マインド・ホールを突破せよ。 #01

「考え方のクセ」で分かる
6つの生活者セグメント

ビデオリサーチ「ひと研究所」では、当社保有の膨大な生活者データや知見を生かしながら、生活者に届くコミュニケーションの研究や、企業が抱えるコミュニケーション課題の発見・解決を行っています。

当研究所は、昨年11月に『ビデオリサーチが提案するマーケティング新論 マインド・ホールを突破せよ。』を発刊いたしました。本連載では、本書を題材に、多様化が進んでいる生活者を「考え方のクセ」でタイプ分類すると実はシンプルに捉えることができて、効果的にアプローチできることをご紹介していきます。

書籍『マインドホールを突破せよ。』

人には「考え方のクセ」がある

「考え方のクセ」とは、“情報入手時や購買選択時の思考特性”を指します。当研究所では、考え方のクセに着目して、新たな生活者セグメント※を開発しました。考え方のクセが分かると、その人の心に響きやすいメディアやコミュニケーションのメッセージ要素が分かります。

※セグメント:市場(不特定多数の人々)の中で、共通の消費者属性(年齢・性別・職業・価値観など)を持っている集団。

「マインド・バリア」と「マインド・ホール」

ところで、本書のタイトルとなっている「マインド・ホール」というコトバ。いったい何?と思われた方が多いのではないでしょうか? 「マインド・ホール」とは、「マインド・バリア」と共に当研究所が生み出したコトバです。

現代社会では、ICTの進化により多種大量の情報があふれ、混沌とした状態が生まれています。われわれは、この状態を「コミュニケーション・カオス」と呼んでいます。

生活者視点で「コミュニケーション・カオス」を描くと図1のようなイメージになります。メディアが多様化し、氾濫する情報に囲まれている状態となった生活者は、多くの情報やメッセージを知らぬ間にシャットアウトしています。

図1:マインドバリアの概念図

 

それは情報への「マインド・バリア」ができている状態と言え、そこを通過してメッセージを届けることは非常に困難な状態となっています。

生活者は本人も意識しないうちに情報を取捨・選択しています。生活者に選択される情報は「マインド・バリア」を通過できているのです。この、情報が通過する穴を「マインド・ホール」と名付けました。生活者の「マインド・ホール」を通過させることが非常に大切なのです。

「考え方のクセ」には6つのセグメントが存在する

生活者の「考え方のクセ」の違いによって、情報の取り方やモノの選び方は異なり、もちろん「マインド・ホール」の場所も異なります。ここでは、6つの各セグメントで情報の取り方やモノの選び方にどんな特徴があるかご紹介します(図2)。次のサイトで、あなたがどのセグメントか判定できますので、ぜひ試してみてください。 http://vrhitoseg.com/

図2:「考え方のクセ」による6セグメント
 
●セグメント①:トレンドフリーク(自発的×イメージ重視)
直感や感性を重視して選択する。新しいものや流行に敏感で、興味のあるものだけでなく、あまり興味がないものでもとりあえず情報収集。発信意欲も強く、話題を振りまく。
●セグメント②:雑学ロジカル(自発的×機能重視)
機能や性能などのスペック情報が大好き。何事も徹底的に情報収集し、“意味のある”ものや“理屈に合う”ものを選択する。情報収集が早く、新しいものには興味を示すが、選択基準がはっきりしているため流行には流されない。
●セグメント③:スマート目利き(自発的×イメージ、機能両方重視)
決まったアイテムやブランドではなく、より良いものを追い求める。その時ごとに話題のブランドやアイテムであり、なおかつスペックにも満足できるという両方の条件を満たさないと購買につながらない。しかし、ひとたびそのお眼鏡にかなうと、周囲に積極的に情報発信する。
●セグメント④:コミュニティ同調(他発的×イメージ重視)
「世の中の評判」が選択の基準で、周りからどう見られているかを気にする。新しい情報や流行を積極的に取りにいくのではなく、ある程度浸透してから気付き、“乗り遅れないように”取り入れる。
●セグメント⑤:堅実ストイック(他発的×機能重視)
失敗は絶対にしたくない慎重派。計画的で将来への備えもばっちり。節約志向で無駄遣いはしない。新しいものや流行には乗らず、間違いがないと分かっているものを選択する。そのため定番品や、先行品がはやった後に出される安価で必要な機能のそろった後発品を好む。
●セグメント⑥:ナチュラル低関与(他発的×イメージ、機能重視どちらでもない)
情報収集の重要性や、社会に取り残されるといった不安感は特に感じていない。自分の選択基準や明確な好みを持たず、淡々と日々生活している。えり好みをしないため、店頭の目立つところに並んでいるものを選択する傾向がある。

いかがでしょう? 納得の判定結果になりましたでしょうか ?

本書では、セグメントごとに「マインド・ホール」を通過する“具体的なキーワード”もご紹介しています。「売上ナンバーワン!」にグッとくるのはどのタイプか ?! ご興味お持ちいただけましたらぜひご一読ください。

次回は、「考え方のクセ」の違いが実生活の中でどのような差となって表れるのか、具体的なデータでお見せしていきます。どうぞお楽しみに。

 

プロフィール

  • 01
    加治佐 康代
    株式会社ビデオリサーチ ひと研究所 代表

    1991年入社。広告会社担当営業を経て、調査分析部門で商品サービス・コミュニケーション開発、広告効果測定など、さまざまな調査企画設計・分析を担当。2012年から生活者インテリジェンス部長として生活者研究の知見発信に携わる。
    2014年ひと研究所所長。2015年からひと研究所代表に就任、マーケティング分析部長を兼務しクライアントの課題解決を支援。

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