンター プランナー
人の流れラボ

まさかの再登場。電通関西支社の「人の流れラボ」(※1)笠原滋人です。春ですね。出会いと別れの季節ですね。つまり、人との接点に動きのある時期。アベックが生まれやすい季節とも考えられます。え、アベックを知らないって!? アベックとは「カップル」のこと。お付き合いをしているふたりのことですね。ぼくはカップルより、アベックがしっくりくるので、本文では主にアベックと言わせていただきます!

春にはアベックが芽生え、夏・秋と愛を育み、冬になるころには「世のアベックたちは、どんなかたちで何をしているのか」、こんなことばかりを考えていたところ、VCNC Japanの提供するカップル専用アプリ「Between」(※2)が昨年末、アプリ利用者に対して、クリスマスをテーマとしたアンケートを実施したと聞きました。

そこで、そのアンケート結果をもとに、アベックがどこへ行き、ナンボほど費やしているのかなど、エリア別に究明すべく、前回同様「人の流れラボ」所属の小さいおじさん森下治秀と共に、男ふたりでアベックの行動を観察することにしました。今回はおじさん二人の暴走を止めるべく、オブザーバーとして「ギャルラボ@」(※3)の高田真理にも協力を得て、アベックの行動を調べて見ました。

心はもうクリスマス。注目のカップルアプリ「Between」のアンケート調査からアベックの過ごし方を観察

アンケート調査は‪2015年‪11月、3377人を対象に 「カップルのクリスマスに関する調査」として実施したもの。回答者の男女比は、女性 74.1%、男性 25.9%でした。

VCNC Japanの担当者からは、「一言でカップルといっても、付き合っている期間や年代によっていろんなタイプが存在するんだよ」と聞きました。そこで、「Between」のアンケート回答者が居住しているエリアと移動・行動の実態から、アベックに対するマーケティング活動のヒントが浮かび上がるのではないか、と考えました。

アベックは「自宅派」と「外出派」に分かれる。 あなたはどっち派?

クリスマスの過ごし方は?

「クリスマスの過ごし方は?」の質問回答1位を都道府県別に見たところ、「イルミネーションを見て過ごす」が1位となる地域と、「(どちらかの)家で過ごす」が1位となる地域にバランス良く分かれることが判明。つまり、「自宅派」と「外出派」に分かれていたのです。われわれは、これら2派のアベックの「行動」が、どのようなものであるかを掘り下げることにしました。

プレゼントはペアグッズが人気。「自宅派」と「外出派」では、異なる傾向!?

プレゼントとして、自宅/外出両派ともに一番人気が高かったのは「ペアグッズ」!

クリスマスに相手にあげるプレゼントは?

われわれから見れば、ペアグッズというのはうらやましいような、恥ずかしいような、くすぐったいものなのですが、クリスマスのプレゼントとしては最も人気のようです。

ギャルラボ@高田真理に生の声を聞いてもらいました。東京在住の女子大学生(19)によると、
「彼氏が記念日にパーカーやマグカップなどのペアグッズをプレゼントしてくれます。時々おそろいのパーカーを着て出かけることもあります」
ということだそうで、今どきのカップルにはペアグッズはうれしい定番プレゼントの一つなのです。

2位以下が自宅派と外出派では違ってきます。外出派は2位「洋服」、3位マフラー…と続きます。しかし、自宅派の2位は「何もあげない」のです。そして3位が洋服。外出する方が、ものをあげたくなるんですね。自宅だとクリスマスといえど、日常感がそのままで「プレゼントなんて、ま、いっか」になってしまうのかもしれません。自宅/外出両派で最も差が出た回答が、この「何もあげない」で、外出派が8.9%で自宅派は17.6%でした。

自宅/外出両派に共通して人気だったのが「洋服」。洋服ってプレゼントするには難易度が高いような気がしますが、普段から相手の趣味や嗜好、そして何よりも大切な寸法を知っているから贈ることができるワザですよね。さすが、「Between」を使いこなしているアベックの皆さんです。

もちろん、プレゼント平均金額は「外出派」が高い。 

プレゼントの価格の相場は?

プレゼントに支出する平均金額を算出してみると、もちろん外出派の方が高額でした。自宅派は「何もあげない」人が多いのですから、当たり前の結果ですよね。プレゼント平均金額の約2000円の差を、大きいと見ればよいのか、小さいと考えられるのかは何とも言えませんが、回答をいただいた世代(年齢)に分けても見ましたが、ほぼ全年代でに「自宅派<外出派」であったことを申し添えておきます。

「自宅派」の交際期間は平均23.4カ月、「外出派」は平均19.6カ月

自宅派と外出派では、「付き合っている期間」でも違いがありました。 

付き合っている期間は?

付き合っている期間が長くなってくると、やはりマンネリ化してしまうのかもしれません。付き合い当初は相手と「外出する」ことが良い意味で「非日常」だったのが、付き合っている期間が長くなるうちに、だんだんと「家で過ごす」という「日常」へと変化している様子がうかがえます。

再び、ギャルラボ@高田真理に生の声を聞いてもらいました。京都在住、今の彼との交際期間約2年の女子大学生(21)は、クリスマスプレゼントはなかったといいます。「もう付き合いも長いですし、あらためてクリスマスにプレゼントをあげたりもらったりするのはちょっと恥ずかしい気もします」とのこと。

ですから、
・付き合い期間が長い=相手と一緒に過ごすのは日常=家で過ごす=プレゼントのやりとりをあまりしない
・付き合い期間が短い=相手と一緒に過ごすのは非日常=外出する=プレゼントのやりとりをする
といった構図が見えてきます。

「自宅派」と「外出派」の生息地マップ

次に「人の流れラボ」らしく、自宅/外出派の人がどの地域に多いのかを見てみたのが以下の図。外出派の多い地域は、公共交通機関が比較的発達していることがおぼろげながら浮かび上がってきます。

生息地マップ

東京・大阪・愛知とその近辺の地域はJRや私鉄が発達していることもあり、域内交通や都市間交通も発達しています。誰が見ても公共交通機関が発達していて移動が容易なことがお分かりいただけると思います。

またまた、ギャルラボ@高田真理に生の声を聞いてもらいました。東京在住の女子大学生(19)は、「クリスマスに、家から電車で15分くらいのイルミネーションを見に行きました。人込みのなか遠くまで見に行くのは大変なので、お金もあまりかからず、手軽に電車で行けるところを選びました」と首都圏では、気軽に外出してクリスマス気分を味わうことができると話していました。

この3都市圏以外の地域で外出派の多いところ――たとえば宮城県は東北地方で唯一地下鉄のある地域です。同じように愛媛県や熊本県は都市部に関しては路面電車が発達しています。これらの地域は都市間交通に関しては若干不便ではあるものの、地域内の「移動」が容易なところといえるでしょう。

反対に「互いの家で過ごす」が多数を占めたところを見ると、公共交通機関がないわけではありませんが、自動車で「移動」を行う方が便利(=合理的)な地域が浮かび上がっているようです。

「Between」のアンケート結果から見たアベックの行動モデル

まとめるとこうなります。

・交通機関が発達している=イルミネーションを見に行く(外出する)=プレゼントのやりとりをする
・交通機関より自動車などで移動する方が便利=自宅で過ごす=プレゼントのやりとりをあまりしない

アベックの行動モデル

アベックの生態把握をマーケティング活用へ

このようにアベックの行動を把握することにより、今までとは異なる新しい切り口でさまざまなマーケティング活動が創造できます。

例えば、交通機関の発達しているところではアベックの外出を促し(イルミネーションが好例ですね)、マーケティングに活用することが考えられます。自動車が便利な地域でアベックの外出を促すのもありですが、自宅で過ごすアベックに向けた施策を行うことも有効かもしれません。他にも、アベックでいることが日常となることにより、プレゼントのやりとりが不活発になることが分かりましたので、いかに非日常を演出できるかでこちらもマーケティングに寄与しそうです。

今回、われわれおじさんチームは、アベックと位置情報を掛け合わせた分析を通じて、アベックの実態を垣間見ることができました。こういった、コミュニケーションアプリ(Between)とのコラボレーションによるユーザー起点の分析は、ターゲットのインサイト把握を試みたいときなど、企業のマーケティング活動においてさまざまな示唆を与えてくれるものになるのではないかと思います。

今後、われわれはアベックだけでなく他のターゲットにも目を向けて情報を発信していきたいと思います。

※1「人の流れラボ」とは
人の流れを明らかにすることで、より暮らしやすい社会の実現に努め、情報発信を行う研究機関。
お問い合せ先:電通 人の流れラボ
contact@hitononagarelab.jp

 

※2「Between」とは
2人だけのチャット、アルバム、カレンダーで2人の大切な思い出を共有することができるアプリ。
https://between.us/

Between

<アンケート・協業に関するお問い合わせ>
Betweenでは、世界1500万人、国内240万人のカップルへのアンケートなどが可能です。
また、Betweenのプラットフォーム上で、ユーザー体験をより豊かにする協業パートナーを積極的に募集しております。
カップルをより幸せにする協業のご提案に関しては以下からお問い合わせください。
お問い合わせ先:partner-jp@between.us

※3「ギャルラボ@」とは
地方に眠る魅力を、女子の視点で「アリ!」にする。女の子目線の「地方創生プロジェクトチーム」。
お問い合わせ先:gallabo@dentsu.co.jp

ギャルラボ

プロフィール

  • Profile
    森下 治秀
    株式会社電通 関西支社 マーケティング・クリエーティブセンター コミュニケーション・コンサルティング室 戦略コンサルティング部

    1979年1月大阪生まれ。2013年に電通へ入社。位置情報データを活用した顧客動態分析サービス「draffic(ドラフィック)」の事業開発プロデュース、グッドデザイン賞受賞。位置情報マーケティングの啓蒙組織「人の流れラボ」の立ち上げ。現在は、デジタル・シーズの可能性を最大化するアイディア・ジェネレーション・チーム「DENTSU TOPPA!」のプロデュース、コミュニケーション企画やオープン・イノベーション設計をおこなう。

  • 笠原 滋人
    株式会社電通

    1995年入社。関西支社に配属。新聞(地方紙)、ネット・プロモーション、店頭/リテール・プロモーション、折込メディアなど、エリアマーケティングに従事。現在はテレビ局で衛星メディア・ケーブルテレビ局を担当。人の流れラボ研究員。共著に『買いたい空気のつくり方』(ダイヤモンド社)がある。

  • 髙田 真理
    株式会社電通 関西支社 マーケティング・クリエーティブセンター プランナー

    2012年電通入社。プランナーとして広告・事業戦略の立案に従事。
    10~20代の若者を対象にしたプロジェクト「若者研究部(電通ワカモン)」の他、女子目線で地域活性化をプランニングする「GAL LABO@」にも所属。
    学生時代は京都の旅人を英語で案内する活動に打ち込み、自身も大の旅好き。

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