Amazonのプログラマティック戦略と日本における展開

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    Seth Dallaire
    セス・デレイヤ
    Amazon アマゾンメディアグループ事業本部 グローバル アドバタイジング セールス バイスプレジデント
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    村山 亮太
    株式会社電通 デジタル・ビジネス局

GoogleやFacebookのような大手プラットフォームが昨今注力するプログラマティック領域に、いよいよAmazonも参入し、日本での本格的な展開を開始する。同社はプログラマティック市場をどのように捉え、日本でどのような展開を考えているのか。Amazonの広告営業担当バイスプレジデントであるセス・デレイヤ氏に、電通デジタル・ビジネス局の村山亮太氏が話を聞いた。

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村山:米国から遅れること2、3年、日本でもようやくプログラマティック配信が注目され、広告主から一定の評価を得るところまできました。一方で、ブランドセーフティーやアドブロック、またそもそもの仕組みの複雑性などの問題も浮上してきています。このような甲乙ありながら拡大を続けるプログラマティック市場への取り組みと、Amazonの優位性について説明してください。

デレイヤ:プログラマティック広告の需要は着実に高まっています。データを駆使する広告手法であること、また広告が配信された後もターゲットである消費者についてさまざまなデータが得られることから、広告会社・広告主とも明らかに強い関心を持っています。一種、バズワード化している印象さえあります。

しかし一方で、配信システムを手掛けるテクノロジー企業やメディア、プラットフォーム企業などさまざまなプレーヤーが混在していることから、非常に複雑な領域ともなっています。プログラマティック配信が一体どのような仕組みで機能しているのか、分かりづらくなっているのが現状です。

Amazonが何よりも大事だと考えているのは、Amazonを利用するユーザーの信頼です。需要に応えることは大切ですが、プログラマティック広告をやるからには、リテールサイト、あるいはKindle や Fire タブレット、また米国で販売するハンズフリーで音声認識で音楽やニュースを届けるスピーカー「Echo」のようなAmazonのデバイスを利用する生活者に対して、より良い体験を提供するものでなくてはいけません。

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村山:Amazon社のDSP*ともいえる「Amazon Advertising Platform」(AAP)について、もっとも大きな特徴はAmazonカスタマーへの精緻なターゲティングが可能である点だと思います。想定される効果的な利用シーンなどを教えてください。

デレイヤ:Amazonではカスタマーにとって親和性の高い広告を提供することで、購買体験をより有意義なものにしたいと考えています。AAPでも同様です。

親和性の強化は、広告効果に結果として必ず表れます。例えば、Amazonサイトで表示される広告にEコマース機能を持たせ、クーポンや商品レビュー情報、「カートに追加」ボタンなどの要素を加えることで、通常の広告に比べてクリック率が20~30%も上がるケースもあります。ヘアケア製品であれば、初回の購入に使えるクーポンなどが有効です。

広告会社にとっては広告のクリック率が上昇し、広告主にとっては商品の売り上げが増える。そして生活者はお得に買い物ができる。このように、全員にメリットがもたらされるプロダクトでありたいと考えています。

村山:先行リリースされた米国での成功事例を教えていただけますか。

デレイヤ:AAPでは、トラフィックの誘導先はAmazonサイトだと思われがちですが、Amazonサイト以外のランディングページなどにも誘導することができます。興味深い事例があります。あるコーヒーメーカーが広告主としてAAPでキャンペーンを実施しました。自社のウェブサイトとAmazonの両方で商品を販売していましたが、キャンペーンでは自社のウェブサイトへ誘導しました。その結果、サイトでの売り上げは伸びたのですが、誘導先ではなかったAmazonのサイトでも売り上げが大きく伸びたのです。

生活者は、Amazonを信頼しています。Amazonのサイトからいったん離れても、価格や商品レビューなどをチェックするために戻ってきます。AAPを通じて広告主とAmazonのカスタマー、相互にベネフィットがもたらされた好事例です。

また、AAPの重要な特徴として、ターゲットオーディエンスを拡張できることがあります。例えばシャンプーの広告であれば、通常はシャンプーの使用者がターゲットに設定され、オーディエンスの規模は限定的です。AAPのlook-a-like機能を使うことで、シャンプーを購入した人はコーヒーを購入した人と重なるなど相似するユーザープロファイルを特定し、高い精度でオーディエンスを拡張することができます。

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村山:Amazonは、プログラマティックの分野以外でも、検索連動型広告はじめ、広告主から非常に評価の高いプロダクトをリリースされています。プログラマティック領域以外のプロダクトや今後のプロダクトの方向性、また電通に期待することをお話しください。

デレイヤ:最近日本でもスタートしたAmazon内における検索連動型広告は、私たちのビジネスの重要な柱の一つです。生活者は商品を検索する際に、真っ先にAmazonを選択します。圧倒的な商品数が網羅されており、実際の購買者のレビューをはじめとする信頼できる情報が集まっていることを知っているからです。何か購入することだけが目的でなく、Amazonサイトのコンテンツそのものをメディアとして高く評価しているのです。ペイドサーチでは、その生活者と効果的につながることができます。

サービスプロダクトだけでなく、カスタマイズしたソリューションも提供しています。米国ではすでに多くの実績を重ねてきており、サービスとして定着しています。例としては「ミニオンズ」の封切りの際に実施したキャンペーンではAmazonの商品を発送する段ボールをラッピングでブランディングしたりしました。欧州、そして日本でも少しずつ成功事例が出てきています。

Amazonは商品を売るだけではありません。企業がブランドを訴求し、マーケティング課題を解決するのに非常に適した場所なのです。プログラマティック領域であるかないかを問わず、私たちAmazonもデータに基いた、グローバルなスケールでのソリューション構築を得意としています。電通は日本市場で圧倒的な数の広告主のプロモーションを手掛けられていますが、ぜひ、共に学び合い、成長していけることを願っています。

*DSP: ウェブ広告においてデマンドサイド(広告主側=需要側)が使用する広告配信ツール。広告主による広告効果の最大化を支援する機能を担う。

プロフィール

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    Seth Dallaire
    セス・デレイヤ
    Amazon アマゾンメディアグループ事業本部 グローバル アドバタイジング セールス バイスプレジデント

    大学卒業後アマゾンへ入社し、ビジネス開発グループに勤務。その後マイクロソフトへ転職し、メディアセールスチームとナショナルリテールセールスチームの両組織を牽引する。後にバイスプレジデントとしてYahoo!へ転職、グローバルアカウント並びにエージェンシー部門を統括、プログラマティックや中小企業向けの広告販売事業の推進をリードする。
    2012年2月に北米における広告営業部門統括長としてアマゾンに入社。2014年10月よりグローバルの広告事業を統括するバイスプレジデントとして現在に至る。

  • Profile
    村山 亮太
    株式会社電通 デジタル・ビジネス局

    2010年電通入社。ウェブの特にパフォーマンス領域においてクライアントコンサルティング業務に従事。2013年部内においてアドテクチームを立ち上げ、BIツール・自動入札ツール・PMDツールなどを導入。その後、“電通プライベート・マーケットプレイス”を提唱し、プロジェクトチームを立ち上げ。プログラマティック領域の全体戦略の立案から実際の提案業務まで包括的に従事している。

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