Experience Driven Showcase #69

中国人が熱狂する日本人を起用
JRAの新しいインバウンドチャレンジ!

  • Yamamoto akino pr
    山本 暁野
    株式会社電通 第14営業局 シニア・アカウント・マネージャー

政府は2020年までに訪日外国人を2000万人にするという目標数値を2015年にほぼ達成し、目標人数を4000万人に上方修正しました。
そんな中、インバウンドに積極的に取り組んできた日本中央競馬会(JRA)は、2016年東京競馬場での春季競馬開幕に合わせて、中国訪日客の変化に応じた新しいインバウンドソリューションの活用にチャレンジしました。そのキャンペーンについて、電通プロモーション・プロデュース局(現第14営業局)の山本暁野がレポートします。

編集構成:金原亜紀 電通イベント&スペース・デザイン局

 

JRAの新しいインバウンドソリューションの形はネット動画?

2016年5月15日、ヴィクトリアマイル(GI)レース開催日に、中国の若者の間で大人気な山下智博さんが東京競馬場を訪れました。山下さんは、2014年12 月から日本のさまざまな情報を伝える中国のバライエティ番組「绅士大概一分钟」を毎日更新し、中国の若者を中心に多く支持を集めている日本人です。彼に競馬場の美しい風景の中、実際にレースで勝ち馬を予想し、場内でのおいしい食事を堪能してもらい、彼ならではの視点で、JRAの魅力をネット動画で制作してもらいました。

中国人のツボが分かる日本人という視点で、同日制作した動画を6月から中国人に向けて配信し、JRAの競馬は日本では国民的エンターテインメントだということを、これから訪日予定の中国人にアピールしてもらいました。

2016年5月15日(日) ヴィクトリアマイル(GI)レース開催日
 

中国人が熱狂する日本人山下智博さんって、どういう人?

山下智博さんは、日本人にはなじみのない名前かもしれませんが、中国の若者の間では絶大な人気を誇っています。日本の最新文化の発信者として知られ、現在中国最大のSNSであるWeibo(微博)でのフォロワー数は75万人。動画チャンネル登録者数は130万人。動画の総再生回数は約5億回という熱狂状態になっています。

2015年に中国最大の動画プラットフォーム「优酷土豆」が主催する第8回Tudou Festivalで最優秀バラエティーチャンネル賞を受賞したほどです。訪日した際に買うべきものや、面白い日本語など、日本の最新情報・魅力を中国人視点で編集し、現在は中国でもブームとなっている動画という形で発信しています。

中国で大人気の山下智博氏とその番組「紳士大概一分钟」
中国で大人気の山下智博氏とその番組「紳士大概一分钟」

JRAが山下智博さんを起用した背景は、日々激変している中国の流行やメディア事情に関係しています。2015年後半あたりから、訪日中国人の目的は、日本の商品を買ういわゆる「モノ消費」から、日本の文化を体験する「コト消費」に徐々にシフトし続けています。これは2016年4月8日の中国持ち込み関税の引き上げやリピーターの増加が主な理由だといわれています。

また、中国でもWeiboやWeChat(微信)などの文字コンテンツ中心だったSNSから、尺が短くテンポのいい動画へと主流が変化したことも追い風になりました。そのような状況下でJRAは、訪日中国人の情報収集の手法の変化に敏感に反応し、通常の中国大手ニュース媒体の配信、SNSでの競馬認知拡大PR施策の他に、今回は山下智博さんの動画配信にチャレンジしました。

 

山下智博さん自身がリアルに体験した、競馬の楽しさを伝える

5月15日、チャイナ服姿の山下智博さんと共演者たちが東京競馬場に到着。GIレース開催日の人であふれかえる競馬場で、とても目立つ存在となっていました。山下さん自身も初めての競馬場だったので、「広い!きれい!」と興奮の様子。

山下氏と動画の出演者たち

場内のインフォメーションで中国語の説明ツールを確認した後は、乗馬センターで馬の試乗にチャレンジしました。中国で馬は縁起のいい熟語に多数使われるほど好感度の高い動物で、訪日客が集中している北京や上海のような都会では馬に触れる機会が少ないこともあり、競馬場で実際に乗馬体験できるのは、中国人にとっても魅力的なコンテンツだそうです。

初めて来場する外国人客でも分かりやすく楽しんでもらうために、山下さん一行にも通常の来場者と同じ流れで競馬に参加してもらうことにしました。パドックでこれからレースに出る競走馬を見て、それぞれ勝ち馬を予想してから観戦しました。

JRA東京競馬場内での動画撮影時の様子①
中央インフォメーション前
JRA東京競馬場内での動画撮影時の様子②
親子馬像前

 

インバウンドの関心は、日本人の「日常」の体験へ

訪日中国人の「日本的なコト」や「日本人の日常」を求める傾向が、2016年はさらに強くなると予想されています。
日本の老若男女に人気で、若者や家族連れも楽しんでいる競馬は、訪日中国人にとっては新しい存在であり、きれいで広大な環境、中国語対応の最新ツール、日本でしか体験できない競馬は、今後さらに注目されると予想しています。

次回は来日中の山下智博さんに、なぜ日本と中国の懸け橋として活動されているかを、山本がインタビューします。

 

プロフィール

  • Yamamoto akino pr
    山本 暁野
    株式会社電通 第14営業局 シニア・アカウント・マネージャー

    中国生まれ中国育ち。大学卒業後、来日。
    電通入社後、マーケティングプランナー、プロモーションプランナーとして、日本国内外のクライアント作業の他に、台湾認知度90%のオリジナルキャラクターの開発制作や、電通を代表して中国でプロモーションセミナーの講師を担当するなど、日中間の文化差異分析からビジネスチャンスを創造することを専門としている。

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