インサイトメモ #32

新潟県オリジナル調査と首都圏既存調査

(d-camp, ACR, MCR)の

メディア接触比較から見る

エリアコミュニケーションにおけるポテンシャル

  • メディアイノベーション・ラボ
    株式会社電通

〈 掲載日:2013.11.07 〉

■ ローカルエリアと首都圏エリアのメディア接触にフォーカス

ローカルの時代が静かに訪れようとしています。「里山資本主義」がベストセラーになり、コミュニティデザインが注目される時代。限界集落に高速のインターネット・インフラを整備して、ベンチャー企業のサテライトオフィスを誘致するといった試みが注目されています。
そして、昨今、ローカルエリアではメディアを上手く活用し、ご当地アイドルやご当地ゆるキャラを全国区の話題にまで盛り上げていたりするなど、ローカルの様々な情報に触れる機会も多くなりました。
その背景のひとつとしては、インターネットが普及したことで、ローカルエリアと首都圏エリアでの情報格差が昔より縮小されていると言われています。

そのように、情報格差が縮小され情報摂取や情報発信について、首都圏エリアでもローカルエリアでも同じ様な環境が整っている中、首都圏エリアとローカルエリアに住む人々のメディア接触そのものについては、どのようになっているのでしょうか。
そこで、電通総研では独自に、ローカルエリア(※1)におけるメディア接触調査を実施し、この、ローカルエリア(※1)のメディア接触調査と、ビデオリ サーチ社が提供する首都圏エリア(関東都市部)生活者の「日常生活」や「メディア接触」に関する調査から、2つのデータを比較分析し、ローカルエリア(※ 1)におけるメディア接触を浮き彫りにしたところ、特徴的な部分が見えてきましたので、その特徴をデータと共に、ご紹介いたします。

※今回の調査上は人口、面積、メディア環境、サンプル確保見込み等から、モデルエリアとして、『新潟県』を「ローカルエリア」として選定。 詳細は【調査概要②】を参照。


≪データトピックス≫

■ ローカルエリアにおけるメディア接触の特徴

1. 「360°全方位マルチ型」メディア接触スタイル

【テレビ】

  ● ほぼ毎日、一定時間以上視聴
  ● 平日も5割以上が2時間以上視聴
  ● 首都圏エリア(関東都市部)と比べ個室でのテレビ視聴が多い
  ● 首都圏エリア(関東都市部)と比べ「地元情報」を全世代で視聴

【ラジオ】

  ● 66%がラジオを聴取していて、首都圏エリア(関東都市部)よりも聴取の頻度が高い
  ● 最も少ない10代でも半数弱が聴取
  ● カーラジオでの聴取が6割

【新聞】

  ● 新聞の閲読率が77%で若年層でも半数以上が朝刊を閲読
  ● 平日よりも土日に時間をかけて読んでいる
  ● 地域/地元に関する記事は首都圏エリア(関東都市部)よりもよく読まれている

【雑誌】

  ● 約半数が月に1回以上雑誌を閲読
  ● 1日あたりの閲読時間は、30分未満が半数強
  ● 雑誌を読んで3割が商品購入・サービス利用・プレゼント応募などのアクション

【折込チラシ】

  ● 閲読率は約8割で、首都圏エリア(関東都市部)の約6割を上回る
  ● 特に10代~40代の閲読頻度が高い
  ● 半数以上が、週2回以上チラシを閲読している
  ● 4割が折込チラシを見て、新商品を購入

【フリーペーパー・フリーマガジン】

  ● フリーペーパーの閲読率は56%で、首都圏エリア(関東都市部)の約4割を上回る
  ● 買物や外出などの、「地元情報」目当て
  ● 新聞の折り込みやポスティングで届くフリーペーパーが良く読まれている
  ● 3割がフリーペーパーやフリーマガジンを見て利用する会社やお店を決定

【インターネット】

  ● 約6割が、1日1時間以上ネット利用
  ● スマホ保有率は約3割
  ● Twitter、Facebook、LINEは若年で浸透、40代でも2割が利用
  ● ネットをみて約5割が新商品購入、約4割が「HPにアクセス」

以上のデータの様に、ローカルエリア(※1)のメディア接触は、「テレビ」「ラジオ」「新聞」「雑誌」「折り込みチラ シ」「フリーペーパー・フリーマガジン」「インターネット」など、全てのメディアに、網羅的に接触している傾向があり、「新聞」「折り込みチラシ」「ラジ オ」「フリーペーパー」については首都圏エリア(関東都市部)と比べ5ポイント以上高い接触率がありました。

2. メディアとの関わりは、「中庸の徳」スタイル

「テレビ」「ラジオ」「新聞」「雑誌」「折り込みチラシ」「フリーペーパー・フリーマガジン」「インターネット」の各メ ディアへの接触率については高いものの、接触時間は首都圏エリア(関東都市部)をやや下回っています。この事から、各メディアに過不足なくバランスを持 ち、コンスタントに接触しているという特徴が見て取れました。

ローカルエリア(※1)のメディア接触から見えてくること...

  
  • 『クロスコミュニケーション』に適するローカルエリア(※1)のメディア接触スタイル
  • 地方紙やチラシのパワーは絶大で『県民メディア』は「紙媒体」

■ ローカルエリア(※1)におけるメディア接触についてのインサイト

首都圏エリア(関東都市部)の人々よりも、網羅的に様々なメディアとコンスタントに接触する様な、生活のリズムや基盤を築いているローカルエリア(※1)の人々。
電通総研としては、このようなメディア接触の特徴を持っているローカルエリア(※1)は、特に、『クロスコミュニケーション』に関して、首都圏エリア(関東都市部)に劣ることなく有効で、効率良く、効果を得やすい特性があると考えます。

また、ローカルエリア(※1)の各媒体が地域に住む人々のニーズをきちんと汲み取れている点や、また、「紙媒体」と「地元情報」の相性が非常に良く、『地元の情報を得るメディア』として「紙媒体」が特に支持されていることが見えてきました。
昨今、ローカルエリア(※1)でも、ネット接触状況などは、首都圏エリア(関東都市部)と変わらない中で、「紙媒体」がこのようにデジタルに脅かされる事 なく、独自のポジションを築いているのは、ローカルエリア(※1)の人々の生活の中に「紙媒体」が、『県民メディア』として浸透しているからであると考えられます。

以上の様に、これまで比較的、首都圏エリアでの大型キャンペーン時にフォーカスされてきた「クロスコミュニケーション」 の手法が、ローカルエリア(※1)での、エリア限定時のコミュニケーションにおいても十分、効果効率を得られるポテンシャルがある点や、「紙媒体」がデジ タルに縮小されることなく、地元の中で生活の基盤に根ざして、『県民メディア』として存在している点をご説明いたしましたが、今回の調査ではこの他にも、 「ローカルエリア(※1)で特に購買(幾つかの対象ジャンルについて)に影響するメディア」なども調査し確認する事ができました。

電通総研では今後も、ローカルエリアの特徴や特色が、日本を元気にする源であると考え、メディアに関わる様々な視点でローカルエリアのポテンシャルを探っていきたいと考えております。

※今回の調査上は人口、面積、メディア環境、サンプル確保見込み等から、モデルエリアとして、『新潟県』を「ローカルエリア」として選定。詳細は【調査概要②】を参照。


【調査概要①】

   ● 調査手法:インターネット調査
  ● 調査対象者:調査実施時点で新潟県内に居住している10~60代男女
  ● サンプル数:1600ss
       平成22年国勢調査に基づく人口構成比に極力合わせて回収。
       人口構成比に満たないサンプル部分が出たためウェイトバック集計を行った。

・回収サンプル数
・ウェイトバック後サンプル数
 

  ● 調査時期:2013年3月
  ● 調査機関:電通総研、電通マーケティングインサイト


【調査概要②】

● "ローカルエリア"のモデルエリア「新潟県」について

  ● ローカルエリアを語る上でのモデルエリアとして、
    人口、面積、メディア環境、サンプル確保見込み等から、新潟県を選定。
  ● 新潟は主に大都市圏を対象とした既存調査
   (d-camp、ACR、MCR)の調査対象外エリアである
  ● 人口:234万9485人(全国14位)
  ● 面積:1万2582平方キロ(全国5位)
  ● メディア環境

<地上波テレビ>
<ラジオ>

<主な地方・地域新聞>


【調査概要③】

● "首都圏エリア(関東都市部)"との比較方法について

  ● d-campおよびMCRの該当データと比較。
   調査手法の差などにより比較が難しい設問については地域差の比較は行っていない。

<d-camp関東>
<MCR関東>

プロフィール

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    株式会社電通

    電通総研メディアイノベーション研究部では、メディアや情報通信環境の変化を着実に捉え、進化し続けるオーディエンス(視聴者)の動向を探っていきます。
    世の中のキザシをいち早く発見し、オーディエンスとの「最適なコミュニケーション」を提案しています。

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